雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

馬鹿の上塗り アルマーニ騒動 ①

2018-02-25 14:59:14 | 昨日の風 今日の風

馬鹿の上塗り アルマーニ騒動 ①

 銀座にある中央区立泰明小学校(和田利次校長)が、今春に入学する1年生から、標準服を海外高級ブランド「アルマーニ」がデザインを監修したものに標準服を採用することになり、波紋を呼んでいる。

「安くはないと思ったが、基本一式なら本校の保護者であれば何とか出せるんじゃないか」と記者会見で発言し、更にダメ押しとして「方針を変える考えはない」と、強気の発言だ。
 この標準服を基本一式で揃えると4万円余、
ブラウスやセーター、ベスト、ソックス等すべてを揃えると8万円を超えてしまう。
標準服とはいえ事実上の制服にしては、高額すぎるのではないか。
公立校は地域の子どもたちが経済的な負担を受けずに誰でも通える学校のはずです。
「基本一式なら本校の保護者であれば何とか出せるんじゃないか」
という校長の発言は選民意識・差別意識が根底に見えている。

標準服とはいえ、事実上の制服です。誰もが着用しているのに、
我が子だけは別の服を着ると言うわけにはいかないだろう。
夏服、冬服があり、成長に合わせて買い替えも必要だろう。
兄弟がいれば、1着だけでは済まないだろう。
こういうことを考えたうえで、「方針を変える考えはない」と言う校長は、
学校のホームページで次のように述べている。


努力を重ねてまいりますので、どうか、多くの皆様からのご示唆を賜れるよう、よろしくお願いいたします。重ねて、『伝統と風格』が、泰明小学校の金看板であることを納得していただけるような、教育活動の実現に努めることをお約束いたします。(泰明小学校HP学校長より「伝統と風格」から抜粋)
 
 随分身勝手な文章だと思います。
「伝統と風格」などはどこの学校でも用いる常套句ですからいいのですが、
その後の「金看板」にいたっては時代遅れの表現だし、
「伝統と風格」が金看板だという意味が解りません。
どんな伝統があり、風格があるのか具体的な説明もなしに
「金看板」だと主張するのはいかがなものだろう。
 もし、この「伝統と風格」を保つためにアルマーニ標準服の採用を強行に推し進めたのだとすれば、
校長としてはとても浅はかな言動だと思います。

 「方針を変える考えはない」と脅しに近い言動も、
まったく保護者との話し合いを拒絶するような立ち位置で納得できません。
(ただし、今さらアルマーニとの契約を破棄すれば、
賠償金問題が発生し、公的組織の責任者としては絶対に回避しなければならない場があるのでしょう。
それに、国産メーカーに乗り換えるにしても時期すでに遅しで、
記事の発注やデザインなどは1年以上も前から発注しなければ間に合いません)。
こうした事情も裏にあったための強硬発言だったのでしょう。

 「伝統と風格」を守り育てていく行為は、金看板を掲げることではなく、
「学び舎」の中に子どもたちが伸び伸びと元気に育つ環境を整え、
教師も学童もともに歩んで行く姿勢を育てていくことが最も大切なことと思います。
そうした環境の育成こそが責任者である校長の責務ではないでしょうか。
今回の騒動はまさに「笛吹けど踊らず」というバカバカしい結果になってしまうような気がしてなりません。
                                          (つづく)
      (2018.02.25)               (昨日の風 今日の風№86)
  次回は校長の保護者への説明の全文を掲載し、騒動の問題点を考えます。

 

 

 

 


 

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雪を詠う

2018-02-21 13:45:48 | 人生を謳う

雪を詠う
 関東に降った雪もすっかり解け、暖かく明るい日差しの中で福寿草が輝いている。
日陰の霜柱も姿を消し、春の兆しが感じられるこの頃です。
しかし、北国では異常気象の名残りがまだ続いているようです。
雪に閉ざされ、雪かきに追われる日もきっとそろそろ終わりを告げることでしょう。
朝日新聞の俳句や短歌の投稿欄にはたくさんの雪に関する歌が投稿されています。
その中から好きな歌をそれぞれ5つを紹介します。


  〇 雪被る家並みの上の狭き空赤みを帯びて夜の明けくる
                      ……(昭島市) 奥山君子 朝日歌壇2018.02.19
     一面の雪に覆われた世界だ。白々と明るくなってくる東の空が、ほんのりと赤みを帯びてくる。
     除雪は大変だけど、雪国の美しい夜明けに感動している

