エボラ出血熱(5) 西アフリカで流行
サイエンス・ノンフィクションの最後は次のような記述で終わる。
『(せん滅作戦で今は無人となり)見捨てられたモンキーハウスの中で、エボラはこの中の部屋に出現しその本性をむき出しにし、飽食した末に、森林に退いていった。いつの日か、それはまた戻ってくるだろう』と。
20年前に出版された「ホット・ゾーン」でリチャード・プレストンが予言したように、
今、西アフリカでは「エボラ出血熱」が発生、拡大、流行し、未だ終息を見ていない。
○ 米タイムス誌は10日、年末恒例の「今年の人」に、西アフリカで大流行が続くエボラ出血熱の治療などに携わった医療従事者ら「エボラ・ファイターズ(エボラと闘う人々)」を選んだ(写真)。
自らを感染の危険にさらしながらも忍耐強く取り組み、患者の命を救い、感染の拡大を阻止することに寄与したことを評価した。
○ WHO(世界保健機構)発表(12/26)
西アフリカ3か国(シエラレオネ、リベリア、ギニア)のエボラ出血熱感染者は19,695人、内死者7,518人となった。なお世界全体では、マリで6人、米国で1人、ナイジェリアで8人が死亡するなど少なくとも7,708人が死亡していると伝えている。
アフリカのエボラ川流域で発生したエボラウイルスの宿主がなんであるか究明されていないが、熱帯雨林に生息するコウモリが媒介すると言われている。バイオセーフティーレベル4に属するエボラウイルスであるが、献身的な人々による治療薬や治療法の確立により2015年に流行は収束するとするとの見通しもあるようです。
(昨日の風 今日の風№14)
(おわり) 2014.12.30