あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

早春の安曇野から残雪の上越へ① 安曇野と仁科三湖(長野)

2020-05-06 15:54:18 | アーカイブ
 
 2020年5月6日(祝・水)

 新型コロナウィルスの感染拡大は収束しそうになく、さらに5月末日まで緊急事態宣言
が延長となりました。

 外出自粛の日々が続き歩く範囲も限られ、新緑や花も見慣れたものが多いので、今日か
らは前回の東京オリンピックから半年後、翌年、1965(昭和40)年春のゴールデン
ウィークのころに巡った、信州から越後への55年も前の旅のアルバムをふり返ります。

 この旅は、その前の4月12日から27日まで、当時、三重県鈴鹿市にあった社内研修
期間への出張があり、それが終了後に年次休暇とゴールデンウィークを組み合わせて回っ
たのでした。

 使用したカメラは、オリンパスペンSという35㎜フィルム1コマに2枚撮れるという
携帯用の小型のもの。プリントは手札判という名刺サイズよりやや大きいくらいなので、
スキャナーで取り込んでもあまり見栄えがよくありませんが、現在では見られなくなった
風景もあるので、紹介することにしました。

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 1965(昭和40)年4月28日(水)

 前日宿泊した長野県松本市の東郊、里山辺の宿にて7時15分に起床、曇天だが雨の心
配は無さそう。宿からは松本市街の向こうに白い峰が見える。

 春闘の私鉄ストでバスの運行がなく、松本駅まで50分ほど歩く。ちなみに私鉄ストは
24時間続き、沿線を走る松本電鉄は1日中動かなかった。

 松本駅前


 松本駅9時49分発大糸線下り電車に乗り、穂高駅で10時11分に下車した。

 神社風建築の穂高駅


 まずは近くの穂高神社へ。境内には遠足の生徒などが訪れていた。


 なお、この神社の奥社は上高地の明神池畔にある。

 穂高駅の東方にはわさび畑があり、常念岳から流れ出す烏川と燕岳からの中房川が合し
た穂高川と万水川(よろずいがわ)とが犀川に流れ込む扇状地にあり、アルプスの雪解け
水で年間13℃前後という水温がワサビの栽培に適し、全国一のワサビ生産地となってい
る。

 そのワサビ畑はあまり無かったが、その広さはさすが日本一のわさび田だ。背後には常
念岳などが望まれる。周辺のサクラは、まだチラホラだった。


 信濃民謡の安曇節には、「一夜穂高の山葵(わさび)となりて 京の小町を泣かせたや」
と唄われている。

 次に穂高駅の北方、約10分ほどの碌山美術館に行く。

 碌山美術館は、穂高中学校校庭の隅にある。

 碌山・荻原守衛(ろくざん・おぎわらもりえ)はこの地の出身で、ロダンに彫刻を学び
明治の鬼才と言われたが若くして病没した。
       
 碌山美術館は、その遺品や作品を集めて展示されている。赤レンガのヨーロッパ風建物
は背後の常念山脈と見事な調和を見せている。


 観覧後、穂高中の東側で女性にシャッターを押してもらった。
     
 このとき通りかかった小学生曰く 「あの人は 山へ行くと言って山の支度をして家を
出て こんなところへ来てらあ」

 穂高駅12時24分発下り電車に乗り、で信濃大町駅に12時53分に着いた。

 夏は鹿島槍など後立山連峰、あるいは黒四ダムなどへの玄関口も、いまはまだひっそり
している。


 駅前の案内所で今夜の細野の宿を探して予約してもらい、大町駅の東方1㎞の小高い丘
にある大町山岳博物館に行く。

 日本で唯一の山岳博物館で、昭和31(1956)年秋、地方文化の向上のため、市民
の協力によって生まれたもの。
       


 もとは学校の建物を利用してつくられた2階建ての本館には、登山、スキー、北アルプ
スの動植物、民俗など、北アルプスを中心としたあらゆる資料が展示されている。


 博物館付属のカモシカ園のカモシカ。ほかにライチョウ園、コマクサ園もある。


 大町公園のサクラはまだつぼみ。いつもなら見ごろのはずなのに、今年は春の訪れが遅
いのが残念。


 市街地の背後に後立山連峰が望まれるが、高曇りのため上部はガスに隠されていた。


 信濃大町駅15時17分下り電車に乗り、信濃木崎駅で15時43分に下車した。


 ここからは国道と線路沿いに進み、仁科三湖(にしなさんこ)と呼ぶ三つの湖のうちの
木崎湖から中綱湖まで歩く。沿道に人影など無く、湖は静か。木崎湖東岸から南方を見る。


 木崎湖東岸から望む西岸


 木崎湖東岸から北方を見る。


 海ノ口駅、駅員のいない駅のようであった。


 海ノ口駅から簗場(やなば)駅間。両側から山が迫り、国道148号線・糸魚川街道、
国鉄大糸線、電電公社電話線、川などがずっと並行して走っている。


 中綱湖は周囲2㎞で仁科三湖の中で最少、曇り空で対岸の山には残雪、夕暮れが近く、
まことにわびしい感じ。


 6.9㎞歩いて簗場駅に着いた。中綱湖はすぐ駅前にある。


       


 再び17時46分発大糸線下り電車に乗り、最後の青木湖は車中から眺めた。18時01
分に信濃四ッ谷駅(現在の白馬駅)で下車した。


 宿泊する細野集落へのバスもストで動かず、歩いて向かう。予め購入してあったこのバ
ス乗車券は不要になる。
    

 細野に向かう沿道から望む、八方尾根や白馬岳は残雪で真っ白だ。


 細野集落の宮の下旅館には18時30分に着いた。こたつに入り、入浴してホッとする。
今日の歩行距離は18㎞くらい、よく歩いた。

 スクラップブックに作成した旅のアルバムに記してあった当日の行程図
     

 



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コメント (2)
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