  〇 積もりたる雪の歩道を鶺鴒(せきれい)は雪突(つつ)きつつ小走りに行く
                                              
……(千葉市) 笹倉童心 朝日歌壇2018.02.19
    この歌もまた雪国の一瞬の日常の風景を切り取った、絵のような風景が漂う歌である。
            雪に埋もれて餌の乏しくなった鶺鴒が歩道どうの下から現れるわずかばかりのえさを求めて小走りに               行く姿を優しい目が追いかけている。

                      
  〇 大雪に折れたる枝を取り除く頂(いただき)に柚子一つ残れり
                      ……(栃木県) 富田洋司 朝日歌壇2018.02.19
              降り積もった雪に樹々たちの枝がしな垂れている。枝をゆすり、棒で叩きながら枝に着いた雪を払っ                 ていく。 払いきれない枝のてっぺんに柚の実が一つ輝いている。

    三首とも雪国のなにげない風景を切り取った感性が素晴らしいと思います。
      



  〇 「寂しい」のうかんむりに雪つもりゆく屋根の重たさ
                 
…… (福島市)美原凍子 朝日歌壇2015.1.26
      辺り一面の雪の原。震災と原発がなにもかも奪ってしまった。ただただ寂しい雪の景色である。
      その「寂しさ」さえ、雪が埋め尽くしていく。心までも被いつくすような寂寥感が漂っている。

  〇  雪しまく峠を自転車で避難したあの人のことが忘れられない  
                                         ……梅田洋子
       「雪しまく」と言うから、
      吹雪の舞う峠道を自転車で避難していく人の後ろ姿が今でも心に焼き付いている。
      「
あの時」。 生きていくことにみんな必死だった。
                 何処へ逃げるか。人の流れる方を目指して誰もが必死で避難行
をしたのだろう。
                 避難指示で渋滞する道路、ガソリンもない… 
                 消えていったあの人は今何処にいるのだろう。
      
忘れられないあの日の一瞬が今もよみがえってくる。    

  〇 街灯の一夜を雪の降り積もる  
             …… (静岡市) 松村史基 朝日俳壇2018.02.19
       寝静まった深夜ぽつんと立った街灯に雪は降りつみ、朝、それを見ると昨夜降った雪の傘が歴                             然と残る。

  〇 美しく消ゆるは難し残る雪
             …… (東京都) 徳竹邦夫 朝日俳壇2018.02.19
       東京に降る雪。明くれば車にはねられ、人の踏みあとたちまち汚れてい来る。
       誰しもが感じる雪の白さに対する憧
れが消えていく瞬間でもある。
 

  〇 三日目も四日目もまだ雪達磨
             …… (東大阪市) 宗本智之 朝日俳壇2018.02.19
       子どもたちが久しぶりに降った雪にはしゃぎながら作った雪達磨が、まだ解けない。
       冬の寒さがひとしお厳しい日々である。

  〇 帰りゆく子の背を追ひし春の雪
             …… (岩倉市) 村瀬みさを 朝日俳壇2018.02.19
       久しぶりに帰って来た帰って来た子が帰っていく。その背中に春の雪が降っている。
       感慨深い句である。雪を背負って遠ざかる我が子…  未練が残る…

  
  〇 春立つと天は言へども屋根の雪
             …… (高岡市) 四津三樹夫 朝日俳壇2018.02.19
       暦の上で立春を迎えても、屋根の上には雪がいまだに溶けないで残っている。
       例年にない雪の深さをうたっている。その裏側に見えるのは、春を待ちわびる心なのだろう。
        (人生を謳う)                                                       (2018.02.21)

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雪中の狩人 ピーテル・ブリューゲル(父)

2018-02-13 22:28:10 | つれづれに……

 異常寒波による雪の被害が北陸を中心に続いている。
石川県から福井県にいたる国道では約1400台のトラックなどが、
30時間以上も立ち往生していると報道は伝える。
明るいニュースも報じられている。
沿線沿いにある「餃子の王将」は、立ち往生しているドライバーなどに、
無償で約500人前の料理を届けた。
酢豚に焼きめし、天津飯、ギョウザ…など。
店は大雪のため前日から臨時休業だったが、余った食材で昼過ぎから調理し、
ドライバーたちに提供した。
雪害を伝えるニュースの中のホットニュースだ。


「雪中の狩人」1565年 ピーテル・ブリューゲル(父)

 前回のブログで「北越雪譜」 で吹雪にまつわる哀しい夫婦の物語を紹介した。(2018.02.06)
今回も、雪にまつわる話をアップしようとネット上を彷徨っているうちにこの写真に遭遇した。
画家のピエール・ブリュゲールには、心当たりがないが、この絵にはかすかな記憶がある。
おそらくそれは、中学校あたりの美術の教科書に載っていただったように思う。
「なんと寒々しく、暗い絵なのだろう」

