2011年3月17日(木)
==沼津アルプスを北から南へ==
2日目は、沼津市街地に近い狩野川べりから、「沼津アルプス」と呼ぶ標高200~300m
級の山並みのハイキングコースを縦走して、沼津市内、江浦湾沿いの口野(くちの)までの
行程である。
この日のトップは私が務める。7時ちょうどに、かどや旅館を出た。狩野川の黒瀬橋を渡り、
東に少しの、カニ料理店甲羅の先から、「香貫山登山口」の表示に従い、石段の急坂へ。
10分足らずで、香陵台と呼ぶ広場に上がった。北側眼下に沼津市街、南西に大瀬崎から
続く伊豆半島の稜線が望まれる。
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広場には、沼津に住んだ若山牧水の歌碑や、日清、日露から第二次世界大戦までの戦没
者などの慰霊を祭る「沼津市慰霊平和塔」と呼ぶ五重塔が立っていた。
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南に進んで、香住展望台へ。沼津市街の向こう、愛鷹山塊の上に富士山の上部が姿を現
した。
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大きく弧を描く駿河湾や、遠く雪を残す南アルプスも望まれる。眼下間近には、沼津御用邸
記念公園や、狩野川河口も見下ろせる。
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その先、球形ドーム塔の立つ香貫(かぬき)山(193m)山頂は、展望が得られないので先
に向かう。振り返ると、香貫山頂や香住展望台が望まれる。
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車道を横断後、約400段あるという丸太の段を下って車道に出た。
緩やかに下り、車道が左カーブする八重坂峠から、右手の登山路に入る。
2か所、ロープのつけられた急登があり、次の横山(183m)へ。山頂は広葉樹林に囲まれ
ていて、展望は利かない。
その先の稜線も、深く茂った常緑広葉樹林に覆われ展望はない。下を車道がトンネルで抜け
る横山峠も、車の音は聞こえるが車道は確認できなかった。
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さらに稜線を進み、くさりの付いた丸太の段を急登すると、徳倉山(256m)。
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山頂は割合広い芝生地になっていて、二等三角点が設けられている。富士山を背に記念撮影
をした。
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常緑広葉樹に挟まれた稜線を下って行くと、反対から登山者が上がってきた。三島市にお住
まいのYさんで60代後半。勤労者山岳会に所属し、今日の山行が997回目とか。1000回目
は、山岳会の山行で達成したいという。
ロープのある急坂を下り、展望が開けたかやとの一角に出た。千金岩と呼ぶ岩があり、行く手
の鷲頭(わしず)山や西側の海岸線が望まれる。
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さらにロープの付いた急坂を下ると、志下坂峠(しげさかとうげ)である。
大トカゲ場と表示されたところを通過して、志下山(214m)へ。「さざなみ展望台」の立て札が
あり、駿河湾や大瀬崎の大展望が広がる。ここで昼食にした。
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少し先に「奥駿河パノラマ台」と呼ぶ展望地もあり、眼下の家並みや、斜面のミカン畑などが見
晴らせる。
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正面に見える鷲頭山に向かって少し下ると馬込峠。次の稜線に向かって上がり、ぼたもち岩と
呼ぶ大岩のある志下峠に着いた。
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急坂を少し上がったところに、垂直にそそり立つ巨大な岩があり、その下に石仏が祭られ、「中
将岩」と記されていた。
本三位中将・平重衝が、治承4年(1180)この洞窟に隠れ住んでいたとのこと。その後、追っ手
に発見され、大岩の上まで逃げたが、これまでと、切腹自害したのだという。
ここで、下ってきた男性と出会う。熱海Kホテルのフロントにお勤めの I さん。休日を利用しての
トレーニング山行らしい。
その先もロープのある急坂を上がり、小鷲津山(330m)へ。大きな弧を描く駿河湾の展望が得
られ、「本三位中将平重衝終焉切腹之場」の標識があった。
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すぐ先、沼津アルプスの最高峰・鷲頭山(392m)には、10分ほどで上がった。割合広い山頂に、
山桜が数本枝を広げ、一番大きな木の下に小さいほこらがあった。
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雲がやや増えて、遠望が利きにくくなってきた。東側、狩野川沿いの家並みが見下ろせる。
ロープの張られた急坂を下り、多比(たび)峠を通過し、青木の多い一角を過ぎると、ウバメガシ
の群落の中を抜ける尾根道となる。
