雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

流されていく……

2016-12-31 23:35:43 | 昨日の風 今日の風

流されていく……
  
このまま流されたくはない

 
居眠りして観ていた、「紅白」。
 私にとって、もうこれを見るような年齢ではないのかと思いながら、
 今日の新聞を開く。
 朝日新聞社説は、今年を「言葉」で振り振り返っていた。

 印象的な文章があったので紹介する。
 以下の文章は、消費増税の先送りについての文章だ。

 「確実な未来」である人口減少と超高齢社会に備えるための国民の負担増しを、
 政治家が先送りし、
 多くの有権者がそれを歓迎、或いは追認した。
 医療も介護も年金も生活保護も子育ても、
 財源難にあえいでいる。
 この厳しい現実から目をそむけ、
 社会全体が
 「何とかなるさ」とつぶやきながら、流されていくようだ。

 このまま来年も流されてしまわぬように

 
ひとり一人が、目の前にある「将来」に責任を持って
 嫌なものは嫌だと答えられるような姿勢が必要なのではないか。

 今年も、数分で終わります。

 

 



 

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人口減がもたらす社会的危機

2016-12-27 16:17:22 | 昨日の風 今日の風

人口減がもたらす社会的危機
         出生数100人割れ
 厚生労働省によると 、
 今年国内で生まれた日本人の子どもは98万1千人の見込みと発表された。
 減少し続けてきた出生数がついに100万人を割ってしまう。
厚生労働省の 出生数の年次推移は以下の通りだ。
  昭和45年
 1 934 239人
    昭和55年  1 576 889人
    昭和60年    1 431 577人
    平 成 7年  1 187 064人
    平 成 9年 1 191 665人
    平成28年      981 000人(予測)

  出生数と死亡数 
  
 出生数が死亡数より下回る人口の自然減は10年連続つづいている。
   出生数は前年の100万5677人から2万5千人減少し、死亡数は前年より6千人多い戦後最多の129万6千        
   人。
   つまり、1296000人-981000人=315000人となり、自然減が戦後初めて30万人を超える結果になり       

    ます。
  出生数の減少は、親になりうる世代が減っていることが最大の要因だ(朝日新聞、産経新聞)。
 しかし、長年にわたる少子化で、大台を割るのは時間の問題だった。にもかかわらず、実効性のある政策を打ち出せなかった政府の責任は重い。少子化対策の打つ手打つ手が、後手に回っている。
挙句の果てに、少子化と言いながら、待機児童の問題が社会問題となり、少なくなった児童の受け入れもままならない。児童虐待も社会の構造的な歪みによる面も無視できない。
 若い人たちにとっては誠に生きずらい社会がいま私たちの環境を取りまいている。

 子育てにお金がかかる。仕事と子育ての両立が難しい。
そもそも結婚できるだけの生活基盤が整いずらい社会ではないか。雇用問題(非正規労働者問題)、長時間労働、社会保障(年金問題)等々ちょっと考えただけでもたくさんの不安材料を上げることができる。

 社会環境が未婚化、晩婚化、晩産化の一因になっている。
 平均初婚年齢は上がり続けている(朝日新聞)。
   1995年 夫28.5歳  妻26.3歳 だったのが20年後の2015年には次のようになる。
   2015年 夫31.3歳  妻29.4歳 になり、第一子を出産した時の母親の平均年齢は2011年以降、30
   歳を上回っている。
 婚姻・離婚  
   婚姻は戦後最小の62万1千組(前年比1万4千組減) 
   離婚は21万7千組(前年比9千組減) となる見通しだ。

 子どもたちは社会を支える担い手だ。
 社会保障も経済を支える労働力も出生数の減少していく社会では、
 先細りにならざるを得ない。

 今を生きる私たちに直接かかわる問題も大切だが、
 50年100年という長いビジョンを持たない政治は国を滅ぼしてしまう。

 原発もTPPも避けては通れない喫緊の課題なのだが、
 目先の事のみにとらわれてしまえば、
 子どもたちに希望の持てる社会を提供することは難しくなる。

 目標が変わり、政策が頻繁に変わっていく社会は、国民の不安を増幅させてしまう。
 やがて国民の不安が怒りとなって爆発するのか、無気力になってしまうのか。
 たくさんの事例を私たちは歴史から学ぶことができる。

