昨日は弥栄さんにお立ち寄りいただき、展示をチェックしていただくことができました。
また作家や作品、額についてのお話もお伺いすることができ、お尋ねしたかったことも教えていただけましたので、ひと安心。
作品も少し入れ替えさせていただいて、今日からブログでもみなさまに各作品をご紹介させていただけるようになりました。
雪景色は全部で19点、そのうち10号の作品は大きさもタイトルもほぼ同じですので、微妙に違う作品のイメージや構図、色使い、或いは額装を確認するのに少し時間がかかってしまいました。

まずショーウィンドウからです。

10Ⅿ 雪景
こちらは素敵な額装の作品で大変個性的だったので、ショーウィンドウの正面に飾らせていただきました。
福井作品は、そのほとんどが古径さんのチーク縁に入っていますが、おそらく先生から作品を戴いた各画廊さんのお好みによって、それ以外の額屋さんにも額装を依頼されたのだと思います。それぞれのお店の特徴を感じさせながら、「きちんと作品に合っている!」と思えることが多く、楽しめます。
こちらは東京上野の浅尾拂雲堂さん製だろうと教えていただきました。
金の玉が連なっているように見える縁飾りがとても綺麗で雪の白を際立たせます。
小窓のうえには


上 サムホールF 「冬の海」 東美鑑
下 サムホール 「雪景」
2点の小品を飾らせていただきました。
福井の小品はとても人気がありますね。同じ小さな画面でも、まったく違う印象の風景が広がり不思議です。

そしてエントランスです。
このショーウィンドウの写真も、エントランスの写真も私はまともに撮影できたことがないのに😿飾りつけをしてくださった弥栄さんのご次男さんが携帯でいとも簡単に撮影をされたので、とてもショックでした⤵
さすが沢山の作品を画像におさめていらっしゃる方です。私はすかさず「その画像、私にください!!」とお願いをして、今日まで大切に保管しておきました。

そうです!ご案内のお葉書につかわせていただき、みなさまに「あの縦の作品いいねぇ~」と早速ご好評いただいた作品です。
10M 「冬の教会」 東美鑑
縦構図の作品はとても珍しいとお聞きしましたし、実際私も今回初めて出会うことができました。

このエントランスの広い壁を縦の10号作品一つで支配しきってしまう。
なにひとつ派手なところは見当たらず、強い緊張感も感じさせず、ただひたすら静かなこの風景画は、先日ご紹介したアサヒグラフの米倉守氏の言葉を借りてお伝えすると「福井の描くこの不思議な光景はまさに福井という画家の風姿であろう」と言えるような気がいたします。
福井は他のどの画家よりも、孤独に強い人であったのかもしれません。
寡黙な男性の江戸っ子のやせがまん?も、時に情緒的で大変美しいものだと思います。

10F 「館の冬」 東美鑑
この作品は少し岡鹿之助作品を想起させるような気がいたします。
他のどの作品も福井は大変丁寧に描いていますが、特にこの作品はMサイズの横長でなく、Fサイズだからでしょうか?この画家の器用さが随所に感じられる作品であるように思っています。
福井は大正13年、日本橋の木綿問屋で生まれましたが、絵描きになることは父親に反対をされ、それでも芸大の工芸科鋳金部にとりあえず入学できたのは母親のとりなしのおかげであったと読みました。
このお母さんは当時大変先進的な女性で、美容学校をも経営されていたとありました。福井の器用さはそのお母さまゆずりであったのかもしれませんね。
昨日から少しづつお客様がお立ち寄りくださっています。
大寒を過ぎ、立春までの一番お寒い時期に大変申し訳なく存じますが、佐橋美術店の店内の雰囲気がガラッと変わったことに驚いてくださったり、また福井の作品を丁寧に御覧くださるご来客のお姿に私自身が大変励まされております。
弥栄さんからも素敵な画集を幾つかお借りしましたので、少しづつ拝見しながら福井の芸術性についてより深く感じていけたらよいなぁ、皆様にお伝えできればよいなぁと思っています。
展示のご高覧、またブログにお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
福井雪景色おおよその価格帯
10号サイズ ▢
4~6号サイズ ☆彡
SMサイズ ☆
「東美鑑」と付記のない作品についてはご希望に合わせ、別途4万円にて鑑定書をお付けいたします。