7月の看護部・検査部便り
昨日は、七夕でした。
夏の訪れを感じる季節になりましたね。
7月に入るこの時期は、暑かったり、雨が続いたりと体調を崩しやすいです。
熱中症にも注意が必要ですから、まめに水分補給をして下さいね。
夏バテに気をつけましょう!
今回は「体外受精の歴史」についてお話致します。
さまざまな質問を受ける中で、
特に旦那さまからこの質問が多かったので、今回お伝えしたいと思います。
「ルイーズ・ブラウン」
彼女が、この世に初めて体外受精で生まれて来た赤ちゃんです。
母:レズリーは9年間、子供を授かろうと努めていたものの、
卵管に異常があったために自然妊娠はかなわず、体外受精に望みを託しました。
この体外受精技術は、
ケンブリッジ大学のロバート・エドワーズ教授と婦人科医パトリック・ステップトーが、
12年間に及ぶ研究の末に完成させたもので、
1977年11月10日に母体から採取された卵子を体外受精させ、
2日半後、受精卵を母の子宮へ移し、その後は通常の妊娠と同じように推移しました。
1978年7月25日午後11時47分、
イングランド北部のオールダム総合病院で、
帝王切開により世界初の体外受精技術による子供として誕生しました。
ルイーズの誕生は、
世界中の不妊に悩む人たちの大きな福音となったのです!!
そして、
ルイーズには、同じく1982年に体外受精で授かった妹ナタリーがいます。
ルイーズ自身は2006年7月11日、自然妊娠していることが発表され、
2006年12月21日に男の子を出産しました。
ルイーズの妹ナタリーは、1999年に自然妊娠しています。
体外受精で授かったルイーズとナタリーのご両親(=世界初の体外受精に臨んだご夫婦)は、
合計5人の孫にも恵まれる事となりました。
体外受精で生まれた子供は「不妊症になるのか?」という不安も払拭したのです。
その後、
エドワーズ教授は、体外受精の功績により、2010年度のノーベル医学生理学賞を受賞しました。
初の体外受精から36年、今では世界で多くの方々がトライしている治療です。
いまや体外受精をはじめとする生殖医療は一般的な治療になり世界で500万人が誕生しています。
日本でも
(1) 体外受精で生まれた子供の割合…1/36人。
日本で体外受精で生まれた子供の数は28945人。
新生児36人に1人の割合です。(2010年・日本産婦人科学会の集計)
(2) 不妊に悩むカップル…1/6組
(3) 体外受精数…269659回(2011年・日本産婦人科学会の報告)
と、これだけの人が体外受精や顕微授精をトライし妊娠・出産をしています。
世界中不妊に悩む人たちの大きな革命となった治療、これが体外受精です。
ただ、これだけの技術が発展しても、
「卵子の老化」には解決法はありません。
日本産婦人科学会によると、
2011年に行われた体外受精で、
40歳の女性が出産に至った率は8.06%。
39歳では10.19%。
41歳では5.62%。
45歳では0.81%と、厳しい数字がでています。
夫婦でしっかりと検査を行い、より良い治療の選択が出来るように、
夫婦で相談し治療に向き合って頂ければと思います。
当院では月に1回「勉強会」を行っています。
ご夫婦で相談する上でも、一度出席するこをお勧めします。
詳しくは受付までお問い合わせください。
また、何か気になることがございましたら、
いつでもスタッフまでお声かけください。
とくおかLC看護部・検査部スタッフより