17日の日曜日には、二人で上京し、世田谷区立美術館さんに伺って参りました。
人間・高山辰雄展 森羅万象への道。
先にお出かけになられたお客様がお勧めくださっていましたが、
なかなか予定が立たず、とうとう展覧会最終日になってしまいました。
展覧会の図録を頂いていましたので、大体の展示作品は把握していたつもりでしたが
やはり高山辰雄作品です。
絵葉書や図録では、まったく味わうことのできない独自の世界。
90歳を過ぎても、その探求心と筆の力に衰えを見せず、
絶筆作品を含む、展示最後の室内では
この作家自身が以前から考えていたとおり
高山辰雄の魂がとうとう大いなる宇宙、自然と一体化し、空気中に浮遊しているように感じられました。
高山辰雄の作品は
この世は全て「動いている」「過ぎている」という感覚を一瞬に鑑賞者に与え
その生死の哀しみを、わずかな温もりで共有しようとする強さに満ちています。
古径のような厳しさでなく、土牛のような謙虚さでなく、高山は高山の強さで私達を抱いてくれるのです。
「自然を描く」から「自然と一体化する」道を、高山は人間として常に探り続けたのだろうと思います。
画家91歳の作品「雨」
雨が激しく降る一日に
この二つの傘は、今日の私には、私と妹。
そう感じられます。
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