先日の日曜日、名古屋はとても暑くてどうしようか?と悩んだのですが、
やはり「見たい!」が勝って、午後3時過ぎから県内碧南市の長谷川利行展に車で向かいました。
画家長谷川利行が亡くなって(はせがわ としゆき 1891〜1940年 ※私達はいつも りこう と呼んでしまっています)
70年以上が過ぎていますが、
その大規模な回顧展は18年ぶりとなるそうで、私たちもこの画家の回顧展を見るのはこれがはじめてです。
到着は4時を過ぎていましたので、館内は空いていて、佐橋とゆっくり作品を鑑賞出来ました。
利行については、その短い人生と画家自身の生活の破綻の印象がつよく、作品自体をしっかり見ようとする目が
どこか鈍ってしまっていたのだということに、今回この展覧会を拝見して初めて気がつきました。
素直に「長谷川利行さん、今まで、ごめんなさい」と思えるほど、とても良い展覧会でした。
夏の遊園地。どこかで感じたことのある雰囲気だと思いましたが、これは荒川遊園地。
チンチン電車に乗って、私も夏によく通った遊園地です。点描という技法がありますが、利行は 点でなく、短い線 の画家ですね。
対立する色彩を用いて、下町の小さな遊園地の哀愁をよく表現しています。
この蓮、花、りんごもとても良い作品でした。
利行作品は個人蔵が多く、これほど作品を集めるのは大変だったと感じます。
また、今まで自分たちのなかで「これは駄作だろう」と決めつけていた作品たちも
こうして画家の人生を追って、作品を見させて頂くと、決して駄作ではないのだということがわかります。
最後のガラス絵は、硝子が割れてしまっていたりするのですが、色が美しく、幻想的な世界を漂わせます。
安っぽく、不安定だとばかりと決めてかかっていた利行作品は、
堂々と安定した芸術性を持っていることにあらためて驚きました。
また、会場や図録の作品解説も、あぁ学芸員の先生方も皆さん長谷川利行がお好きなのだろうなぁと
実感でき、とても楽しめました。
展覧会は9月まで続きます。大変お暑いなかではありますが、どうぞ、みなさま是非お出かけくださいませ。
碧南市制70周年記念事業 開館10周年記念 長谷川利行展 -藝術に生き、雑踏に死す-
碧南市藤井達吉現代美術館にて 9月9日まで
おまけ
同じ日に展覧会を鑑賞されたお客様から
美術館の並びにあるうなぎ屋さんのうな丼の画像をお送り頂きました。
展覧会か?うなぎか?どちらが目当てで、碧南までお出かけになったのか?わからないほど美味しい物がお好きなお客様です(^▽^)
私達は、夕方出かけたので美術館のいつものカフェで、あずきとずんだの玄米おはぎを頂いて満足しましたが、次には是非こちらのお店にも伺いたいと思います。
コレクターさんも、画商も、食いしん坊さんが多いのですよねぇ。