久しぶりに七夕飾りを出しました。
我が家は満中陰の日を迎える週ですので、天に還る佐橋とはひとまずお別れ、そんな気分に七夕の季節がぴったりだと感じました。
小杉放庵の小品と七夕飾りの相性は今ひとつだったかな?と思いますが、放庵作品の好みが2人は少し分かれていたように
思い出しているので、しばらく当店の放庵作品を順に見直してみたいと思っています。
ギャラリーの中はそう変化はありません。
お預かりしていた小絲源太郎の三色菫ともお別れの日が近づきました。
しばらく眺めていようと作品を出してみていると、丁度お立ち寄りくださっていた先輩画商さんがご覧くださって
「ちょっとガラスが汚れているから綺麗にしてあげるといいけれど」とおっしゃってくださいました。
私には認識のなかった事ですし、少し先にお納めの日が決まっていたので、その時は「どうすれば良いですか?」とお聞きし
方法だけお教えいただいて、「このままお納めしても問題はないな」と判断しました。
あとで額の裏を見てみると、細い釘で裏板がとめてあるので、佐橋なら器用に裏板を外し、お掃除をするだろうけれど。。と
思いながら、そういえばいつもとてもお世話になっている額装屋さんに佐橋のことをお伝えし忘れていたことを思い出しました。
ご連絡をすると驚かれましたが、快く額のお掃除を引き受けてくださいました。少し時間があれば当店での作業で綺麗にしていただけるということでしたのでお願いしました。
1番大切な事は、画商さんがお帰りになったあと、私がこの作品の前で自分の姿勢を色々変えてガラスの汚れを探そうとしたことだと思います。
そして、見つけられたら、その汚れが妙に気になり出しました。
60、いえもうすぐ61歳になりますが、額の前で身を捩りながら汚れを探している自分に気づき、笑え、それと同時にどんなに小さなことでも学べることは楽しいことだなぁと思えました。
佐橋やこの先輩画商さんには遠く及ばず、とても恥ずかしく、また穴蔵に隠れていたい気分になることも多々ありますが、それでも
学べることがあるならば、今週も店に出て作業を進めさせていただこうと思っています。
鳥海、金山、香月の応接室。
夏に暑苦しいかと思いきや、その重厚感に気持ちが落ち着いて参ります。
今週は、佐橋が最後に発注した額装作品が戻ってくる予定です。
悲しみの「鎧」を纏い、自分を守り続けやっと50日。
薄皮を剥がすように無理なく、悲しみのベールを少しづつ脱ぎ捨てながら、
いつか、この思い鎧を天女の羽衣のように軽く、美しいお衣装にかえていきたいとばかり願っています。
天女のように、私まで天に召されては困りますけれど💦
大変お暑く、また変わりやすい天候が続いています。
どうぞ皆様、お気をつけてお過ごしくださいますようお願い致します。