この何とも言えない暗さが、少年だった私の記憶の谷間に引っかかっていたのだろう。

 一面雪に覆われた山際にひっそりと広がる村の風景です。
雪の林を抜けて行く、三人の狩人が描かれています。
冬は農民たちにとって過酷な食糧なんの時期になり、
農民たちは獲物を求めて狩人になる。
うつむいて歩く3人。先頭を行くひとりは、黒い樹木に溶け込んで上半身が見えない。
狩りのために連れ出された大勢の犬たちまで、尻尾を垂れさげ、うなだれて疲労困憊しているように見える。
獲物は痩せた野兎か野ぎつねが一匹だけ。
足は重い。
だがその3人の狩人の足は、食糧の乏しい冬の食べ物を補充するために雪をかき分け、
林を抜け森の奥深くまで獣を追いかける逞しく太い脚をしている。

 鉛のように重い脚を引きずりながら、眼下に広がる村に向かって一歩づつ歩んで行く。

だが、ブリューゲルはこの「雪中の狩人」だけを描こうとしたのではない。

歩んで行くその先には、凍った池でスケートをする人々が描かれています。
  



 拡大しなければわからない小さく描かれた氷上の人々ですが、
遊ぶ人々の姿が細やかに生き生きと描かれているのに気付きます。
橋の上には薪(たきぎ)を背負って行く人が描かれ、橋の下の氷上には人を乗せた橇(そり)を引く人がいます。
村の背後には岩肌をむき出しにし、人の近づくことを拒否しているような峻険な山が連なっています。
おそらくはアルプスをイメージして描いたのだろう。
作品の舞台となっているネーデルランドには存在しない風景だそうです。

 さて、最初の絵をもう一度見てみましょう。
画面左上端に描かれた絵、大きな家が描かれ、看板らしきものが見えます。
「居酒屋」「旅籠」と思われます。
その脇で火を燃している人がいます。
この絵でたった一つ「あたたかさを感じる」点描です。
或る解説書によると、豚の毛焼きをしているところだそうです。
「居酒屋」に集う村人に提供する肉料理の準備なのでしょうか。
或いは、寒さに体の冷えた旅人をもてなす準備なのでしょうか。

 息も凍るような厳寒の村の風景です。
「寒くて、暗くて、寂しい村の風景」というイメージが強く印象に残っています。
中学生だった私が、美術鑑賞でどんなことを教わったのか全く記憶にありません。

しかし、今こうして改めて眺めると、
厳寒の風景に描かれた村人の生活が生き生きと描かれていることに気付きます。

寒いとか、暗いとか、寂しいだけの風景だけではなく、
「絵」全体から伝わってくる物語性がじんわりと感性に響くから、
この絵に魅力を感じるのかもしれません。

  最後に美術に造詣の深い人の、鑑賞の手引きの一部を紹介します。
 この絵から伝わってくるのは、そこに住む人々の生活感や喜怒哀楽なのですが、
それさえも雄大な自然の前では無力でしかないという趣があります。
「もしかしたら人生で体験する様々な喜怒哀楽は、私たちが考えているほど大したことではなく、ほんの些細な事なのかもしれない……」と思えてくるから不思議です。
寒々しくはあるけれども、
神秘的で深みがある落ち着いた空の色や雪、
山々の深遠な姿はとても印象的ですし、
微動だにしない存在感を放つ手前の木々や奥行きのある風景がこの絵をますます魅力的にしています。

 (つれづれに……心もよう№73)                           (2018.02.13記)

 
 
 
 
 

  

 

 

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読書案内「北越雪譜」 吹雪の章 

2018-02-06 22:10:29 | 読書案内

北越雪譜 吹雪(ふゞき)の章
          
ックデター: 鈴木牧之により天保6~7(1835年~36)年に書かれた、雪国百科全書。
                   美しく舞い散る雪も、ここ北国塩沢(越後魚沼市塩沢)の地ではすざましい
                   自然の驚異となり人々の暮らしを圧迫し続ける。
                                                  著者鈴木牧之(1770-1842)は雪とたたかい、雪と共に生き、雪の中に死ん
                                                  でいく里人の風俗習慣や生活を、雪国の動物と人間のかかわりや雪中の幽霊
                                                  のような奇現象とともに、珍しい挿絵を交えて紹介している。(表紙紹介文参照) 
                  岩波文庫 1936年第一刷 1978年第22刷改版 2004年第59刷発行                        

