大型連休も終わりましたが、皆さんはどちらかにお出かけでしょうか。好天
の日が多かったので、どこもたくさんの人出だったようですね。
今日は、2年前にカントリーウオークグループの仲間で歩いた、千葉県鴨川
市の大山千枚田周辺のレポートとします。
なお、明日(8日)と明後日(9日)は、三重県熊野市(旧紀和町)での葬儀に
出かけますので、休載させていただきます。
04年5月8日(土)
房総・鴨川の山間に残る大山千枚田は、東京から1番近い棚田として知られ、
棚田百選にも選定されている。
私たちは、大山千枚田だけでなく、近くに残る棚田も結んでのカントリー
ウオークを計画した。
JR安房鴨川駅前から平塚本郷行きバスに乗り、長狭(ちょうさ)街道沿いの
大山橋バス停で下りた。加茂川を渡ってまず大山不動尊に向かう。
やわらかな若葉の新緑とウグイスのさえずりが気持ちよい。道筋にはシャガ、
アカツメクサ、アザミなどが咲き競っていた。
大山集落から不動尊への石段にかかる。石段の横には、赤い木肌が珍しい
バラ科の常緑広葉樹、バクチノキが群生している。ここが分布の北限として
千葉県天然記念物になっている。
最後のは急階段を上がり、朱塗りの仁王門をくぐって大山不動尊に着いた。
大山不動尊は、奈良時代に開山したとされる古寺。下総の成田山、相模の
大山不動尊に続く関東3大不動といわれ、2月3日の節分会や、5月第3日曜
日の火渡り祭には、たくさんの人が訪れるという。
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高蔵山の中腹にあり、新緑あふれる山並みや田園などの展望が気持ちよい。
鐘楼(しょうろう)の下で、安房鴨川駅で買ったあわびちらし弁当を味わう。
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境内を南に抜け車道に下がる。大山集落の南端から小金集落に向かうと、西
側に棚田が見えてきた。ウグイスが鳴き、カキドオシがたくさん咲いている。
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小金集落の西端に大きな庚申塔があった。ツルニチニチソウやアザミなどが
咲く南面に、地形のままの曲線を見せる棚田が見下ろせる。南に向きを変えた
集落の先に大山千枚田が広がっていた。
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棚田の管理をしている棚田倶楽部の建物に上がり、展望台から眼下に広がる
早苗田や水の入った棚田群を見下ろす。
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大山千枚田は、660年前の文献にすでに開田されたという記録が残るという。
現在は3.2ha375枚の水田があり、上段から下段までの直線距離は300m、
標高差は60mに及ぶとのこと。
横長にひろがる緩やかな田んぼの曲線が、日本の原風景ともいえる穏やかな
景観を見せている。
ウツギの咲く里道を南へ。道ばたにはハルジョオンやジシバリが咲き、大里
ではウグイスがにぎやかに谷渡りの競演。199mの水準点を経て、大田代集落
まで緩い上り坂が続く。
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集落の外れに日をさえぎる木陰があったので休憩。棚田のあぜに腰を下ろす
と、仲間がおいしいコーヒーを沸かしてくれた。
地形図上では、その先も棚田が続くはずだったが、耕作放棄して雑草地に
なっていた。それでも元名集落が近づくと、小さい棚田が幾つも残っている。
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変化に富む曲線を見せる緑のあぜと、早苗の並ぶ田んぼのみずみずしい景観
が、心を安らげてくれる。
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右手には、標高408.2m、千葉県の最高峰・愛宕山の山頂付近にある航空
自衛隊のレーダードームやアンテナ塔が見える。
「元名の鉱泉」という標識があり、斜面から小さな鉱泉が湧出していて、独特
の匂いがする。飲用できるようなので、何人かが空のペットボトルに詰めた。
カエルとウグイスの競演を聞きながら、数戸だけの元名集落を抜ける。涼しい
木陰にはフタリシズカが咲いていた。
少しずつ下り、愛宕山の東に新緑の山並みの展望が広がる。「嶺岡の冷水」と
呼ぶ流れがパイプから落ちていた。飲んでみたらまろやかでうまかった。
細野集落に、「古泉千堅誕生地」と記された屋敷があった。明治19年(1886)
生まれで、伊藤左千夫の門下生となった歌人とのこと。
県道に出る手前で棚田の上を横切り、東側の御園に抜ける。2種類の柑橘を
植えたミカン畑があり、白い花が芳香を放つていた。
本郷から富川、さらに宮谷へとU字状に田園地帯を回り、逆川の天神橋を
渡って、鯉のぼりが元気に泳ぐ道の駅「みんなみの里」里に着いた。
みんなみの里は鴨川市の総合交流ターミナル。ガーデニング教室、陶芸、
イチゴ摘み、竹の子掘りなどのふるさと体験が出来、地元産品の即売場もある。
迎えのマイクロバスが来たので、今日の宿、国民宿舎清和に向かった。
なお、ここからの帰路としては、近くの長狭中学前バス停から、安房鴨川駅
行きのバスがある。
(天気 晴、距離 10km、地図(1/2万5千) 金束(こづか)、鴨川、歩行地
千葉県鴨川市)
