せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

震災時のメディア報道の弊害を考える

2016年05月12日 | 熊本便り

↑昨日の地域誌の記事はビジョンが有って、不安だらけの市民にとっては、
その中でも嬉しい掲載記事。

熊本の復興にどれだけこういう視点が入るのかも
気になるところ。

今回の大地震を体験して
メディア報道の弊害も考えさせられました。

1) ヘリの音

阪神大震災の時、報道ヘリコプターの音で
助けを呼んでいる瓦礫の下の人の声が聞き取れず
命を失った方がいると聞きます。

今回熊本地震も、前震、本震とも、また余震の大きな揺れの直後から
ヘリの音が聞こえてきました。もちろん夜中でも。
報道だな。と、耳をすませました。状況確認も大事ですが、
人命救助の妨げにはなって欲しくないものです。

2) 報道の仕方01、ひどい状況ばかりでも困る

あまりに続く被害状況。繰り返される映像にお腹いっぱい。
見ているのが辛くなるほど。怖い体験も思い出してしまう。
特に子どもなど。

被災者が気を紛らわすような
安心感を与えるような報道もできないものかと考えさせられました。

また、被災していない地域でも「熊本」とひとくくりにされて、
購入している商品の配送が打ち切られるという事態もありました。
調査もせずにです。ということが起きるのも、メディアの影響大と思います。

この出来事は、被災地への無意識的な差別的行為を感じました。

これまで、福島の方が、福島出身というと白い目で見られ、
出身を隠すという報道を目にしていて、
実際に被災者側になってみて
その意味が痛いほどよくわかります。

3) 報道の仕方02、良い側面ばかりでも困る

回復している様子ばかりだと、誤解を招く。
良いニュースが出てくると、今度はそればかり。

関東方面から、回復している状況が目に入り熊本はもう安心と思った。
という意見や、

熊本駅でボランティアを受け付けていた窓口の方が、
連休明けてボランティアがガクッと減った。
まだまだ必要なのにと嘆く一面も。

やはり、継続した支援が望ましいですね。

メディアもバランス良く
まだまだなところ。
回復しつつあるところ、

それぞれを報道してもらえたら、
きっと支援する側のタイミングや内容も検討しやすいと思うのです。
どうか、そのような対応を望みます。