せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

製材へのこだわり2

2012年07月02日 | ものづくり

先のページの続きです。

研修会、別の会場で「木の奥ゆかしさ」というテーマで開催。

こちらは、夜である。行くのは諦めていたのだが「奥ゆかしさ...」という言葉にどうしても魅かれてしまう。

相棒にこどもを託せる交渉が出来たのが、前日夜。夜中のFAXで申込。

朝から、夕食を作る段取りを経て、仕事の後、いざ会場へ。

行って良かった!やはりここへ私は来るべきだった!

答えがありました。

内田祥哉先生が講演の中で、木造の美しさは「肌の美しさと隙間とチリのない納まりである。」と断言下さいました。

そうなのです!

集成材にしてしまうと、木の木肌の美しさが失われてしまうのです。
個性がなくなるのです。

美しさが、、、やはり私は欲しいのだと気がつきました。

そして、個性。

私のこだわりについては、建築家のリレーコラムでちょうど公開されたので、良かったら下記を読んで下さいね。

https://www.asahiglassplaza.net/gp-pro/column/hello/room/topic/707.htm

さらに私が木の建築の良さをあげるとすれば「謙虚さ」

これを表現出来るのは、他の材料ではないでしょう。

日本人の心ですね。「奥ゆかしさ」「謙虚さ」「誠実さ」などなど

表現したいですねぇ。

では、こういった木の建築を創るには、皆さん何が必要だと思いますか?

○材料(良い木)
○職人(大工さんの技)
○設計者の力、想いなど

これらは条件ですね。

どうしたら、製材のこだわりの建築が創れるだろうか...私のつぶやきに、会場で中山章先生が励まして下さいました。ワイン片手なので、ご本人が覚えていらっしゃるかは、分かりませんが、

まずは、

クライアント!!

そう、理解力と資金力と心の余裕(時間)のある方。

大募集中です。

追伸:こだわらなくても、余裕がなくても、素直に木を活かした建築を創りたいという想いの方ももちろんOKです(笑)


製材へのこだわり

2012年07月02日 | ものづくり

どうして私が製材にこだわり続けているのか、自分でもどう表現して良いかなかなかピンと来ていなかった。今日はヒントを得た話を書きます。

まず、前置き。

*製材とは、一本の木のまま使うこと。

*集成材とは、幾層にも薄い木を重ねた材料のこと。

先週の研修会では、集成材だと大断面が造れるので、建築家がその可能性に多いに期待し、これからの採用はどんどん増えると言う予測であった。

実際、建築雑誌を賑わせている今の木造大建築は、ほとんど集成材利用である。

だからこそ、製材で空間づくりをしたい。(←あまのじゃくですね。人に右に習えはイヤ)

有名建築家の集成材の実際の例も見に行ったが、どうしてもバームクーヘンなのだ。これが木なのかなぁ・・・。

木はせっかくあたかも生きているような建築材料。その魂を、生かせないものか。
とちょっと哀しくなってしまうのだ。

そんな話を専門家の方々に告白すると・・・

○好みだよね、最後は。
○集成材の可能性にもチャレンジしたら?
○コストや段取りがね、大変じゃない?

う~む。絶対こだわりなよ!

という返事は無いです。もしかして、いばらの道か?(笑)

オープンデスクのメンバーは、「接着剤が気になります」彼女は、非常にこの辺りに敏感なのだ。健康的な側面で。

そうなの、そうなの。

もっともそこがね。気になるところ。

製材の建築はこの世に何十年も持っている例があるけれど、集成材はまだ無い。
劣化の研究は進んでいるはずだが、接着剤、どこまで持つの?100年大丈夫???

まだまだ、勉強しないとね。

本題のヒントを得た話は次ページで。