雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

新型コロナウイルス ⑤ 100年前のパンデミック・スペイン風邪

2020-05-27 06:00:00 | つれづれに……

新型コロナウイルス 
   ⑤ 100年前のパンデミック スペイン風邪
 新型コロナ
  世界の感染者数 531万4625人……500万人を超えたのが
   4月 3日に100万人を超え
     15日200万人に
     28日300万人
     5月10日400万人……そして5月21日、ついに500万人を超えた。
 わが国では25日、新規感染者が減少傾向にあることを受けて、
 緊急事態宣言の全域解除になった。
  国内の感染者数(24日午後9時半現在) 1万7369人 
               死者     851人
   歩んでいくトンネルの先に、わずかな光が差してきた。
   しかし、新型コロナウイルスを巡っては、
           全身の血管に炎症が起きる「川崎病」と似た症状との関連が疑われるなど、
           新たな報告も出ています(WHO)。
           感染の過程でウイルスが変容したのか。
   要はこのウイルスに関してはいまだに、不明な点が多い。
   特効薬さえ開発されていない。
   感染拡大を抑え、感染者を隔離するのが、当面の対策なのだろうか。

         新型コロナウイルスの概要を見て来ましたが、
    100年前の「スペイン風邪」の状況を見てみましょう。

100年前(1918~1920年) スペイン風邪・パンデミック
 
発生はスペインではなく、
アメリカ・カンザス州にあるファンストン陸軍基地の兵営からだとされています。
当時は第一次世界大戦の真っ最中で、
アメリカは欧州に大規模な派遣軍を送ることになる。
欧州に派遣されたアメリカ兵とともに「スペイン風邪 」も
世界中にばらまかれたといわれてます。

 歴史を顧みればトランプ氏が、「中国が新コロナウイルスをまき散らした」などと
自分への非難の矛先をかわすような中国批判などできるわけがないのです。


さて、アメリカ・カンザス州から発生した「A型インフルエンザウイルス」がなぜ、
「スペイン風邪」といわれるようになったか。
1918年は第一次大戦のさなかであり、
欧州各国やアメリカなど大戦参加国では報道管制が敷かれていました。
そのため当時中立国であった「スペイン」を経由して、
報道が「スペイン発」として発信されていました。
アメリカ陸軍がばらまいた感染症ウイルスがいつの間にか、
「スペイン風邪」と称されるようになったといわれています。
正確には「アメリカ風邪」というべき所を報道の発信元スペインの名が冠されたのです。
スペイン側からすれば理不尽なことなのでしょうが、
当時の国際間の国力の力関係もあって戦のどさくさに紛れて、「スペイン風邪」と
なってしまったようです。
 ただし、当時の日本での俗称は、「流行性感冒」として報道されていました。

(スペイン風邪に罹患したアメリカ・カンザス州の陸軍病院・ウィキペディアより)

 そのスペイン風邪。
 全世界で死者 …… 2000万~4500万人
日本国内の死者 …… 40万とも45万人ともいわれています。
   最初に示した「新型コロナウイルス」の規模と比べ、感染拡大の規模が
   桁違いであることがお分かりと思います。

当時の報道は次のように伝えています。
 感冒のため一村全滅 (福井県九頭竜川上流山間部)
 各病院は満杯となり、新たな「入院は皆お断り」(朝日新聞)
 商工業は休業。学校は休校 (岩手日報)
 処理能力を超えた火葬場 (神戸)
啓発ポスターは次のようなものがありました(朝日新聞4/24)。
テレビやンターネットのない時代、新聞やラジオ啓発ポスターという方法で情報を流しました。
 
   

悪性感冒・           汽車電車人の中ではマスクせよ     「テバナシ」に咳をされては
病人はなるべく別の部屋に       恐るべし「ハヤリカゼ」のバイキン             堪えない 「ハヤリ カゼ」はこん
                                  なことからつる                  
                       外出の後はうがい忘れるな
                       マスクをかけぬ命知らず!
 