 
  庭の梅の木にメジロが訪れ、虫をついばんでいる。
小さな庭にムクドリ、ヒヨドリ、スズメなどが餌をついばみに来る。
春はまじかと思う毎日。だが地域によっては異常寒波の襲来で、
例年にない雪の多さに戸惑う住民や交通機関の混乱がテレビから流れてくる。
雪の少ない地域では、久しぶりの雪に少しの迷惑と、
新鮮な雪景色を鑑賞する小さな喜びを感じる。

 しかし、雪国では雪は生活の一部であり、戦いの対象として捉えられる。
屋根に積もった雪は家を押しつぶし、除雪をしなければ道路は閉鎖されてしまう。
毎日が雪との闘いになる。

 先に紹介した「北越雪譜」から「雪吹」についての記述を紹介します。

雪吹は樹などに積もりたる雪の風に散乱するをいふ。
其状優美(そのすがたやさしき)ものゆゑ花のちるを是に比して花雪吹といひて古哥(こか)にもあまた見えたり。
地吹雪が二人を襲い、是東南寸雪の国の事也、
(雪が風に乗って散乱するさまを吹雪というが、その舞い散る様子は優美で、花吹雪などといわれ、
 昔の歌にもよく詠まれている。このような雪の降る様子は、雪の少ない国の話なのだ……、
)

北方丈雪(じょうせつ)の国我が越後の雪深(ふかき)ところの雪吹は雪中の暴風雪を巻騰飈(まきあぐるつちかぜ)也。雪中第一の難義これがために死する人年々なり。その一ツを挙げてここに記し、寸雪の雪吹のやさしきを観人(みるひと)の為に丈雪の雪吹の愕眙(おそろしき)を示す。
(北国の私の国越後の雪深い地域では、吹雪というは、荒れ狂う風が降り積もる雪を蹴散らすその様をいい、「暴風雪を巻騰飈(まきあぐるつちかぜ)」)と表現しています。吹雪にはとても苦しめられ、毎年このために死んでしまう人もいる。
雪国の辛さ苦しさを知らない人に、吹雪がどんなに怖ろしいかを、百姓夫婦が吹雪に襲われ、その中にとじこめられ、互いに名を呼び合い雪に埋もれて命を落としていく悲しい物語を紹介している。
(農人夫婦逢雪吹図・)

 初孫を見せに妻の実家に帰る二人に、地吹雪が二人を襲う。晴れ間を縫っての出発だったが、天候の急変に乳飲み子を抱かえた二人は、必死にこの吹雪の中から脱出しようと試みる。雪笠は風に飛ばされ、樹々たちは風雪に荒れ狂う。握り合った手と手もいつしか引き裂かれ、互いを呼ぶ声さえ切れ切れに強風に飛ばされていく。渦巻く雪が二人の命を無情に飲み込んでいく。
 命のかぎりなれば夫婦声をあげほういほういと哭叫(なきさけべ)ども、往来の人もなく人家にも遠ければ助る人なく、手足凍へて枯れ木のごとく暴風に吹僵(ふきたお)され、夫婦頭を並べて倒れ死しけり。此雪吹その日の暮れに止み、次の日は晴天なりければ近村の者四五人此所を通りかかりしに、かの死骸は雪吹に埋められて見えざれども赤子の啼く声を雪の中に聴きければ、人々大いに怪しみおそれて逃げんとするも在りしが、剛気の者雪を掘りてみるに、まづ女の髪の毛雪中に顕(あらわ)れたり。

 哀しい雪国の物語は、親が子を守るために注いだ命を賭けた「愛」の物語となって幕を閉じます。

 さては昨日の雪吹倒れならん、皆あつまりて雪を掘り、死骸を見るに夫婦手を引きあひて死居(しゝゐ)たり、児は母の懐(ふところ)にあり、母の袖児頭を覆いたれば、児は身に雪おば触れざるゆえにや凍死(こごえしなず)、両親の死骸の中にて又声をあげてなきけり。
 雪中の死骸なれば生きるがごとく、見知(みしり)たる者ありて夫婦なることをしり、我児(わがこ)をいたはりて袖をおほひ夫婦手をはなさずして死(しゝ)たる心のうちおもいやられて、さすがの若者らも泪をおとし、児は懐にいれ死骸は蓑につつみ夫(おっと)の家に荷(にな)ひゆきけり。
 
 