の日が多かったので、どこもたくさんの人出だったようですね。
今日は、2年前にカントリーウオークグループの仲間で歩いた、千葉県鴨川
市の大山千枚田周辺のレポートとします。
なお、明日(8日)と明後日(9日)は、三重県熊野市(旧紀和町)での葬儀に
出かけますので、休載させていただきます。
04年5月8日(土)
房総・鴨川の山間に残る大山千枚田は、東京から1番近い棚田として知られ、
棚田百選にも選定されている。
私たちは、大山千枚田だけでなく、近くに残る棚田も結んでのカントリー
ウオークを計画した。
JR安房鴨川駅前から平塚本郷行きバスに乗り、長狭(ちょうさ)街道沿いの
大山橋バス停で下りた。加茂川を渡ってまず大山不動尊に向かう。
やわらかな若葉の新緑とウグイスのさえずりが気持ちよい。道筋にはシャガ、
アカツメクサ、アザミなどが咲き競っていた。
大山集落から不動尊への石段にかかる。石段の横には、赤い木肌が珍しい
バラ科の常緑広葉樹、バクチノキが群生している。ここが分布の北限として
千葉県天然記念物になっている。
最後のは急階段を上がり、朱塗りの仁王門をくぐって大山不動尊に着いた。
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大山不動尊は、奈良時代に開山したとされる古寺。下総の成田山、相模の
大山不動尊に続く関東3大不動といわれ、2月3日の節分会や、5月第3日曜
日の火渡り祭には、たくさんの人が訪れるという。
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高蔵山の中腹にあり、新緑あふれる山並みや田園などの展望が気持ちよい。
鐘楼(しょうろう)の下で、安房鴨川駅で買ったあわびちらし弁当を味わう。
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境内を南に抜け車道に下がる。大山集落の南端から小金集落に向かうと、西
側に棚田が見えてきた。ウグイスが鳴き、カキドオシがたくさん咲いている。
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小金集落の西端に大きな庚申塔があった。ツルニチニチソウやアザミなどが
咲く南面に、地形のままの曲線を見せる棚田が見下ろせる。南に向きを変えた
集落の先に大山千枚田が広がっていた。
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棚田の管理をしている棚田倶楽部の建物に上がり、展望台から眼下に広がる
早苗田や水の入った棚田群を見下ろす。
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大山千枚田は、660年前の文献にすでに開田されたという記録が残るという。
現在は3.2ha375枚の水田があり、上段から下段までの直線距離は300m、
標高差は60mに及ぶとのこと。
横長にひろがる緩やかな田んぼの曲線が、日本の原風景ともいえる穏やかな
景観を見せている。
ウツギの咲く里道を南へ。道ばたにはハルジョオンやジシバリが咲き、大里
ではウグイスがにぎやかに谷渡りの競演。199mの水準点を経て、大田代集落
まで緩い上り坂が続く。
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集落の外れに日をさえぎる木陰があったので休憩。棚田のあぜに腰を下ろす
と、仲間がおいしいコーヒーを沸かしてくれた。
地形図上では、その先も棚田が続くはずだったが、耕作放棄して雑草地に
なっていた。それでも元名集落が近づくと、小さい棚田が幾つも残っている。
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変化に富む曲線を見せる緑のあぜと、早苗の並ぶ田んぼのみずみずしい景観
が、心を安らげてくれる。
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右手には、標高408.2m、千葉県の最高峰・愛宕山の山頂付近にある航空
自衛隊のレーダードームやアンテナ塔が見える。
「元名の鉱泉」という標識があり、斜面から小さな鉱泉が湧出していて、独特
の匂いがする。飲用できるようなので、何人かが空のペットボトルに詰めた。
カエルとウグイスの競演を聞きながら、数戸だけの元名集落を抜ける。涼しい
木陰にはフタリシズカが咲いていた。
少しずつ下り、愛宕山の東に新緑の山並みの展望が広がる。「嶺岡の冷水」と
呼ぶ流れがパイプから落ちていた。飲んでみたらまろやかでうまかった。
細野集落に、「古泉千堅誕生地」と記された屋敷があった。明治19年(1886)
生まれで、伊藤左千夫の門下生となった歌人とのこと。
県道に出る手前で棚田の上を横切り、東側の御園に抜ける。2種類の柑橘を
植えたミカン畑があり、白い花が芳香を放つていた。
本郷から富川、さらに宮谷へとU字状に田園地帯を回り、逆川の天神橋を
渡って、鯉のぼりが元気に泳ぐ道の駅「みんなみの里」里に着いた。
みんなみの里は鴨川市の総合交流ターミナル。ガーデニング教室、陶芸、
イチゴ摘み、竹の子掘りなどのふるさと体験が出来、地元産品の即売場もある。
迎えのマイクロバスが来たので、今日の宿、国民宿舎清和に向かった。
なお、ここからの帰路としては、近くの長狭中学前バス停から、安房鴨川駅
行きのバスがある。
(天気 晴、距離 10km、地図(1/2万5千) 金束(こづか)、鴨川、歩行地
千葉県鴨川市)