 新聞報道は次のようにも伝えています。
  患者に近寄るな 咳などの飛沫から伝染 今が西班牙(スペイン)風邪の絶頂(1918.10.25付・朝日)
       航海中に死者続出(米国から日本へ向かう船内での感染を伝える記事)
  政府が呼びかけた対策は、マスク着用、うがい励行、室内の喚起や掃除の徹底、等々。
  「芝居、寄席、活動写真には行かぬがよい」
  「電車などに乗らずに歩く方が安全」

  なんだか、100年前の「スペイン風邪」は、
  現在の「新型コロナウイルス」感染拡大対策とほとんど同じようです。
  
  日本では一次流行期 …… 1918年8月~19年7月 
      二次流行期 ……  19年9月~20年7月
      三次流行期 ……   20年8月~21年7月 
               国内の罹患者は約2380万人 死者は48万人と推定されています。

 100年で世界は当時と比べ、地球規模でグローバル化が進み、
 
科学技術や医学技術は格段に進歩しているが、基本的な対策は当時と大差のないことが分かります。
 ワクチンの進歩をのぞけば、感染症対策はほぼ変わらないですね。

 緊急事態宣言が全国で解除され、私たちの生活も、
 経済活動も徐々にではあるが回復の道を歩み始めた。

 しかし、専門家の間では、
「新型コロナのワクチンができるか、多くの人が感染することで集団免疫を獲得するまでは、終息は難しい」のではないかと、警鐘を鳴らす人もいる。
全面解除されたとはいえ、
私たち一人ひとりが感染予防者であるという自覚を持つことが必要なのではないか。
       (つれづれに…心もよう№106)         (2020.5.26記)





 

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新型コロナウイルス  ④ パンデミック

2020-05-22 06:00:00 | つれづれに……

新型コロナウイルス ④ パンデミック
  人類の歴史とともに歩む感染症

 人類の歴史は、戦争と感染症の歴史でもある。
 紀元前1000年前後のエジプトのミイラに天然痘の痕跡が見られるそうです。
 日本では古くは縄文人の人骨にポリオに冒された人骨が見つかっており、
    弥生人の人骨には結核に冒された人骨も見つかっている。
 これまで何度も私たちは感染症と闘ってきた。
 感染症の世界的大流行(パンデミック)に見舞われても、
 人類の英知はこれと闘い、克服してきた。
 だが、私たちの社会から完全に抹殺できたのは、天然痘だけである。
 克服はできても、ウイルスは次々に新種を生み出し、
 最高の宿主である人間を標的にしょうと
 闇にひそみその機会をうかがっている。
 風邪のウイルスさえ根絶することができない。

 ペスト、天然痘、スペイン風邪、HIV、エボラ出血熱、
 SARS(重症急性呼吸器症候群)など、どれも野生動物を経て人間に感染する。
 エボラ出血熱は感染力も強く致死率も高い。
 また、HIVは感染力は弱いが、感染すると
 長い時間(数年~10年)かけて人間の免疫力を低下させてしまう。

 新型コロナウイルスの特徴
  感染力 ………… 非常に強い
  潜伏期間 ……… 長く(約2週間)、症状が表れなかったり軽症で済む人もい
            ると言われている。だが、重症化すると呼吸困難に陥って
            数日で死にいたる。
  
    

 自覚症状の軽い感染者が、市民生活の中に溶け込んでいる危険性が十分にある。
 「もしかしたら、自分の隣人が感染者かも知れない」という不安感は、
 感染者が増えてくれば恐怖感に変わってくる。
    次に訪れるのが、「監視」だという。
 営業自粛を守らない店がある。マスクをしないなんて不謹慎だ。
 等々私は感染しないょうに頑張っているのに、不謹慎だ、許せない。
 トラブルが起こり、生きづらい生活環境が続くようになる。
 ストレスがたまり、社会全体の意気が停滞してしまう。

 これ以上社会的規制が続くと、社会的な混乱が起きる。
 その寸前で我が国の感染拡大も収束の兆しが見え始めてきたようです。
 20日午後9時現在の感染者数は
  総数……1万7176人 新たな感染者全国で37人
  死者……  797人 昨日の死者11人
 やっと出口が見つかったようです。

  次回は20世紀最悪のパンデミックを引き起こした「スペイン風邪」について
  書きます。

      (つれづれに…心もよう№105)        (2020.5.21記)
 

 















 



