松本清張さんの小説が原作です。
映画化にあたってそこそこ変更点があるとのことですが、 原作と乖離があっても、ひとつの映像作品として十分重厚な作品に仕上がっています。
映画の方は、保険金殺人事件を扱った“社会派サスペンス” というよりも、被疑者と弁護士との「人」を対比させて描いた“ 人間ドラマ” の要素が強いように思います。
それゆえに、 それぞれの人物を演じた桃井かおりさんと岩下志麻さんのコントラ ストが作品の柱であり、それが見事に成功したと言えるでしょう。キャスティングの勝利ですね。
特に、 ラスト近くのクラブでのシーンはお二人ならではの迫力で見応え充分です。 まさに“映画”らしい演出であり演技です。素晴らしい。