雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

読書紹介「村いちばんのさくらの木」

2016-04-30 20:25:28 | 読書案内

読書紹介「村いちばんのさくらの木」

       来栖良夫著  ポプラ社 2015.3刊

 

戦争と平和のものがたり2」に収められた短編。児童戦争文学でそれぞれの作品を、戦争と平和という視点で書いたアンソロジーです。その一編が「村いちばんのさくらの木です」。
 戦争の時代に生きた作者たちが、思いのたけを静かに語っています。
 紹介する作品は、1971年に書かれたものです。
 戦争が終わると、又次の戦争が始まる。何世代にもわたって生きてきたさくらの木にまつわる話です。

 戦争が始まった。
 渡し舟の船頭だった三ぞうは戦争に行った。
 戦争に行ったまま三ぞうは帰らぬ人となった。
 三ぞうの妻は泣きながら、川のそばの畑にさくらの木を植えた。
 やがて三ぞうが残した二人の子どもは 大きくなり、さくらの木もどんどん大きくなっていった。
 時代が変わり、三ぞうがいなくなった船着き場には、
 木の橋が架かり、やがてコンクリートの橋に変わりました。
 戦争のない短い時代が終わると、又戦争がはじまりました。
 ある日、役人が来てこのさくらの木を切って燃料にすると言いました。
 その時老婆が出てきて言いました。

 「死んだ三ぞうのみがわりのつもりで、この木を植えて、子供二人を育ててきました。
 ……おまえさんらは、死んだ人のみがわりまで、戦争にもっていくつもりかね」。
 
孫たちまで戦争にとられてしまったおばあさんの必死の抵抗でした。
 今では、村いちばんの大きな桜の木になり、
 風が吹くと、
 花びらが三ぞうがいた渡し場跡や、
 川の上に飛んでいきます。

 小説はここで終わります。
 いつの時代にも戦争の犠牲になるのは、非力な人々です。
 戦争の悲劇を、庶民の目でみつめ、愚かしさをどう伝えたらよいのか、
 悲しい出来事をどのように子どもたちに伝えたらいいのか、児童戦争文学の課題は大きい。

  

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あむじいのいっしょに読もう(2) みんなでぽん!

2016-04-28 11:00:00 | あむじいのいっしょに読もう

あむじいのいっしょに読もう(2)
     みんなでぽん!
   
4月になって新しいお友達が沢山入園してきました。
   まだ、園の生活に慣れなくて、毎朝泣いている子供さんもいます。
   今日の「アムじいのいっしょに読もう」は、3歳未満児の教室です。
   拍子木を鳴らし、朝の挨拶を元気よくして、さあ始まりです。
   子どもたちの目が輝いて、あむじいを見つめています。

   

「みんなでぽん!」は大きな紙芝居です。
大きな白いまるがひとつ、みんなで元気よく手をたたくと、中から こびとが飛び出しました。
次は、白い四角の中から、ポンと手をたたくとロボットが飛び出てきました。
あっ、次は三角が出てきたぞ。三角の中にから今度は何が出てくるかな?(みんなの気持ちを集中させて)、
「さぁー、元気にぽん、とてをたたいてみましょう」。
みんなの目が輝き、緊張していた顔が、ニコニコ顔になってきました。

 発言自由。わいわいがやがやもいいよ。(みんなの気持ちが高まった処で、次の本の紹介です)
 本の紹介は、今からみんなで読む本が、どんなにワクワクする本なのか、思い入れいっぱいに紹介します。
 この場面で、園児たちの気持ちは、あむじいの本に集中してきます。
  かえるがぴょーん。犬がびょよーん。ばったがびょびょびょびよびょーん。(園児たちは擬音が大好きです)
  「さぁーみんなで言ってみよう。大きな声で、びょびょびょびよびょーん」
   (あむじいの脱線に、園児たちは大喜びです)
 「あれー、かたつむりさんがでてきたぞ。かたつむりさんジャンプできるかな」
 (園児たちは、興味津々です
) さあーかたつむりさんは……(園児たちの気持ちを十分惹きつけて……)


