SNSで紹介されていて興味を持ちました。
はるか昔の高校時代は“文系の数学好き”だったので、この手の「専門書ではない数学本」にはつい手が出てしまいます。
ですが、実際の内容は全く予想していたものとは違っていました。ある種のロジカル・シンキングの入門書ですね。
著者は「数学的思考」を「数学をするときに頭の中でする行為」と定義しています。著者が挙げる数学的思考の要素は5つ。「定義」「分解」「比較」「構造化」「モデル化」です。
そうやって著者が伝えたいことを分解してしまうと、個々のロジカル・シンキングの要素という点では、特に“目新しい”気づきはありませんでした。
ただ、それらを「数学的思考」というコンセプトでまとめ上げた着想には“オリジナリティ”が感じられます。なかなか面白いチャレンジですね。
あと、本書を読み通しての感想ですが、本書で著者から投げかけられる「演習問題」や「自習問題」、これには(いい意味で)少々参りました。
何に参ったかというと「私の頭のかたさ」です。
考えようとすると、何とか答えを“絞り出そう”としてしまうんですね。“ぽっとアイデアが浮かぶ” とか “ふわふわと発想が湧き出る” とか・・・、そういった軽快な頭の動かし方が、私には全くできないことに改めて唖然としました。
「自分の頭(思考回路)の劣化」の酷さに気づけたのが、本書を読んだ“最大の成果”です。