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新型コロナウイルス ③ 夕日に湖面が光った

2020-05-16 21:26:30 | つれづれに……

新型コロナウイルス ③ 夕日に湖面が光った
  照明の落とされた店内に、ハッチング姿の彼がいた
 「明日は緊急事態宣言が解除されるだろう」と報道が伝える。
   感染拡大も少しづつ収まりつつある13日、2カ月ぶりに孫二人を連れてドライブした。
   3カ月目に突入した「休校」で、家にいる日が多くなり、
   運動不足で幾分ポッチャリしてきた孫たちへのささやかなプレゼントである。
   自宅から30分、周囲6キロの湖めざして走る車の中で孫たちがはしゃぐ。
   春は湖畔に植えられた桜が美しく、湖畔を散策する人で賑わう。
  
 
   紫陽花の湖畔は、さわやかな風が通りすぎる。
   
   菖蒲園の木道は孫たちのお気に入りだ。用心深いウシガエルが水辺の草むらで泣いている。
   
   なんといってもお気に入りは湖を縦断する大橋だ。その中央、湖の真ん中あたりのお気に入りスポット。
   平和の象徴の乙女たち。
   
   黄昏の時間が流れ、暮れなずむ景色に孫たちの元気な声が流れる。
   桟橋で釣りをする人のシルエットが、心を和ませる。
   
   いつもなら、夕暮れの歩道を散策する人で、活気のある一日が終わろうとするひと時、
   短い時間の賑わいが訪れるのだが、さすがに「コロナ自粛」のこの時期、人影もまばら。
          孫たちの元気な声が、湖面を渡る風に乗って消えていく。

   人の少なくなった公園を後に、次の目的地に車を走らせる。
   目的地はここから5分。城下町の曲がりくねった狭い道路を通り抜けて、
   地方都市の小さな繁華街を抜け、
   人通りがまばらになる直前に今日の目的地がある。

   居酒屋「オーパー」。
   彼がオープンしてから10年以上の時が流れた。
   彼がどこで修行してきたのか、誰にもわからない。
   地方で居酒屋を続けるということは、目に見えない苦労が多いと聞く。
   客は名の通ったチェーン店に行きがちだ。

   頑張る彼の姿に、月に数度足を運ぶが、
   アルコールを飲まない私は、
   牛ステーキなど値の張るものを注文し静かな店の雰囲気に溶け込んでいく。
   
   マスクをした孫を車中に残し、
   予約しておいたテイクアウトのピザを受け取りに店内に入る。
   コロナ騒動で、営業自粛を強いられている店は灯りも落とし、
   ひんやりと冷たい風さえ流れて来そうな雰囲気だ。
   
   予想はしていたが、ここ2カ月の間に見せの雰囲気はすっかり変わり
   8時までの時短営業だが、「ほとんど客は来ない」と、
   ハッチングをかぶり直して自嘲気味につぶやく。
   3名のアルバイト店員もいない。
   
   独り身の彼は、生活費だけがあれば2が月ぐらいは耐えていける。
   だが、店舗の家賃や賃貸マンションの家賃を考えると、
   もう限界だと呟く。
   「明日は緊急事態宣言が解除になるだろう。
    だが客足が戻るにはおそらくあと数カ月はかかるだろう」

   「解除はしたが、三密は守り、人との接触はできるだけ避けるように」
   と、専門家や地域を背負う知事等は注意を促している。
   段階的に営業や自粛の規制を解除するが、2次感染の恐れがないわけではない。
   
   私たちが今置かれている状況は、
   バランス感覚の取れない綱の上に立っているのと同じ状況です。

   コロナウイルスを封じ込めるために「経済を今しばらく停止して、大不況の引き金を引く」
   のか、「疲弊した経済を立て直す」ために、危険なパンドラの箱を開けて、感染の拡大を内
   蔵する扉を開けるのか。
   経済が立ちいかなければ、私たちの生活も立ちいかなくなってしまう。
   つまり、「経済か 安全か」という二者択一ではない。

   感染拡大を抑制しつつ、経済も立て直す政策が今望まれています。

   私的生活の範囲の中で考えれば、「緊急事態宣言」が解除されても、
   当面の間私たちの生活は何も変わらず、
   感染の状況に応じて徐々に自粛の枠を外していく、
   という努力が必要なのではないか。
   二次感染が起きてしまえば、再び客足は遠のき、
   彼のような経済的弱者の息の根を私たちは止めてしまうのだ。