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木の根や石ころが多く、転ばぬように注意しながら進む。
少しずつ上がって旧名を大峠と呼ばれた多比口峠へ。ここにザックを置き、沼津アルプス最後の
大平山(おおひらやま)まで往復することにする。
狭い尾根の急坂は少しで、傾斜が緩み、十分足らずで大平山(356m)に着いた。山頂は広く、
ベンチ二つと、目安箱と呼ぶノートの置かれたボックスがある。
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広葉樹が伸びていて、展望はほとんど得られない。
多比口峠に戻る途中から、雲の増えた富士山が望まれた。峠から縦走路を離れて南に下る下山
路へ。
下って行くと、やわらかな彩りの山桜の芽吹きが見られ、春の間近なことが感じられる。
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ドラム缶に標識が記されたところが、沼津アルプス北行登り口。ここからは簡易舗装の車道と
なる。さらに下って右からの車道と合し、多比の家並みに入る。
伊豆箱根バスの多比停留所のある国道414号を東へ。歩道のない多比第2トンネル(216m)
を抜け、狩野川放水路のところでて国道に分かれ、江浦湾沿いに次の口野(くちの)集落に向かう。
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今日の宿、民宿あだちは、三の浦郵便局のすぐ先、16時20分に着いた。
最高点でも標高392mの沼津アルプスだが、七つの山と七つの峠越えは、いずれも急坂のアッ
プダウンが続く。でも、富士山や駿河湾、狩野川沿いなどの素晴らしい展望に恵まれ、その名に
ふさわしい、よいコースだった。
【コースタイム】かどや旅館7・00ー沼津アルプス登山口7・23ー香陵台7・32~40ー芝住展望台
8・03~22ー八重坂峠8・57ー横山9・18~33ー横山峠9・50ー徳倉山10・17~45ー志下坂峠
11・25ー志下山(昼食)11・36~12・15ー中将岩12・40~13・00ー小鷲頭山13・13~18ー鷲頭山
13・28~14・00ー多比峠14・10ー多比口峠14・35~40ー大平山14・48~15・03ー多比口峠(戻り)
15・10ー登山口(ドラム缶)15・25ー多比バス停そばセブンイレブン15・45~16・00ー民宿あだち
16・20
(天気 晴、参加 3人、距離 12.5㎞、地図(1/2.5万) 沼津、三島、韮山、歩行地 沼津市、
歩数 18,900、累積標高差 約2,300m)
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==沼津アルプスを北から南へ==
2日目は、沼津市街地に近い狩野川べりから、「沼津アルプス」と呼ぶ標高200~300m
級の山並みのハイキングコースを縦走して、沼津市内、江浦湾沿いの口野(くちの)までの
行程である。
この日のトップは私が務める。7時ちょうどに、かどや旅館を出た。狩野川の黒瀬橋を渡り、
東に少しの、カニ料理店甲羅の先から、「香貫山登山口」の表示に従い、石段の急坂へ。
10分足らずで、香陵台と呼ぶ広場に上がった。北側眼下に沼津市街、南西に大瀬崎から
続く伊豆半島の稜線が望まれる。
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広場には、沼津に住んだ若山牧水の歌碑や、日清、日露から第二次世界大戦までの戦没
者などの慰霊を祭る「沼津市慰霊平和塔」と呼ぶ五重塔が立っていた。
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南に進んで、香住展望台へ。沼津市街の向こう、愛鷹山塊の上に富士山の上部が姿を現
した。
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大きく弧を描く駿河湾や、遠く雪を残す南アルプスも望まれる。眼下間近には、沼津御用邸
記念公園や、狩野川河口も見下ろせる。
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その先、球形ドーム塔の立つ香貫(かぬき)山(193m)山頂は、展望が得られないので先
に向かう。振り返ると、香貫山頂や香住展望台が望まれる。
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車道を横断後、約400段あるという丸太の段を下って車道に出た。
緩やかに下り、車道が左カーブする八重坂峠から、右手の登山路に入る。
2か所、ロープのつけられた急登があり、次の横山(183m)へ。山頂は広葉樹林に囲まれ
ていて、展望は利かない。
その先の稜線も、深く茂った常緑広葉樹林に覆われ展望はない。下を車道がトンネルで抜け
る横山峠も、車の音は聞こえるが車道は確認できなかった。
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さらに稜線を進み、くさりの付いた丸太の段を急登すると、徳倉山(256m)。
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山頂は割合広い芝生地になっていて、二等三角点が設けられている。富士山を背に記念撮影
をした。
