政務活動費・改善策は?
(政務活動費№13)
公金を扱う議員のやることとは思えない乱脈の実態がマスメディアで取り上げられている。
議員の質の低下が、貰えるものは何でも貰い、悪習慣でも誰もがやっていることは、
やらないと損をするという感覚。
自分だけ「良い子」になるのは嫌だ等々、議員の質もここまで落ちてしまったかと憤慨するが、
「その議員を選んでしまったのは誰なのか」と考えてみれば、選挙に投じる1票の重さに襟を正さなけれ
ばならないことに気づく。
まして、棄権するなどと、民主主義の根幹を揺るがすような、「権利」と「義務」の履行を放棄するな
ど論外だ。
不適切な政務活動費の事例は、数知れず多い。
〇 行ってもいない出張費の請求。食料品のレシートを改ざんし事務費として計上。
飲食代を活動費 として計上。
演歌コンサートを計上した議員もいた。
読書が好きだからと何十万もの書籍代を計上、
市民の代表としてあらゆることに精通していなけれは職を全うすることはできないから、
などと言う理由が通ってしまう。
冷蔵庫を購入した議員もいた。
極めつけは、3月の年度末に政務活動の予算が余ったからと、会は全員にパソコンを購入。
貰った活動費は全額使わなければ損、と言う感覚。
しかも、議員を止めた議員に、パソコンの返還を認めていない。
公費で購入したものの所有権は個人にはない。
廃棄処分したと言うが、その書類さえ提出させていない。
多くの議会で、政務活動費は一定額が会派や議員に前払いされる。議員の政務活動が円滑にできるよ
うにと言う「前払い方式」が、主旨に反して手にしたものは「返したくない」と、不正計上を誘発
してしまう。
改善策 ①
後払い方式
一度手にしたお金は「返したくない」と言うならば、「後払い」にすればよい。
京都府京丹後市の場合、議員に報告書や領収書を出してもらい、議長が審査した後で支給する「後払い
方式」をとっている。
調査研究にかかった費用の補てんという政務活動費の性格上、「後払い方式」の方が理にかなってい
る。議員個人に直接前渡しする方式が不正の温床とになるという。そのため不祥事のあった兵庫県議会 は政務活動費を会派に前渡しして、会派から議員に後払いする方式に改めている。
改善策 ②
領収書等の提出
1円以上の領収書や支払証明書の提出と例外規定を撤廃する。(公共機関利用の際の切符購入費など)
改善策 ③
領収書・支払証明書等のインターネット公開
収支報告書をネットで公開する自治体は増えています。
さらに徹底して、添付する領収書までネット公開している自治体は、高知県、大阪府、兵庫県などが
る。
政務活動費は、政策の調査研究や陳情活動などの経費を補助するために地方議員に支給される公費である。どんな活動のためにいくら使ったのかを、報告し公開するのは議員の義務として当然のここと思われます。議会に出席し、質問し採決に参加するだけが議員の仕事ではないことを、議員の皆さんはもっと自覚してほしい。
(2016.09.29記)
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