   帰路の車の中で考えた。
   「客足が戻るのに数カ月はかかるだろう」と彼が言った言葉が、
   心に澱(おり)のように沈んでいる。
   彼にとっては、今を生きることが、今日を生きることが大切な峠越えなのだ。
   その一日一日の峠越えを、見守りながら、私は何ができるのだろうと、
   無力な自分が安全の扉の内側に避難し、
   何もしてこなかったことを懺悔(ざんげ)しながら、軽くブレーキを踏んだ。

   信号は赤。
   ピザの匂いが立ち込める車内で、久しぶりの外出に孫たちがはしゃいでいる。
   信号が青になった。
   ブレーキから足を外し、アクセルを軽く踏み、車をスタートさせる。
   あと信号を三つ超えると自宅だ。

   若葉が茂る街路樹の道を車のスピードを上げた。
           三つ目の信号を渡り、小さな踏切を渡ると自宅だ。

   「明日は彼に電話をしよう……」
   
        
             (つれづれに……心もよう№104)
                                 (2020.05.17記)  


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新型コロナウイルス ②-② またしてもトイレットペーパーがなくなった

2020-05-12 08:18:50 | つれづれに……

新型コロナウイルス ②-② 
             またしてもトイレットペーパーがなくなった
    なぜ、トイレットペーパーなのか?

東日本大震災:
 9年前の2011年3月11日に起こった東日本大震災。
 大規模で広範囲にわたって、壊滅的な被害が東日本を襲いました。
 この時は、トイレットペーパーだけでなく、
 あらゆるものが買占めの対象になったようです。
 
 ガソリンは交通網が地震や津波などにより、
 通常の流通を維持することが困難になってしまったため、
 広範囲の地域でガソリンスタンドの前に、長い車の列ができました。
 日用品では、
乾電池 ティッシュペーパー トイレットペーパー  紙おむつ  
 ガソリン携行缶。
 食料品 では、飲料水・米・カップラーメン・缶詰など広範囲に渡って買い占めが
 行われました。
 スーパーもコンビニも商品棚は空っぽだから、一層物がほしくなる。
 とりあえず必要ではないが、予備のために購入する人が多くなる。
 「早い者勝ち」という風潮が蔓延し、我先にと売り場に殺到する。
 買占めに走ることを、「浅ましい」と思いながら、
 多くの人が同じことをやっていると、
 「浅ましい」とか「品位に欠ける」などという感覚は薄れてしまうのでしょう。
 それでも、暴動や略奪に発展しないだけ良しとしなければならないのでしょう。


新型コロナウイルス騒動でもやっぱりトイレットペーパーが……

 今度もまたマスクやトイレットペーパー、ティッシュなどとともに、
感染症対策とは無関係と思われる米、カップ麺、電池などが買占め(?)などにより、
店頭から姿を消したようです(いうまでもなく、
現在ではマスク以外は十分に供給されているようです)。
 
今回の騒動は「トイレットペーパーが不足するらしい」
というデマがSNSて流れたことが発端のようです。
 製造メーカーなどではコスト削減のため、
徹底した在庫管理やデーター分析をおこない、
生産量は近年及び前年の流通実績をもとに厳しく生産管理をしています。
したがって、ある時期過剰に増えた急な需要に生産量が追いつきません。
メディアによる品不足の情報が、
連日報道で繰り返し流されることで、「買占め」を誘発する遠因にもなっています。

 一見平和で穏やかに見える社会も、
大きな社会的な負の出来事が起きると、
実はとても脆い危うさを持っていることがわかります。
日常の生活から逸脱し、非日常の生活にさらされた時、
私たちは混乱し、自分を優先してしまいがちです。
社会的混乱の延長線上に「買占め」という
「自我の優先」という感情が出てしまうのも仕方のないことなのかもしれません。
 もう少し柔らかな表現をすると、
コロナ感染拡大という社会的な非日常の世界にさらされた私たちの不安は
増大していきます。
先の見えないことに対する不安を抱え、
「品薄の商品」を買うことで、
わずかばかりの安心感を手に入れることができるからではないのでしょうか。

 なぜ、トイレットペーパーなのか?