 最後の出し物は、終りに向けて興奮した園児たちの気持ちを静めるための、
 静かな内容の本です。
 「大好きなお母さんが、呼んでいるよ。みんなはなんて返事するのかな?」
 (園児たちの反応がなくてもだいじょうぶです)
 「○○ちゃーん」て呼ばれたら「ハーイ」って元気よく、お返事だよね。
 「さーみんな、お返事の練習だよ」
 (あむじいが手を挙げて、少しおどけながら「はーい」と言えば、園児たちがこれに続きます
)

 今日のテーマは、「みんなで楽しくコミニュケーション」でした。
 所要時間45分。

 

                         (2016.4.26記)

 

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晩春の我が家の庭 (3)

2016-04-27 11:00:00 | 季節の香り

晩春の我が家の庭(3)   (季節の香り№28)
                                     

   晩春の明るく少し強めの紫外線を受けて、命のかがやきは頂点へとむけて咲き誇り、やがて落ちていく。
   白と黄の牡丹は少し遅れて咲いてきます。その後を追うようにシャクヤクが咲いてきます。

寂として客の絶間の牡丹哉     与謝蕪村
牡丹散ってうちかさなりぬ二三片   与謝蕪村

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晩春の我が家の庭 (2)

2016-04-26 11:06:30 | 季節の香り

晩春の我が家の庭 (2) 
                                               (季節の便り№27)
藤の花が今年も咲いてくれた。
大好きな芭蕉さんの句を一句。
       くたびれて宿かる頃や藤の花
            晩春の黄昏時、疲れた足を引きずりながら、今夜の宿を探す芭蕉さん
            の姿が浮かんできます。かすかに甘い匂いが漂ってくる。見上げると
            藤の花が咲いていました。旅の疲れが癒されるひとときを切り取り
            俳句に織り込んだ芭蕉さん。さすがです。

 藤の花の向こう側には、牡丹が咲いています。
    山門に牡丹咲きしと女文字   辻井桂子
           牡丹に劣らない美しい文字の便り、「山門に牡丹が咲きました」なんて奥ゆかしい人なのだろう。
           品格がある。
    牡丹見し残像重ね観世音   白澤よし子
           観世音の優しく優雅な顔と、牡丹の美しさが重なります。

最後にサトウハチローの「目ン無い千鳥」を紹介します。
    雨の夜更けに弾く琴が
   白い小指にしみてゆく
   花がちるちる春が逝く
   胸の扉がまた濡れる

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晩春の我が家の庭

2016-04-25 11:00:00 | 季節の香り

桜が散ると一気に花が咲き始める。

丹精込めた君子欄…種から育ててやっと花が咲いてくれた。 黄花君子欄がひときわ美しい。 

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失 言 (言動には責任を持つ)

2016-04-24 12:17:58 | つれづれに……

    失 言         (つれづれに…心もよう№35)

  とんでもないことを言ってしまって、取り返しのつかないことになる。
  政治家や問題を起こして謝罪する人に多い「失言」だ。
  こんな状況で窮地に追いこまれた人。
  「配慮が足りませんでした」と、素直に謝ればいい。
  でも、現実はそうはいかない。
  「そんな意味で言ったのではない」と、真意をねじ曲げて意地を通そうとする。
  或いは、「絶対にそんなことはない」意地を張る。
  事実が露見刈れば、秘書や部下のせいにし、
  「私は知らなかった」と責任転嫁しようとする。
  恥の上塗りだ。


 元航空幕僚長・田母神俊雄氏の公式ブログ
  「志は高く、熱く燃える」がスローガンです。
  スローガンと本人の言動がこれ程乖離(かいり)しているのも珍しい。
  更にその右下には