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常緑広葉樹に挟まれた稜線を下って行くと、反対から登山者が上がってきた。三島市にお住
まいのYさんで60代後半。勤労者山岳会に所属し、今日の山行が997回目とか。1000回目
は、山岳会の山行で達成したいという。
ロープのある急坂を下り、展望が開けたかやとの一角に出た。千金岩と呼ぶ岩があり、行く手
の鷲頭(わしず)山や西側の海岸線が望まれる。
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さらにロープの付いた急坂を下ると、志下坂峠(しげさかとうげ)である。
大トカゲ場と表示されたところを通過して、志下山(214m)へ。「さざなみ展望台」の立て札が
あり、駿河湾や大瀬崎の大展望が広がる。ここで昼食にした。
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少し先に「奥駿河パノラマ台」と呼ぶ展望地もあり、眼下の家並みや、斜面のミカン畑などが見
晴らせる。
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正面に見える鷲頭山に向かって少し下ると馬込峠。次の稜線に向かって上がり、ぼたもち岩と
呼ぶ大岩のある志下峠に着いた。
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急坂を少し上がったところに、垂直にそそり立つ巨大な岩があり、その下に石仏が祭られ、「中
将岩」と記されていた。
本三位中将・平重衝が、治承4年(1180)この洞窟に隠れ住んでいたとのこと。その後、追っ手
に発見され、大岩の上まで逃げたが、これまでと、切腹自害したのだという。
ここで、下ってきた男性と出会う。熱海Kホテルのフロントにお勤めの I さん。休日を利用しての
トレーニング山行らしい。
その先もロープのある急坂を上がり、小鷲津山(330m)へ。大きな弧を描く駿河湾の展望が得
られ、「本三位中将平重衝終焉切腹之場」の標識があった。
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すぐ先、沼津アルプスの最高峰・鷲頭山(392m)には、10分ほどで上がった。割合広い山頂に、
山桜が数本枝を広げ、一番大きな木の下に小さいほこらがあった。
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雲がやや増えて、遠望が利きにくくなってきた。東側、狩野川沿いの家並みが見下ろせる。
ロープの張られた急坂を下り、多比(たび)峠を通過し、青木の多い一角を過ぎると、ウバメガシ
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少しずつ上がって旧名を大峠と呼ばれた多比口峠へ。ここにザックを置き、沼津アルプス最後の
大平山(おおひらやま)まで往復することにする。
狭い尾根の急坂は少しで、傾斜が緩み、十分足らずで大平山(356m)に着いた。山頂は広く、
ベンチ二つと、目安箱と呼ぶノートの置かれたボックスがある。
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多比口峠に戻る途中から、雲の増えた富士山が望まれた。峠から縦走路を離れて南に下る下山
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下って行くと、やわらかな彩りの山桜の芽吹きが見られ、春の間近なことが感じられる。
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ドラム缶に標識が記されたところが、沼津アルプス北行登り口。ここからは簡易舗装の車道と
なる。さらに下って右からの車道と合し、多比の家並みに入る。
伊豆箱根バスの多比停留所のある国道414号を東へ。歩道のない多比第2トンネル(216m)
を抜け、狩野川放水路のところでて国道に分かれ、江浦湾沿いに次の口野(くちの)集落に向かう。
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今日の宿、民宿あだちは、三の浦郵便局のすぐ先、16時20分に着いた。
最高点でも標高392mの沼津アルプスだが、七つの山と七つの峠越えは、いずれも急坂のアッ
プダウンが続く。でも、富士山や駿河湾、狩野川沿いなどの素晴らしい展望に恵まれ、その名に
ふさわしい、よいコースだった。
【コースタイム】かどや旅館7・00ー沼津アルプス登山口7・23ー香陵台7・32~40ー芝住展望台
8・03~22ー八重坂峠8・57ー横山9・18~33ー横山峠9・50ー徳倉山10・17~45ー志下坂峠
11・25ー志下山(昼食)11・36~12・15ー中将岩12・40~13・00ー小鷲頭山13・13~18ー鷲頭山
13・28~14・00ー多比峠14・10ー多比口峠14・35~40ー大平山14・48~15・03ー多比口峠(戻り)
15・10ー登山口(ドラム缶)15・25ー多比バス停そばセブンイレブン15・45~16・00ー民宿あだち
16・20
(天気 晴、参加 3人、距離 12.5㎞、地図(1/2.5万) 沼津、三島、韮山、歩行地 沼津市、
歩数 18,900、累積標高差 約2,300m)
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