 例えば「米」がなければ「麺類」や「パン」で代替えすることができます。
パンツや靴下がなくても決定的なダメージにはなりません。
しかし、水洗トイレが普及した現在においてトイレットペーパーは代替え品ではまかなえない、
水と同じように絶対の生活必需品なのです。

 買いだめをした人の9割の人が、
「トイレットペーパーが不足する」という情報が「デマ」だと知っていても、
店頭に走った、という調査結果があります。
不安に駆られた人々が店頭に走ったとしても、
その行為を責めることはできないと思います。
ワンロールのトイレットペーパーを得るために、
「品位」を捨てたとしても、
家族というかけがいのない小さな社会を守るために、
店頭に走った行為を責めることはできません。

 必要なことは、「情報」におどらせられない冷静さを持つということだと思います。
メディアが流す「情報」がいつも正しいとは限らないのですから。

 昨日 今日のニュースから
   新型コロナウイルス感染者 全国 1万5905人(前日比+45人)
     東京 4883(+15)  大阪 1751(+1)  神奈川 1178(+7)
  
  ○ コロナ再陽性 全国で35人
     治ったはずなのに、検査で再び陽性になった感染者、全国で35人。
     この感染症が容易ならざる性質を持っていることを示しています。
     感染者の集計の数字は減少の傾向を示し、
     各地で感染対策の緩和が検討されていますが、油断は禁物です。
 
  ○ 理由は再燃か再感染か 「再陽性」について
     検査で陰性と確認された後に再び陽性になる。その原因がわからない。
     ウイルスの特性を理解するにはまだまだ時間が必要なのでしょう。
     
  ○ 学校9月入学 課題山積
     過去に何度も検討しながら実現しなかった経緯があり、
     義務教育の開始年齢が諸外国より遅れる恐れがあり、十分な議論が必要です。

  ○ 児童虐待1~2割増し
     休校や外出自粛が原因ではないか。大人の神経も疲れています。
     我慢を強いられるということは、大人にとっても、子供にとっても苦痛なのです。
 
  ○ ソウル86人集団感染
     感染拡大が沈静化し、行動制限を大幅に緩和した韓国。
     クラブの客を中心とした集団感染。「三密」を犯すことの危険性が改めて確認されました。 


(つれづれに……心もよう№103)            (2020.5.11記
)

 

 

 

 

 

 

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新型コロナウイルス ② またしてもトイレットペーパーがなくなった

2020-05-05 17:42:48 | つれづれに……

新型コロナウイルス ② またしてもトイレットペーパーがなくなった
 新型コロナウイルスが私たちの社会を侵食し始めたころ、の時だった。
 またしても、トイレットペーパーが店頭から姿を消した。
 パニック。買占め。
 買えないとなると、どうしても欲しくなるのが人の常。
 一つよりも二つ、二つよりも三つ。
 買占めが始まり、パニックに拍車がかかり、
 新聞もテレビも同じニュースを連日流すから

 煽られた人たちの心に火が付き、トイレットペーパーの争奪戦が展開する。
 そういえば以前にも同じようなことが……

 オイルショック 1973(昭和48)年のときだった。
 第4次中東戦争をきっかけに石油価格が急に上がり、
 世界経済が大きな打撃を受けました。
 日本でも物価が上がり、モノ不足に。
 特にトイレットペーパーの買い占めが社会問題となりました。
 1973年12月20日朝刊には
 「石油危機 倒産・失業救済へ特別法 助成資金を拡充」の記事が1面を飾っていました。
 低迷する経済を何とか立て直そうという政府の大きな課題だったような気がします。
 特に、自営業者や商工業者の倒産などが多かったようです。
 ガソリンが高騰し、
 スタンドによっては過去の販売実績による割当制を実施するところもありました。

