リーダはビジョンや戦略を「策定」します。当然、それらは、リーダとしての極めて重要な役割ですが、それと同程度に大事なことがあります。
それらのメッセージを「社員に伝える」ということです。
伝わらなければ、どんな高邁なビジョンもどんな精緻な戦略も「絵に描いた餅」でしかありません。
「伝える」といっても、実際上はそんなに簡単なものではありません。「伝え方」にも工夫が必要です。
まずは、小倉氏が実行した「表現方法」の工夫です。
「安全第一、能率第二」
(p81より引用) どこの会社でも安全第一とは書いてあるが、能率第二とは書いていない。第二を示すことで、本当に安全が第一であることが分かる。
これは確かにそのとおりですね。
また、伝える内容は「明確で腹に落ちるもの」でなくてはなりません。
明確な指示は、「シンプルな王道の論理」がベースとなります。
(p123より引用) どうしたら売り上げが分岐点を超えるようになるか。荷物の個数を増やせばいい。どうしたら荷物が増えるか。サービスをよくすればいい。サービスの差別化が至上命題だ。
で次はこうです。
決して「二兎」は追いません。「足して2で割る折衷案」も採りません。
(p123より引用) サービスとコストは二律背反の関係だから、利益を強調するとサービスが中途半端になってしまう。だから、あえて採算意識を捨てさせた。物事には何でも裏と表がある。デメリットを恐れて立ち止まったら発展はない。メリットをそれ以上に大きくすればいい。
そして、最後は、「実行」です。
(p194より引用) 物事は何でも実行してみなければ分からない。
やれば分かる。うまくいかなかったら、反省してやり直せばいい。しかし、やらなければ絶対に分からない。やらない限り、目標には近づかない。目標を決めたら、それに向かって歩んでいくしかない。
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