在庫克山脚 回顧故郷 [去声十八嘯韻]
庫克山脚(クック山の麓)にて 故郷を回顧す
深夜朦朧庫山嶠,
深夜(ヨフケ) 朦朧(モウロウ)たり庫(クック)山の嶠(ミネ)、
南十字架何処照。
南十字架(ミナミジュウジセイ)は何処にて照(カガヤ)けるか。
蓬莱南島甘蔗地,
蓬莱(ホウライ)南島 甘蔗(カンシャ)の地(ハタケ)、
躺臥蝎星光閃耀。
躺臥(トウガ)す蝎星(シエシン) 光 閃耀(センヨウ)たり。
註] ○庫山:豪州のアオラギクック山; 〇嶠:嶺; 〇蓬莱:此処では
日本の意; 〇甘蔗地:サトウキビの畑; 〇躺臥:寝そべる、横になる;
○蝎星:さそり座(天蝎座)の星々; 〇閃耀:きらきら光る。
※転句と結句は、一小学生の句:「さそり座が大きくねそべるきびばたけ」
に拠る。
<現代語訳>
夜更け宿の外に出て四方を眺望するとクック山の峰がぼんやりと見えた、天空に南十字星を求めたが、何処で輝いているのか、探し当てることができず。サトウキビ畑が広がる蓬莱の南の島の夜空へと 思いは馳せた、畑の上空 南の空にはさそり座が横たわり、星々がきらきらと輝いていた。
<簡体字表記>
在库克山脚 回顾故乡
深夜朦胧庫山峤,南十字架何处照。
蓬莱南岛甘蔗地,躺卧蝎星光闪耀。
<記>
NZ旅行の目的の一つに、 “南十字星”を目にすることがあったが、目的を達成できず。残念な思いに駆られて、想像は故郷・蓬莱の島の星空に馳せていた。
小学生の頃の孫娘が発表した俳句に触発されて書いた漢詩である。