京都の私立美術館、泉屋博古館さんは 住友コレクションを展示される美術館さんで京都も東京も
とても趣のある建物をお持ちです。
また住友さんならではの青銅器のコレクションは質、量ともに大変レベルが高く、拝見する度に発見があり驚きを感じます。
館内中庭より東山を望む
この日は、京都駅周辺の喧騒をのがれ、紅葉を楽しみながらゆっくり木島櫻谷展を拝見することができました。
櫻谷は動物の描写を多く手掛けた日本画家として有名です。
線や色彩、構成に画家ご本人の「間」というのでしょうか?
人間性の素直さ、優しさが感じられ、展示は沢山の作品というわけではありませんでしたが
観賞後の気持ちの落ち着きを私自身が強く感じられました。
ただ、大変残念に思ったのは、60代始めでの交通事故での他界によって、
更なる画境の深まりを得られなかったということです。
洋画家の成熟は割と早い時期から始まり、その曲線はなめらかのように感じていますが、
日本画家はそれより遅く、60代後半~70代を一番の頂点にグッとその画境を深めていく
印象があります。
それまでの個の内側の表現から、自然への回帰、自己の解放というのでしょうか。。
簡単に言えば宗教色を強め、より精神性を増していくのです。
勝手な私見で恐縮ですが、櫻谷のその後の作品を是非観てみたかったとつくづく感じます。
京都ではいま、櫻谷文庫さんの企画により木島櫻谷の旧邸宅が公開されています。
また京都文化博物館さんでも「木島櫻谷の世界」が開催中です。
私たちはこちらには伺えませんでしたが、合わせてご覧くださるとよりお楽しみいただけるかと存じます。
お時間がございましたら、是非お出かけくださいませ。
近代動物画の冒険 生誕140年記念 特別展 木島櫻谷 泉屋博古館 12月3日(日)まで
京都市指定重要文化財 木島櫻谷旧邸特別公開 櫻谷文庫 12月3日(日)まで
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