 誰の社会でもない。この社会は私が生きている社会であり、あなたが生きている社会なのだ。
 一人一人が責任をもって将来に引き渡していく義務があるのだ。

 いろいろのことがあり、
 嬉しかったことも 
 悲しかったことも
 全てを包んで
 今年も数日で終わろうとしている。 


 訪問者の皆様ありがとうございました。
                (2016.12.27記)
(昨日の風 今日の風№56)

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読書案内「山の霊異記 霧中の幻影」 (3) 石田の背中 他 

2016-12-21 13:10:07 | 読書案内

読書案内「山の霊異記 霧中の幻影」(3)
                           安曇潤平著
 
第4話 石田の背中
 
を藪の中へ先導していったのはいったい誰だったのか。

 約束の時間が過ぎても一向にくる気配の見えない友人・石田を置いて、   
 一人で登り始めた。

 携帯に掛けても反応がない。
  約束場所の駅から、登山口までバスに乗った。
 バス停から登山口までの緩やかな道を少し歩くと、T岳登山口に着く。
 ここからが登山道だ。
 ショルダーベルトを締めなおし、靴ひもを結びなおし、
 登山口の階段見上げた俺の目に飛び込んできたのは、
 ザックを背負った石田の姿だった。

 一本前のバスで来てしまったと石田は詫びる様子もなく、
 歩きはじめる。
 早い。
 いつもの石田ではない。
 息も切らさずハイペースで登っていく。
 石田が不意に立ち止まり登山道を外れ、
 深い笹薮の中に入って行った。
 咎める松山に石田は
 「この道を進めば山頂に直登できるんだ」と言いどんどん藪の中に入っ
 ていく。       
 道はますます狭くなり、笹薮が体に巻き付く
 引き返した方がいい」と言う松山に、
 「いいから俺についてこい」と石田は言う。

 松山はぞっとして足を止めた。
 その声は石田の声ではなかった。
 冷たく、悪意のこもった聞いたこともない男の声だった。
 
 その時松山の携帯電話が鳴った。
 電話のむこうから聞こえてきた声は……。
 松山は驚愕した…。

第五話 三枚鏡
 めったに人が入らない山で知り合った女は、
 大事そうに「コンパクトな三面鏡のような鏡」を持っていた。
 2年ほど前に、冬の鹿島槍ケ岳で滑落して亡くなった友人の形見だと言う。

 問わず語りに女は「鏡」にまつわる不思議な話を始める。
 時々その鏡の真ん中に他人の顔が映っている時がある。
 あり得ない事だが、話には続きがある。

 ある日北アルプスの谷で遺体が発見されたニュースを見ていた女は驚いた。
 画面に映し出された顔は、その前の日、真ん中の鏡に映った女性の顔だった。
 何とも気味の悪い話だ。

 女が去ったあと、気がつくと例の三枚鏡が忘れ去られたように残っていた。
 背筋が少し寒くなり、心臓の脈打つ音が聞こえる。

 勇気を出して鏡を開いてみた。左右の鏡に

 自分が映る。そして真ん中の鏡には……。
 なんの変わりもない自分の顔が映っていた。

 物語はこれで終わりではない。
 女が三枚鏡を忘れたのは偶然なのか。
 それとも……。

 その後の女の動向は……。
 謎は深まり、鳥肌の立つ余韻が残る。(2016.12.21)   (読書案内№95)

 

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若狭の海・故郷は遠く

2016-12-18 16:36:26 | つれづれに……

若狭の海・故郷は遠く
        晩秋から初冬へ(旧知の人へ 季節の便り)

 各地から伝わってくる紅葉の季節も終わり、
すっかり葉を落とした樹々が、
寒い風のなか、
冬に向かっての準備に身支度をしているようです
今は庭の山茶花が、
殺風景になりがちの庭に明るいピンクの色を添えています。

 
北国ではすでに雪が降り、
本格的な冬の訪れの寒さが到来しているようです。



 
北陸新幹線の延伸ルートが、「小浜・京都」ルートに決まったようです。

 小浜・舞鶴など若狭湾を訪れたのはだいぶ前の事ですが、
静かな町とやわらかな京都弁の名残りが残る落ち着いた雰囲気と
鯖寿司のおいしかったことなどが印象に残っています。

