読書紹介「感じない子ども こころを扱えない大人」

　「感じない子ども」というのは、感情表現が苦手な子ども、あるいは自分自身の感情を、的確につかむことのできない子ども。

　こうした傾向を持つ子供は、すぐに切れてしまったり、「うざい、よくわかんない、ビミョー」等の言葉に代表されるように、情緒の希薄な子どもとして理解できる。

　大人もまた、「こころを扱えない大人」として、これらの子どもたちの扱い方に戸惑いを覚えている。「こころ」という視点で、互いの立場や考え方を理解し、コミュニケーションを円滑にするためにはどうしたらよいか。

　さりげない会話から如何に子どもたちの感情を読み取るか。

　本書はそのための入門書であり、親と子がこの生きずらい世の中を、それぞれの立場を理解し合いながら、豊かな人生を送っていくための指南書としてお勧めできる新書版である。

　重版を重ね、読み継がれてきた原因は、子どももそれを見守り育てていく親も、なかなか、世代間を超えて理解しえない時代の中で生きているから、このような本が求められるのでしょう。

　著者・袰岩(ほろいわ)奈々　心理カウンセラー　集英社新書　2001年第1刷