老荘思想では、その思想を説くためにメタファーが登場します。
最も代表的なものはなんと言っても「水」だと思いますが、「鞴(ふいご)」も有名かもしれません。
(p28より引用) 天地が間断なく、無数の物事を生み出し続けているのは、天地の間はあたかも「鞴」のように、何もなく空間であるからだ。鞴も内が空気で充満しておらず、常に空っぽだから空気が吸い込め、空気を吐くことが出来る。以上が創造の真理である。・・・
一人の人間も、いつまでも過去にとらわれることなく、日々一日一日、全く新しい純白のキャンパスに取り替えて朝を迎え、一日を過ごすこと。毎日新たな体験、新たな驚きと感動を求めて生きるよう心掛けると、そこには新しい創造のエネルギーが、身体の奥底からわき上がってくる。
「空っぽ」であることは、新たなものが生まれる「もと」です。
一杯に満ちていないことが重要です。
(p40より引用) より良い活動には、余裕というものが絶対に重要である。
余裕があるということは、「謙虚な態度」につながります。「謙虚」といっても優柔不断で他者の言いなりになるというものではありません。
老子のいう「謙虚さ」は、ぶれない軸を求めています。
(p250より引用) 謙虚とは、訴えるべき主義主張がないということではない。むしろ反対に、しっかりした主義主張があるから、相手を優先させる余裕が出てくるのである。また、だからこそ共鳴共感が生まれるのだ。
「老子」において、すべての根源とされているのが「道」です。
(p44より引用) 道のあり様は、物事を保有、保持することにあるのではなく、物事を生み、為し、成長させ、成功、発展させることにある。
「道」が「生み出す」ものであるならば、「徳」は「育て養う」もののようです。「徳」はプロセスです。
(p163より引用) 徳とはどのようなものなのか。
生み出しても自分のものとせず、功を期待せず、大きく成長させても支配しようとしない、という姿勢のことをいう。・・・
つまり、プロセスこそが価値であり、功なり名とげた後、大きく成長した後などというものに本質的な価値はない。
創業者精神とは以上のことをいう・・・
最後に、「老子」らしいフレーズを覚えとして記しておきます。
(p241より引用) 信言は美ならず、美言は信ならず。善者は辨せず、辨ずる者は善からず。知者は博からず。博き者は知らず。
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