ライトノベルベスト
背中の方で、急に音がしたんでびっくりした。
危うく食べかけのアイスクリームのカップを落とすところだった。
大げさだけど、死神が来たのかと思った。
ジー……ゴー……てな感じ。
大きな音なら、ここまで驚かない。
自動車、飛行機、バイク、隣のおばちゃんがお皿を割る音。学校帰りの小学生の嬌声。筋向いのベスの吠える声。
そういうのは突然でもびっくりしない。したと同時になんの音だか分かるから。
で、今のは炊飯器が起動した音。
こないだ買い換えたばかりで、この子の起動音を聞くのは初めてだった。
前の炊飯器は小学校の6年の時に来た。安物だったせいもあって、起動音が大きく、いかにも「今からご飯炊きます!」って感じだったので驚くどころか、不器用で一途なお台所の仲間って感じだった。
今度の子は、お父さんの稼ぎも増えたので、ナントカ釜の高級品で、前の子とはケタが一つ違う値段。
むろん、この子のご飯は美味しい。だけど、今の音はいただけない。小さな音でも正体が分からないから、一瞬死神なんて思ってしまう。
で、こんなご飯を炊き始める時間にアイスクリームを食べているかと言うと、昼抜きだったけど食欲がないから。
このまま晩御飯を食べても、そんなには食べられない。お昼も抜いているから、体に良くない。だから、少しお腹に刺激を与えておく。
テスト後の短縮授業なのに、なんで、こんなに遅くなったかというと、補習を受けていたからだ。
勉強は嫌い。特に理数は。
英語は好きだけど、授業は嫌い。[I think therfor i am]は英語のままの方がいい。「われ思う故に我あり」なんて言うと、政治家の演説みたいだ。こないだの英作文で[I love u!]と書いたらペケにされた。[You]を[u]としたのがいけないそうだ。
だけど、アメリカの若者はYouをuと略して書く。日本語で「おめえ」と言いたいのを「あなた」とあらたまるようなものだ。言葉は生きてこその言葉だ。エイミーはいつも[u]で済ませてくるし、それで通じてる。最初に[You]って打ったら[lazy]とかえってきた。ま、カッタルイてな意味。
で、今日の補習は英語じゃない。英語はカツカツで50点だったから。
補習は情報。エクセルとパワーポイントの使い方の実習。
パソコンなんて、文字が打てて、ブログ書いたり動画サイトにアクセスできたり、チャットができたら、それでいい。
数学なんて、買い物に行って、お釣りの計算ができたらいい。飛行機の最短コースや燃費の計算なんて、航空料金表見りゃ値段で分かるっつーの。安いのが一番。エイミーもあたしも、そのへんは知ってるから、お互い平気で行き来できる。
もっと訳わかんないのはCO2の計算。
マジだけど、地球の温暖化なんてクソまじめに考えてんのは日本だけ。CO2の排出なんて、とっくに利権化してて、日本はいいカモになってるだけなのにね。ま、いいや。アイスクリームの美味しさが炊飯器の音でびっくりして、驚きとともに、頭と舌に焼き付いたから。炊飯器の起動音でアイスの美味しさ実感した人間は、そんなにはいないだろうから。
今夜は、昨日思いついた詩を広げて短編の小説にすんの。
エイミーにも送って、向こうの日系の先生に翻訳してもらう。ちょっと聞いてくれる。その元になった詩。
≪恋の三段跳び≫
ホップ、あなたに恋をして。ステップ、あなたに近づいて。ジャンプ……しても届かなかった。
短編を10個ぐらい書いて、中編が3本、長編が1本書けたら、人生、それでいい。
あたしは、長く生きても20歳ぐらいまで。炊飯器が前の子だったころに分かった。お父さん頑張って一桁上の炊飯器が買えるくらいがんばってくれた。だから、あの子があたしを嚇かしたことは黙っていよう。アイスも美味しくしてくれたし。こうやってブログにも書けたし。
なんの病気かって?
それは内緒。コメントもトラックバックもいいです。あなたなりに、そうなんだ。と思ってもらえたらいいです。
ではエンターキーを押します。読んでくれてありがとう。