 小浜は若狭湾の丁度真ん中あたりで、
リアス式海岸で、
陸地と海が入り組んでいて、
波の静かなとてもいいところですね。

 歳をとるにつけ、故郷の地にも縁故の人たちがだんだん少なくなり、
『遠きにありて』思う故郷になってしまうのは少し寂しいですね。

 薪ストーブのやさしい灯を思い浮かべながら、安曇野の寒い冬を思っています。

 健康に留意し御身ご自愛ください。
             (2016.12.18)

 (小浜の里に生まれ、大阪で自営業を営んでいたが、高齢になり、
夫婦で長野に移住した旧知の人への季節の便りです)

                                                                    (つれずれに……心もよう№46)

 

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読書案内「山の霊異記 霧中の幻影」 (2) ついてくる女 他

2016-12-16 13:18:09 | 読書案内

読書案内「山の霊異記 霧中の幻影」(2)
               安曇潤平著
 
     2話 ついてくる女 
九月。
北アルプスのある山で起きた不思議な話。
夏の最盛期を過ぎた山は静かだ。
背中に視線を感じ振り返ってみると、
女性登山者がゆっくりと登ってくるのが見えた。

異変に気がついた。

廣瀬がゆっくり登ろうが、
意識的にハイペースで登ろうが、
女はいつも彼と一定の距離を保って登ってくる。

森林限界を超え稜線に足を踏み入れる。
歩きながら恐る恐る後ろを振り返る。

すると……。

いるのだ。
霧の中に例の女が。
ゆっくりと廣瀬の後ろをついてくるのだ。
前髪を垂らし、
うつむき加減でゆっくりとこちらに向かってくる。
「うわあ!」広瀬は逃げる。

友人の根津の待つテントに逃げ込み、
広瀬は、「おんな」から逃れることができた……と、思った。

夜。
テントの外に人の気配を感じて目を覚ました広瀬の目に飛び込んできたのは、
「あのおんな」だった。
広瀬は凍り付いた。
「おんな」はヘッドライトもつけずに、
根津のテントの前で中をのぞき込むような格好で立っていたのだ。

 憑依(ひょうい)現象。一定の人に憑依する場合と、人から人に移動する霊があります。

  第三話 ぼくちゃん
 舞台は伊豆の小さな一軒宿。
40過ぎの美しい女将。
掃除の行き届いた部屋。
夕食は豪華でうまいし、温泉もいい。
主人が漁師をしているので食事だけは自慢できると女将は言う。

「ぼくちゃんが、お客さんはお酒が好きそうだからきっと喜ぶよ…」と言っていたと女将が部屋に持ってくる。
女将はしきりにぼくちゃんと言うが、
この宿に着いてから俺は、
一度も子供と顔を合わせていないのだ。

不思議なことと言えば、
この宿に泊まっているもう一組の客の姿も一度も見ていない。
俺は女将以外、
ぼくちゃんはおろか、
漁師をしているという主人とも一度も会っていないことに気づいた。

 二か月後、
あのぼくちゃんからハガキが届いた。
誤字脱字を交えた、子供らしい拙(つたな)い文章をみて背筋を寒くした。

ハガキに書かれた文字は、
達筆な行書体で流れるように書かれ、
いかにも成熟した女性の文字だった。

 一軒宿に泊まった体験談だが、謎の多い短編だ。昔ばなしに登場す狐に化かされた話を連想するが、女将の正体は何か。幾晩か連泊した時、主人公に何が起きるのか、興味が尽きない。
柳田国男の「遠野物語」に登場する宿とも重なり合う。

(読書案内№94)    (2016.12.16記)    (つづく)  

 

 

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顧客をばかにするな!!

