せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

今年の木造三昧の学びを、来年も活かします! 〜冬至「一陽来福」を迎えて、兆しを観じる〜

2020年12月21日 | ものづくり


本日は、冬至。
日が暮れるのが、本当に早かったですね。

易経的には、陰の極まり。
冬至の別称は「一陽来福」

つまり、明日より「陽に転じる」、
自然界の転換点です。

もちろん、寒さはこれからが本番。
実際には、立春頃に春を感じます。

易の「一陽来福」とは、変化は感じないが、
「兆しを観じる」ことを説くのだそうです。
(易経一日一言:竹内亜希子編より)

皆さんは、どんな兆しを観じて
準備なさっているでしょうか。。。

今年は、思いがけず、コロナ禍という
世界中で、日常生活が強制的に
転換させられるような年でした。

昨年の今頃は、すでに発生源の地では、
発症していたようです。

日本としては、立春を過ぎてから
だんだんと、情報が明らかになり、
はっきりと全体像が見え始めたのは、
年度の切り替わり頃でしたね。

そういう点では、この時期、やはり兆しはあり、
コロナは陽に(パンデミックへ向かって)
広がっていった模様ですね。
嬉しくは、ないのですが(涙)

自然界の中で、何万も発見されているウィルス。
ワクチンをつくっても、イタチごっこになりそうとの
生物学者の見解は、私は正しいと思います。
(それでも、諦めない開発研究者、医療従事者の方には、感服します)

今、イギリスで変異したウィルスのニュースなど聞くと
1年で、驚くべき成長と、恐ろしくなりますね。

一方で、人類の進化にも欠かせないウィルス。
激動の地球環境の変化に向かって、
人間を試しているのか?!とも思えてきます。
(これはあくまで自論です。エビデンスはありません。)

しかし、建築やは、3次元の世界に生きています。
建ててなんぼ、造ってなんぼです。

災害多発、温暖化に備えた
いえ、それをむしろ抑えるような
モノづくりをしていかなくてはなりません。

そこで、ワタクシの兆し。。。

ずっと叫んできた日本の木を使ったモノづくりが
持続可能な社会をつくる。。。

これが、個人の叫びではなく、
大きなうねりとなってくる来年だと思います。

これまでの学びを、いよいよ具体化していきます。

今年は、外出自粛に伴い
おかげで、たくさんのオンライン講座が受けられました。

今までなら、遠方で参加出来ない講習もありましたが
むしろ、希望した講座は、ほとんど受けられたという
良いおまけが付きました。

木の講座を振り返ってみますと、、、

今年の初めに受けた
板倉構法」の講義は、日本の木をふんだんに使って
都市部にも、内外表しの木の住まいを建てられる
技術と、法的手続きを学ぶ講義でした。

費用面や断熱性に課題もあるため
住まいの一つの方向性として、
MKデザインスタジオ一級建築士事務所の
モデル化を練っています。

そして、次に受けたセミナー、
「なぜ、今、木を使うのか?」では、
都市木造へのチャレンジを促され、

公共工事など大きな施設での「木造のすすめ」や
「都市木造の設計」の講座も受講し、
現況の課題や、工夫点。法律改正に、
気をつけるべきポイントを学びました。

都市木造は、大きな規模には至らないかもしれませんが
クライアントさんと計画中です。
いよいよ、チャレンジですね。
(もちろん、コロナの影響で足踏みも続いていますが)

そして、未だ検討中の事項といえば、、、

これからの
「災害国日本の住まいは、どうあるべきか?」
です。

難問です。

「災害対策の支援相談員の講座」も受講すると同時に

所属する日本民家再生協会で企画した
今年のオンライン連続講座「日本の住まいのなりたち」に、
ヒントを得ようと、頑張って準備し、学んでいます。



建築学科では、西洋建築様式だとか、
古建築の歴史時代年表等は学びますが
木造のなりたち、住まいのなりたちなどは、
掘り下げて、学ぶ機会はありませんでした。

今、まさに学び直し。。。

受講生のみなさんからも、
講座が「面白すぎる」という声多数です。
(アンケートも取ってます)
知らない事も、多いし、目から鱗も。

講師の先生の、これまでの研究の成果を
全部、披露してくださっている
講義でもあるので、本当に驚きの連続です。

そうか、、、日本人は大陸の漢民族に押された
南越の人々が流れてきたのが祖先にいるとか、

そこに、高床式と板倉という
建築様式がもたらされたとか

縄文式の竪穴式住居の原型のようなものが
アイヌの住まいとして、
「北蝦夷図説」に描かれてあるとか、、、

全然知りませんでした。



「間宮林蔵」という冒険家が、まとめたその本。
なんと、図書館で借りることが出来ました。

図の漢字が読めなかった。

冒険家の名前も知りませんでした。
伊能忠敬の弟子で、隠密だったのですね。

あぁ、、江戸期に発行されたというその本は
忠実に復刻されております。

達筆な中表紙

暮らしぶりも示した手書きの図説。
この時代は、筆で墨でしょうか。よく描けています。


過去を学び、現在を知り、
そして、未来の建築、暮らしを考える。。。

もちろん、地球年齢で言えば、
ついさっきが縄文時代なので
人間はそんなに変わっていませんよ。
本質はね。

はやぶさ2のミッション成功のニュースや
自衛隊の宇宙部隊の訓練公開の話なども耳にすると
宇宙での建築まで、想いも飛んでいきますが(笑)

まずは、生きている間に出来ること
目の前の地球上でのことですね。

今年詰め込んだ、知識、情報を、その中で大事な要素を
このお正月に整理しつつ、、、自分自身の想いと
世の中の動向と合わせて、来年も、木のモノづくりを
益々、進めてまいります。

実際、今年は、進んだような、進んでないような
モヤモヤ感も残りました。(大きな災害もありました。)

どうぞ、来年も皆様も、あきらめず目の前の目的、
 目標に向かって、進んでいけますように。。。

変異したウィルスにも、感染しないよう
気をつけて、冬を乗り切りましょう!