    田母神氏が書いた単行本の表紙が載っている。
第二次世界大戦(太平洋戦争)のことを「大東亜戦争」なんて、表現する人、
戦争体験者だって表現しません。
「魂まで失わないために日本は勝つ気でたたかった!」こんなことを考えているから、
「我が国が侵略国家だったというのはぬれぎぬ」だなどと政府見解と異なることを平気でぶち上げるのでしょう。

 4月14日の朝、逮捕に際して自身のツイッターに
「何とも理不尽さを感じますが、国家権力にはかないません」
とつぶやき、車中の人となった。
 運動員らへの現金配布について、
「指示も了承もしていない」と相変わらずの強気だったが、
後に録画音声の証拠などが挙がり、氏の強がり言動はもろくも崩れ去る。

 いつものことながら、「しらない」、「やっていない」という発言が覆された時、
この責任(嘘をついたこと)をどう取るつもりなのか。決定的な証拠。ありながら、
シラを切る厚かましさを彼らは、どう説明するのか。

 かって、俳優の勝新太郎が麻薬所持で逮捕された時に、
「パンツの中にかってに(麻薬が)入っていた」というおとぼけとは質が違うのです。

 最後に、丹羽利一さんの短歌(朝日歌壇)を紹介します。

   発言を取り消すといふ生き方に
           生き方までも取り消している

    自分の言動には、責任を持つこと。時にそれが誤った言動であった時には
   素直に謝ることが、ごく自然の流れだと思う。生き方までも取り消すような
   大事にはならない。
    世間的な、地位や名誉等のしがらみを優先するために、なりふり構わぬ
   言動が批判の的になり、品位を欠いた生き方をさらしてしまうのでしょう。
                       

 


 




























 




 

 

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春を歌う

2016-04-23 10:00:00 | 人生を謳う

春を歌う (つれづれに…心もよう№34)

朝日俳壇の中から春を題材にした俳句を紹介します。

いちめんの菜の花いちめんの放射能 (馬目 空さん)
       
      あの日放射能が降った。除染された故郷に帰って来てみれば、いちめんの菜の花が春を謳歌している。
     だが、目には見えず匂いもしない放射能の汚染の記憶が、いちめんの菜の花と重なり、
     あの日の記憶を呼び起こす。


さまざまの事忘れゆく櫻かな (釋 蜩硯さん)

      辛い日もあり、哀しい日もあった。いろんなことがあったなー。
     こうして風に舞って散っていく桜を観ていといろんなことが
走馬灯のように浮かんでは消えていく。
     
訪れた安息の日々に、過ぎし日を思い出している自分が愛しく思えてくる。

大桜いかなる人の住む家ぞ (浜田博文さん)

      空いっぱいに広がる大きな桜が、塀の外まで枝を茂らせている。大桜の木に宿る時間の長さを思いながら、
             
長い時を経て今なお美しく咲く桜を眺めながら、この樹をおそらく何代にもわたって守り育ててきた人のこと
              に思いをはせるひと時。

人生の果てまだ見えず花の宴 (橋本正幸さん)

      春爛漫。青空を覆い尽くすように咲いている桜。桜並木が続き、遠くの方は桜と空が一体となり春霞の中に
     溶けて煙っている。や
がて、春の風に花びらのひとひらひとひらが散っていく。
     春の終わりは、晩春の始まりでもある。相変わらず、迷いながら
逡巡して歩いている人生だが、
     まだまだ歩きつづける人生だなー。


最後に大好きな芭蕉さんの歌を一句挙げましょう。

行く春や鳥なき魚の目に涙  松尾芭蕉
      
       惜春の歌です。芭蕉は千住で船を下り、見送りの人々と別れを告げる。胸中は旅の行方を想えば、
      
「前途三千里」の遠い遠い東北への旅である。別れを惜しむ見送りの人たちに手を振りながら、
      『上野・谷中の花の梢、又またいつかわと心ぼそし』と、旅の不安を感じている。
      過ぎていく春にのさなか、晩春のこの日、別れを惜しんで、鳥は泣いて悲しみ、
      魚さえも目に涙を浮かべている。 
                                                                                                         (2016.3.22記)

 

 

 