 主婦にとって、生活必需品がなくなるということは、
 とても大変な出来事で、家族のためになんとかこれを確保しようとする努力はよくわかります。
 なりふり構わず、人を押しのけ、早い者勝ちの争奪戦が繰り広げられたのも
 ある面いたし方のないことだったのでしょう。
 ここには人格とか、品位とか、譲り合いなどという感情は胡散霧散し、
 争奪戦の渦に巻き込まれてしまえば、戸惑いや遠慮や他人への配慮などを考えていては、
 獲物を獲得できない敗者になってしまうのです。
 良識をかなぐり捨てての争奪戦です。
 不幸にして獲物を獲得できなければ、
 明日の敗者復活戦に挑むということになります。
 ここに、当時の写真があります。
  (トイレットペーパーがなくなる)
 「争奪戦」と私は書きましたが、写真を見る限りそういう雰囲気はありません。
 この特設会場の人混みの中で、なぜか笑顔さえ浮かべています。
 でも、両手にしっかりと獲物をゲットしています。
 極めつけは、両手に抱え更にあごの下に一個を確保する人もいたと聞いています。
 子連れのお母さんもいて、穏やかで、少しばかり気恥ずかしいのか
 はにかみわらいをしている人の集まりです。
 掲載写真の日付から連想するに、
 「どうやらトイレットペーパーが値上がりし、不足するらしい」
 という話が巷でささやかれ始まった初期のころの写真なのです。
 だから、購入者の顔にはまだ余裕すら浮かんでいたのではないでしょうか。

 当時の朝日新聞の世論調査から、
 人々はどんなことを思っていたか考えてみましょう。

 「世の中、間違ってると思うこと」ではという問いで、
 「買い占め、モノ不足」は4%ちょっと予想外のパーセンテージでした。
 この項目、1番多かったのは「人の心と風俗の乱れ」17%でした。
 さらに、「これからの世の中で一番大切なもの」では、
 「人の和、友情、信頼」が25%で最も多く、
 これに「心、道徳」を上げた人を加えると、35%に達しています。

 物不足や物価の高騰は将来の家庭生活にどのように影響していくのか、
 という不安は当然あるのでしょうが、
 こうした社会不安よりも人の心の在り方を危惧している答えが多くあったことに、
 私は安堵しました。

 「業者の買い占めや、不安にかられた人々の買いだめによって、当時のモノ不足は加速し、
 パニックが拡大しまいました。そんな時だからこそ、人の和や信頼を求めていたのかもしれません」。
 と記者は記事を結んでいます。
                                       (この項つづき)
      昨日・今日のニュースから
    新型コロナウイルス感染者 全国1万5261人(プリンセス号除く)
   
    東京 4654人(新たな感染者87人)

    大阪 1682人(  〃   13人
)
    神奈川1109人(  〃   10人)

                4日 午後9時現在

    人口10万人当たりの感染者
        全国平均 11.7人
          東京 32.8人 石川23.2人 大阪18.9人
          岩手  0人   鳥取 0.5人  鹿児島0.6人 岡山 1.2人
                3日時点、朝日新聞の集計
    
    ○ 緊急事態宣言31日まで延長
       14日をめどに感染状況などを分析し、解除の前倒しを検討する。
    ○ 感染の広がりを長期的に防ぐための「新しい生活様式」が提示される。
    ○ アヒガン治療薬の薬事承認「月内めざす」。 
    ○ 大相撲 夏場所中止、名古屋場所は国技館で。
    ○ 安倍首相会見(冒頭発言)
       緊急事態宣言から間もなく1か月。一時は一日当たり700人近くまで増加した全国の感染者
       数は、3分の1まで減少した。収束に向けた道を着実に前進している。欧米のような感染爆
       発が起きるのではという悲観的な予想もあったが、感染拡大を回避し、減少へと転じさせ
       
ることができた。国民一人一人が強い意志を持って可能な限りの努力を重ねてくれた成果
       だ。

           (つれづれに……心もよう№102)        (2020.05.05記)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コロナウイルスを詠う  疫病に閉じ込められて過ごす日々……

2020-05-02 14:29:25 | 人生を謳う

コロナウイルスを詠う
          疫病に閉じ込められて過ごす日々……

人を避け人に避けられ雑踏の街をマスクとマスクの孤独 
                        …… (福島市) 美原凍子 朝日歌壇2020.03.15
 行き交う人々のほとんどがマスクを掛けている。
 無言ですれ違う人と人。人を避け、避けた私もまた避けられている。
 行きかう人の中にふと垣間見える、孤独。

