ふとしたご縁をいただいて昨年末にこの岩橋英遠のお軸に出会いました。
英遠は1903年明治36年北海道の出身で、最終的には安田靫彦の門下生となり、院展で活躍、芸術院会員、文化勲章受賞と主に昭和の時代を舞台に大いに活躍をした日本画家です。93歳没。
特に鶴を描いた作品で定評があり、大変人気がありました。
佐橋も私も若い頃から沢山の作品を見させて頂きましたので、懐かしく拝見。
軸装は珍しく感じられました。
若い頃には気づかなかったことが、年を経て、つまり歳をとってわかる事もあります。英遠の作品には、誠実さの裏返しに、少し固いイメージがあるのですね。
けれど、そこに拘らずに通り過ぎて、、更に鑑賞を進めると
実に丁寧に筆を絹地におさめ、鶴へのこの画家の「思い」をひしひしと感じることができます。
とてもとても清々しい作品です。
表装は愛知県一宮市、居松清唱堂。
私たちにとって、大変思い入れの強い作品となりそうです。
お正月は過ぎてしまいましたが、これから機会あるごとにじっくり眺めたいと思っています。
岩橋英遠 軸 「晨明」 絹本・彩色 68×51㎝ 共箱
385,000
羽の1枚1枚をリアルに丁寧に
足の模様も細かく描いてあり
北海道出身の英遠ならではの作品でした
二羽は何を見ているのでしょうか?
バックのほのぼのとした色も良かったです
英遠の作品をご鑑賞いただき、光栄です。
つがいの鶴の視線が少しずれ、違うものを見ているように感じられますね。
隣に居ても、じっと同じ物を見ないようにするのが、夫婦円満の秘訣という事でしょうか?
どんなに細かく描いても、作品全体がほのぼのとしている。。というのも北海道出身の英遠作品ならではないかと思っています。