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名も無き花…

2016-04-19 16:00:00 | つれづれに……

名も無き花…椿さんへ  (つれづれに…心もよう№33)

 一切の俗事を離れ、
名も無き花のようにひっそり咲けたらいいと、
心の内では思うのだが、
心のうちで思うことと、現実はなかなか一致しないから、
時々そんな自分に愛想を尽かしたり、
一途な思いを諦めたりしてしまう。

自分に愛想を尽かしながらも、人は生きていかなければならない。
想いと現実のはざまで、
揺れ動き悩む自分に気づかずに一生を終わってしまう人生もあります。

感受性豊かに、
時に傷つき、
時に挫折し、
そんな自分に愛想をつかしてしまうことだってたくさんあります。

木の芽が芽吹いて、
木陰や落ち葉の間から春を待っていた花を発見し、
心が躍る感受性はとても素晴らしいことです。

誰にも期待されないで、人知れずひっそりと咲く。
期待されなくてもいい、
光を浴びたいと思うこともなく、
ひたすら開花の時を待っている。

このことをさびしいと思うのか、
いのちのかがやきと捉えるのか、
人それぞれが持っているポリシーで感じることが出来たらいいのかもしれません。
私は、輝きと捉え、「孤高の花」として思い入れを強くします。

「ひたむき」な姿をさらし、
「孤高の花」は、目に触れた人の心を捉えて離さない。
すこしありきたりになってしまいますが、
「しのぶ」というイメージも捨てがたいものがあると思います。


「ひたむき」に「偲ぶ」花、「孤高の花」。
侵しがたい、触れてはいけない清廉なイメージが湧いてきます。
                        
 
(2016.4.19記)

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熊本・大分地震

2016-04-17 18:00:00 | 熊本地震

 朝日新聞4/17付朝刊(東京版)は、地震の状況を次のように報じている。

一面。
  熊本・大分強震続発
  死者41人 9万2000人避難
  「本震」M7.3阪神級
   土砂崩れが国道を押しつぶし、崩落した橋、などを映したヘリによる写真を掲載。

 2面、3面もほぼ関連記事で埋められている。

   震源広がる 「経験則外れている」回数も急増
   北東・南の活断層に「影響も」
   南海トラフと地震「誘発低い」
    2面のヘッドラインは
次のように書かれている。
    ……被害は山間部も含め広範囲に及び、強い揺れが相次いだ。
    東隣の大分県でも地震が活発化している。
    いったい何が起きているのか。
    さらに東にある活断層への影響はあるのか。
          このヘッドラインは、気象庁地震予知課長・橋本徹夫氏の
          「今までの経験則から外れている」という会見を踏まえての
          表現だろう。
          14日に発生したようなM6・5規模の活断層型地震の後、それを
          上回る本震が発生した記録が存在しない。
    3面では、日本列島に散在する活断層に焦点を当て、川内原発と政府対応について述べ
    九州で起きた地震を多面的にとらえようとする姿勢がうかがえる。

   活断層 全国2000以上
       
陸域が震源となる活断層型の地震は、人が住む地域や交通網などの直下で起きることがある。
        このため、強い揺れや地表にできる段差で、地震の規模が海溝型地震ほど大きくなくても、                  
        深刻な被害が起きる恐れがある。                    

    川内原発 停止せず 政府『規制委が判断』
       
川内原発1、2は全国で唯一稼働している原発だが、規制委によれば
「川内原発を停止させる必要はな
 
       い」 と判断している。安倍政権は原発稼働の是非を政府判断で決めることを避け、
                     規制委の審査にゆだねている。これは責任逃れの丸投げで無責任と言われても仕方がない。
         共産党だけが次のように政府に申し入れている。
        「震源域が拡大している。新幹線や高速道も不通で、事故が起きた場合に避難に重大な支障が生まれ
        る」として予防的に川内原発を止めることを意思表示した。

    避難長期化備え 90万食を確保へ(政府対応)