 男の実家では若夫婦は、孫を抱かえて嫁の実家に里帰りをしているものと思っていた。
帰宅した二人を見て言葉もなく、物言わぬ二人に抱きつき、頬を摺り寄せて泣き叫んだ。
「見るも憐(あわれ)のありさま也」
と記述し、
一人の男懐(ふところ)より児をいだして姑(しゅうと)にわたしければ、悲(かなしみ)と喜(よろこび)と両行(りやうかう)の涙を落としけるぞ。

 哀切極まりない話しを紹介し、「花吹雪」などと軽い気持ちで表現するのは、雪の少ない暖地の人々だ。と述べ「雪国の難義暖地の人おもひはかるべし」と戒めている。

 今日も地域により、大雪の予報が流れている。
「一晩の降雪で車が雪に覆われ、排気ガスで50代の男が亡くなった」とテレビは伝える。
かの地の雪との闘いを思い、かの地の苦労を思いながら本を閉じる。

      ※ 「北越雪譜」についてはgooブログ 123qweaz 斉藤野人の斉藤野語「コトノハとりっく」さんの
     1/9 23付にもアップされています。興味のある方はご覧ください。

      (2018.02.06記)   (読書案内№120)

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こんなこともう嫌だ① 職業倫理がないのか

2018-02-02 11:09:29 | こんなこともう嫌だ

こんなこともう嫌だ①
    中国のホテル・レストラン
  中国の高級ホテルやレストランで、
清掃や調理の不衛生な実態を隠し撮りした映像が相次いで暴露されている。(朝日新聞2018.01.26)

 黒龍江省ハルビンの有名ホテルで客室清掃を隠し撮りした映像が、動画サイトで公開された。
 動画を見ることはできませんでしたが、
 ハルビン市当局は各ホテルへの調査の結果、
 動画で告発された内容は事実だつた
として、ホテルを処罰した、と報じている。

 〇 ケビンスキーホテル ハルビン (外資系5つ星)
         (画面中央の建物)                (豪華なロビー)

    
     清掃員が便器を洗うブラシでコップを洗っていた。
      客の使用済みタオルでコップや便器、バスタブを拭いた後、最後に床を拭き始めた。
      ベッドのシーツも「汚れていなければ交換しないわ」と澄ましたものだった。
      女性清掃員は「普通は部屋の清掃は1日12部屋がノルマ。
      12部屋を超えて清掃すれば1部屋につき12元(約200円)の手当てがつくので、
      一部屋にかける時間を短縮するため」と話している。

      〇 シャングリラホテル ハルビン(外資系5つ星)
       (画面左側の建物)                (ロビーからプライベートゾーンへ向う通路)

    
 清掃員はコップとゴミ箱を同じ雑巾で拭き、その雑巾を便器の水で洗っていた。
 中国人記者が清掃員の就職希望を装って潜入取材し、ずさんな清掃の様子をカメラに収めた。 
 女性清掃員は便器を洗ったブラシでバスタブやコップを洗い、
 同じ雑巾で便器、ゴミ箱、コップを拭いた。
 記者を就職希望者と思い込んだ女性清掃員は、こんな忠告までした。
 「客がいるときはこうやって洗ってはダメ。
 規則違反になるから、普通は浴槽とトイレのブラシは違うものを使わないといけないけど、面倒くさいからね」

 

   〇 シェラトン・ハルビン香坊ホテル(5つ星)
              (画面左端の建物)                (ファミリールーム)
     
  トイレブラシで洗面台を洗ったあと、このブラシでトイレ掃除をする。
   タオルは見た目で使っていないと判断したら交換しない。

 ずさんな清掃が横行する背景にあるのは、5つ星ホテルの稼働率の高さあるようです。
清掃スタッフたちの業務が多忙なことを理由に、
1部屋につき30分から40分かかる清掃を15分以内で済ませていたといいます。

 忙しすぎる割には賃金が低くい。
清掃スタッフの定数は1部屋に必要な時間によって決まる。
この時間に稼働率を加味すればおおよその定数は算出できるのだが、
人件費を削減すればするほど、
労働意欲は減退し、手抜きが横行しサービスの低下につながってしまう。

 職業倫理の欠片(かけら)もない清掃員に対して、
地元、中国メディアは
「清掃員の賃金は低く、募集しても良い人材が集まらないので、
研修などに時間をかけていないことも、ずさんな清掃に拍車をかけている」と指摘しています。

ハルビン市は、3つの5つ星ホテルに対し、罰則を科す方針だということです。

利益優先の経営方針は労働者から誇りを奪い、強いては組織そのものをダメにしてしまう。

 オラこんなこともう嫌だ。

(朝日、毎日等記事を参照し、ホテル写真は各ホテルのホームページから引用)
      (2018.02.02記)        (こんなこともう嫌だ№1)

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