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明けましておめでとうございます。
本年もより多くの患者さんが御妊娠されますように、全力を尽くして参ります。
本年も宜しくお願い致します。
今回のラボ便りでは、受精卵の保存についてお話しします。
受精卵は、採卵後3~6日間インキュベーター(培養器:女性の体内と同じ環境に保たれた機械)の中で培養されます。
その後、しっかりと成長した受精卵を凍結して保存します。
受精卵を凍結する際に主に用いられている方法は、超急速ガラス化保存法といいます。
受精卵などの細胞を凍結保存する際は、
例えば水を凍らせて氷にするように、ただ“冷やせばいい”という訳ではありません。
受精卵を凍結する際は、まず細胞が壊れないようにする為の処置をしたのち、
直ちに-196℃の液体窒素に浸けて急速に冷却します。
凍結した受精卵は、そのまま液体窒素の中に浸された状態で保存されます。
受精卵を凍結する事で、受精卵の染色体が変化したり、将来生まれてくる子供に悪い影響が出ることはありません。
さらに、凍結保存期間が長くなることで受精卵の質が悪くなる事も一切ありません。
例えば、お一人授かったのち数年後にお二人目の妊娠を目指す際に、
お一人目の治療の際に凍結保存していた受精卵を移植して妊娠を目指していくことが当然可能です。
当院では、凍結保存期間は最長5年間と設定しておりますが、
これは5年間で受精卵の質が変化するという意味ではありません。
凍結した受精卵の質は変化せず、半永久的に保存可能なのです。
女性の年齢が大幅に生殖年齢を過ぎて妊娠する事を防ぐ為、
目安として5年と設定しております。
(インドでは若い卵子を利用して70代の女性が体外受精にて妊娠が成立した症例があります。
日本では、これは認められていません。)
凍結保存実施時のご年齢によっては、5年以上の保存延長も可能ですのでご相談下さい。
他にも何かご不明な点がございましたら、お気軽にスタッフまでご相談下さい。
お写真は、受精卵を保存している凍結タンクです。この中は、液体窒素で満たされています。