2016-12-14 12:19:46 | 昨日の風 今日の風

顧客を馬鹿にするな!!
読売旅行営業所業務処分

下限割れ運賃でバス手配
 顧客の命をどう思っているのだろう。
相変わらず、「安ければいい」的な感覚が企業経営に蔓延している。
顧客は決して安いことだけを希望しているのではない。
安全最優先は絶対条件のはずだ。

 今年1月に長野県軽井沢町で起きたスキーバス転落事故では、
5人が死亡。
基準を下回る運賃でバスが手配され、
安全管理上の問題が指摘されていた
(写真は軽井沢の事故の激しさを物語る事故現場)。

  特に、基準を下回る運賃
(この事故の契約は、国が定める基準約27万円を下回る約19万円だった)は、
運行会社の従業員(運転手)の健康管理や労働環境を悪化させる原因にもなると社会問題にもなった。

 今回、下限割れで業務停止処分されたのは、
「旅行読売」の2営業所(山口営業所、富山県高岡営業所)と
タビックスジャパン(福島県郡山支店)だ。

いずれも軽井沢スキーバス事故の起きる前年の不正だが、
国交省・観光庁においては、徹底した調査と指導の元事故防止に努めてほしい。

 旅行読売・山口営業所のホームページには、
営業停止処分についてのお詫びは乗っているが、
どんなことが原因で停止処分になったのか、
具体的な説明は全くなく、
誠意が感じられませんでした。

「処分を重く受け止め、今後、法令順守の徹底に向けた指導・対策を一層強化する」
                       読売旅行広報・市場調査部コメント

「安全に対する重要性について、社内意識の醸成を図るとともに、社内監査を強化する」          
                          タビックスジャパンコメント。
なんとも虚しく、空々しいありきたりなコメントです。


 ブラック企業の顧客にはならない。
最近の事例では、佐川急便の交通違反出頭の替え玉問題など、
企業の姿勢を問われるような事例が多すぎる。

 過当競争、労働力不足などが言われているが、
そのしわ寄せを、
従業員の賃金や過酷な労働環境に求めてはいけない。
襟を正し、企業の倫理とプライドを持って維持して欲しい。 
            (昨日の風 今日の風№55)                              (2016.12.14記)

 

 






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読書案内「山の霊異記 霧中の幻影」

2016-12-12 18:19:51 | 読書案内

読書案内「山の霊異記 霧中の幻影」
           安曇潤平著 角川書店 2016.6初版

 日常生活の中で、見えないもの、聞こえないものを感じる時がある。
特異体質と言うのだろうか。
一般には、「感が強い」などと言われている。

 旅先(主として山行きの過程)で体験した不思議なもの、
不気味なもの話を16の短編にまとめた第4冊目の本。

何かを感じる。
山道を歩いているとそんな感覚に襲われることが時々ある。
じわりと鳥肌が立ってくる。
駆け出したい。
得体のしれない感覚から逃げ出したい。
だが、駆け出してしまえば、
こちらの感じている穏やかならざる心境を得体のしれないものに悟られてしまう。
なんてったって得体のしれないものなのだから、
駆け出したいのは山々なのだが、
せいぜいできることはこちらの気配を消し、
そ知らぬふりをしながら逃れる。
古来より人間は自然に対して畏敬の念を持っている。
特に、日本では自然界のあらゆるものに例の存在を認めている。
いわゆる、「精霊」の存在だ。

 第一話 命の影
 燕岳(つばくろだけ)。
ポピュラーな山で、10年ほど前に私も登った山だ。
情景描写は具体的(どの短編にも共通していえる)なので、
信憑性があり読者の心をすぐにとらえてしまう。

 「こんにちは」と挨拶をすれば、必ず「こんにちは」と返事が返ってくる。
山のルール―だ。
だが、不愉快なことが起こった。
かけた相手から挨拶が帰ってこない。
そればかりか、挨拶をかけた相手は、不思議そうな表情をして、足早に言ってしまう。
行き交う登山者は、
彼が挨拶をすると一様に不思議そうな表情をして、
逃げるように立ち去ってしまう。

 岩の上に腰掛けて休んでいる男は、俺に言った。
「周りにいる登山者たちには君の姿は見えないんだよ」
「このまま登りつづければ、君はこの山で命を落とすことになる」
「とにかく、周りの人間にわずかに声が聞こえているうちに、君はこの山を降りるんだ」。

 登るごとに、命の影が薄くなっていく、
これ以上登山を続けると俺の命は消えてなくなってしまう。
猛烈な悪寒を感じた俺は来た道を蹴るように駆け下りた……

 不思議で、
気味の悪い話だが、
あり得ない話ではない。
山の精霊が、
登山者の命を吸い取って、
山の静逸さを維持しているとしたら……。

 そんな怖ろしいスポットが山にはあるらしい。
その精霊にとらえられた登山者は、
いつの間にかルートを外れて、
遭難。
目撃情報も皆無。
遺体は発見されず、
彼は永遠に山で眠ることになる。