マスク、マスク、マスク続きてマスクせぬ夫婦に出会い安堵する道
                        …… (東京都) 神山明夫 朝日歌壇2020.02.23
 マスクをする人が行き交う。異様な光景が繰り広げられる。
 「マスクせぬ夫婦」がなんと新鮮に見えることか。
 手作りマスクが登場し結構人気になっている。
 色のついたマスク、花柄のマスク。閉塞感漂う非日常の中で、ささやかなマスクの自己主張。


疑へば全て罹患者バスの中マスクがマスクを監視している
                        
…… (下関市) 牛島正行 朝日歌壇2020.02.23
 乗客同士がマスクで隠した顔の裏側で、
 自分以外の人を罹患者ではないかという疑う自分がいることに気付く。
 SFに登場する「監視社会」を連想し、「コロナ騒動」の不安の一面を鮮やかに切り取っている。

薬局のマスクの棚の空白に薄き不安が積もりてゆけり
                    …… (東京都) 水谷実穂 朝日歌壇2020.02.23
 マスク、マスク、マスク。店頭にマスクがない。
 今日も来てみたがやっぱりマスクがない。心をよぎる「トイレットペーパー騒動」の不安。

 

昼日中一人球蹴る少年の背中に少し怒りがにじむ 
                    …… (中津市) 瀬口美子 朝日歌壇2020.04.26
 少年の背中ににじんでいる小さな孤独、と怒り。
 「コロナ騒動」は、じわじわと押し寄せる波のように、私たちの社会を侵食する。
 長い時間をかけて築いてきた文明社会が、
 意外と脆く、弱点だらけの社会であることを切実に感じる昨今である。
 私たちは、少年一人を護ることすらできない非力な存在であることを痛感する。

ウイルスの世界中の広まりに自分だけはないと考えている 
                        … (さいたま市) 高橋健興 朝日歌壇2020.04.26
 「自分だけはない……」と、居酒屋に行き、パチンコ店に行き、観光地に行く。
 このような心理状態を心理学用語で「正常バイヤス」といいます。
 自分にとって都合の悪い情報を無視したり、
 「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」などと過小評価したりしてしまう人の心の特性
 都合の悪い情報は無視してしまうから、
 コロナに感染した場合、「多くの人に迷惑をかけてしまう」という気遣いまで、捨ててしまう。

疫病に閉じ込められて過ごす日々人間力をためされている        
 
                  …… (相模原市) 三木涼子 朝日歌壇2020.04.26
 そうだ、いま私たちは試されているのだ。
 どれだけ耐えることができるか。「駄目なものは駄目なのです」と、
 自粛や中止や休業をそれぞれの事情を乗り越えて、どうしたら一番有効な封じ込めができるのか。
 自己を犠牲にすることも必要だが、感染の荒波を乗り越えるための政策に沿って、
 一人一人が「ウイルス封じ込め」という目標に向かうことができるかどうか試されているのだ。
 
 どんな攻撃を受けようとも、人間には「英知」という素晴らしい感性がそなわっているのだ。

 

昨日 今日
   新幹線指定席 販売見合わせ。
    JR東日本…東北・北海道・上越・北陸・秋田・山形の新幹線の5/28以降の指定席。
    中央線 常磐線の特急指定席も。

   岩手・盛岡駅…新幹線改札で検温(サーモグラフィーによる)(5/1~5/6まで)
    来県を止める趣旨ではなく、注意喚起が目的。
    感染が疑われる症状がある場合は、相談先も案内。

   沖縄 観光客1千万人割る。

   11月の福岡マラソン中止

   タクシー会社 雇用維持に合意
    ① 従業員を解雇せずに雇用を維持する。
    ② 休業期間中、従業員に休業手当を払う。
    ③ 退職合意書を出した従業員が希望した場合には、合意撤回を認める。

   マスク入荷偽メールに注意

   東京都の感染情報
    4/29、30日  感染者が50人を割った東京都だが、再び100人を超える126になった。
    新たな感染者は、病院内クラスターや老人ホーム等に多い傾向。

    (人生を謳う)        (2020.5.2記)

コメント
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