   「経験則にはない」先の見えない地震と、止まらない原発は、私たちに新たな不安と
    このまま原発を停止しなければ、また新たな原発神話が作られてしまうのではないか
    と危惧するのは、私ばかりではないだろう。
                              (2016.4.17記)
 
                                     

 

 

 


   

 

 

 


 

 

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櫻 桜 さくら サクラ (2) 忘れないために

2016-04-15 19:39:05 | つれづれに……

櫻 桜 さくら サクラ(2) (つれづれに…心もよう№32)

忘れないために

  人は忘れないために記念樹を植える。昔は女の子が生まれると「桐の木」を植えた。
 桐は成長が早く、その子が結婚適齢期になる頃には、大きく育ち、その木で箪笥を
 作り、嫁入り道具にしたと、生前母はよくこの話をした。これは生まれた女の子の
 成長を願い、嫁に出すことで親の責任を果たすという記念樹なのだろう。
  私は、家を建てたとき、「紅葉の木」を植えた。春の新緑のころの瑞々しさと、秋の
 紅葉の美しさが好きだったからだ。苗木で植えたこの紅葉の木は、屋根を超える背たけ
 に成長している。


   「浪分桜」(釜石市)
   東日本大震災の津波到達点を
 後世に伝えようと、2年前に京都から移植された。
  千年に一度の今回の津波。だから、千年語り継いでいきたい。
  東北電力OGの松田正子さんの想いは、京都の著名な「桜守
(さくらもり)」第16代佐野藤右衛門
  さんの心を動かし実現した。「浪分桜
(なみわけさくら)
」と命名された桜は、宮城県の沿岸15市
  町すべてに植える計画だ。
 

            「津波がここまで来たんだよ」と浪分桜を眺めながら、100年後 1000年後に語り伝えられたら
            立派に役割を果たすことになる。

   
「なとり復興桜」(宮城県名取市)
    津波に耐えた日和山の桜を接ぎ木し、貞山運河沿いに3000本で並木を作る計画だそうです。
    名取市観光物産協会のHPには次のような案内がアップされていました。

     2011年3月11日、一瞬にして多くの人が亡くなった処で、
     一緒に津波を被ったけれど花を咲かせた桜の子供たち。
     「なとり復興桜」と命名しました。
     
     名取が復興する頃、桜並木に集いたい!
              「復興するまで待てない」と、どんどん人が出て行ってしまう。
     せめて、満開の桜を観るために 昔懐かしい人たちに集まって欲しい。
     あの日亡くなった人たちが悲しまないように。
     誰もいないと嘆かないように。
     10年後桜の木の下で乾杯するために。
     長生きしましょう!
                         「失われようとしている故郷」、「錆びれていく故郷」それでも、故郷は大切な場所。
         10年後、桜の木の下で「生きていてよかった」と乾杯できるような、美しく、
         思い出のこもった故郷再生への願いが込められたメッセージです。

 

   「大漁桜」(宮城県女川町)

(女川桜守りの会HPよりUP)
      10万本の桜計画(女川 桜守りの会ホームページより抜粋)
    東日本大震災の千年に一度といわれる津波によって、町の人口の10パーセント、
    建物の70%を失い彩り豊かな町は色を失い茶色一色の街に変わってしまいました。
    私たちはこの街に彩を取り戻し、桜の街としようと決意し、そのために今後1000
    年に渡り、10万本の桜を植え続けてゆこうという計画を立てました。
    桜は、「大漁桜」を選びました。
       
花色が鯛の色に似ていることから「大漁桜」と命名された作出品種で、早咲きの桜
    他に先駆けて咲く花は震災の犠牲に思いを致すよすがとなると同時に明日への希望を
    感じさせてくれるでしょう。

  以上挙げた「桜記念樹」への想いは、失われた故郷への思いと、犠牲になった人々への
  鎮魂の思いを桜記念樹に込め、或いは負の歴史的事件を風化させないための「記念樹」
  として、未来に向かって残していこうという取り組みである。
                                  (2016.4.15記)

 

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