                                       (つづく)
              (2016.12.12記)                        (読書案内№92)

 

 

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ドクターXについて

2016-12-09 11:00:00 | つれづれ日記

ドクターXについて

 ドクターXが高視聴率を維持している。
群れを嫌い 
権威を嫌い 
束縛を嫌い 
自らの経験とスキルのみを武器に生きる一匹狼のフリーランス外科医大門未知子。
荒唐無稽のドラマだが20%代の高視聴率をたたき出す原因は何処にあるのだろう。

 有能な外科医だが非常識。
空気読めない。
日常の常識というルールから逸脱しているが、
やりたいことを自由にやって生きていける。

派遣される病院には味方はいない。
孤立無援のフリーランス外科医だ。

思いきり丈の短いスカートを履き、ピンヒールで病院内を闊歩する。

たった一つのよりどころは、
大口開けて好きなものを食べ、
「名医紹介所」で師匠や紹介所の仲間たちと好きな麻雀をする。
大門未知子にとって心の癒される唯一の場所だ。

 「私、失敗しないので」、
「…いたしません」など大門のキャラクター作りにも一役かっているフレーズも人気の一つ。

水戸黄門の印籠に等しい役どころであり、
テレビドラマ「半沢直樹」の「倍返しだ!」のフレーズと同じ役どころだ。

 医師の立場を離れた大門未知子はまるっきりアホになる。
こんなところにも、人気の秘密が隠されている。

一種の変身願望である。
手術に関することは、一歩も譲らず、妥協を許さない。

私たちは生活の中で、
沢山の妥協や我慢をしながら日常の中に、
穏やかさと小さな幸せを手にしようとしている。

反対意見を述べ、
相手を批判するようなことを言えば、
陰湿な個人攻撃や、
陰へ回っての悪口などに合い、
辟易してしまう。


 日常の中で起きる生きづらさとは全く無縁な場所で自信に満ち、
「私、失敗しないので」と生きていける未知子に、
私たちは心に淀んだ「憂さ」を晴らしているのかもしれない。

                     (2016.12.08記)

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どうなる川内原発 鹿児島県知事・三反園氏の動向(2)

2016-12-01 18:00:00 | 風の行方・原発

どうなる川内原発 鹿児島県知事・三反園氏の動向(2)

三反園知事は川内原発の一時停止と再点検を公約に掲げて初当選。8月と9月の二回、
九電に即時停止を要請して拒否された。
その知事が気になる発言をしている。

 10月28日、就任会見以来3カ月ぶりに開いた記者会見での発言。
「私がどう対応をとろうとも、九電は稼働させていくことになる」

また、11月11日、原発内を視察した後の発言。
「私には稼働させるさせないの権限はない」

 停止をめぐる発言は徐々に、トーンダウンしていく。

熊本地震の不安を背景に、三反園知事の発言。
「安全性が確保されていない原発を動かすわけにはいかない」

8月26日には県庁で、9月7日は九電本社ビルで九電社長に直接、直ちに停止
を要請した。しかし、九電から拒否されると、
「また要請しても、結論は同じかもしれない」。
事実上の原発停止要請敗北宣言だ。

 相手の懐深く踏み込んでいく勇気がない。
 こちらの胸の内を公表してしまう。
 知事ともあろうものが、なぜ敵の本陣に「要請書」を持って行ったのか。
 知事が直接行動したのだ。
 本陣に切り込んだのだ。
 それなりの成果を得なければ、笑いものになりますよ。
 こともあろうに、「また要請しても、結論は同じかもしれない」
 なんて弱音を吐いてしまえば、これはもう敗北宣言だ。

 理念なし、戦略なしの知事の姿勢は、戦う前から敗北の結果が見えている。

 「今さら権限がないというのなら、なぜ九電に止めろと言ったのか。
 パフォーマンスにしか見えない」
  という声も聞こえてくる。
  脱原発の旗を掲げて支持した選挙民が、
 「公約違反だ」と憤るのも無理のない話だ。
                                                                                (2016.12.01記)

 

     

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