昨日は、建築士会主催の木造塾に参加。木造のこと、木のことについて実践的な勉強会。
住宅に使う木は乾燥させてから使う。狂いやそり、割れ、収縮を避ける為だ。
その乾燥の方法には、天然乾燥(一年以上掛ける)方法と人口乾燥(釜に入れて強制的に水分を抜く方法)がある。
現在の住宅の建設スピードでは、そのほとんどが後者である。天然乾燥を使う時は、大工さんも気を遣うし、まず手に入りにくい材料だ。
それぞれにメリット、デメリットあるのだが、今回は人口乾燥にもいろいろあり、一つ間違うと恐いということと、その理由を学ぶ。
人口乾燥については、私も信頼していたのだが、「内部割れ」という現象が起こり、それでは、構造材として機能しなくなる恐れがあるという。その材料が世に出回っているということに、少なからずショックを受ける。
上棟時に入って来た材料は組み上がる前に、現場で確認して来たが、その時に、そのような材料は見受けられなかったので、これまでの監理は問題なかったと思う。一方で、小口(柱等の端部)や表面だけで全て確認出来ているのか、というと自信は揺らぐ。
木材の提供者の乾燥の窯や実際の工場は、独立してすぐに確認に行き、納得のいくものであったし、その時に信頼出来る材木屋さんは、信頼出来る乾燥と学んだ。天然乾燥材を使う時は、現場の監督さんに乾燥具合を計る(計測器がある)ように口酸っぱく言って来た。
が、今回、その計測器(国のお墨付き=大学の研究者などが関わっている)自体にも少なからず問題があることが分かり(木の中までは実は分からないらしい、今回実験してみたので納得)結局、自分自身がより深くこのことを知らなければ、本当に井の中の蛙になっていたかもしれない、と思うと同時に、世の中の専門家もある意味何も知らない、知らされていないのかもしれないと思う。
そして、このことは到底ユーザーは知り得ないことだろう。
人口乾燥の機械をオリジナルで作ったという今日の話し手から、一つの方向性が出されたことには、ちょっとほっとする。
そして、もっと自分自身「?」と思うことは、どんどん突っ込んで行かないとならないと、またまた忙しくなるばかりだなぁと苦笑い。
木の住まいづくりは、真にまじめに取り組もうと思ったら、本当に好きな人間しか関われないかもしれないなぁと想いが遠くなる。
今回のように、そういったまじめな仲間と共に、また一歩本質を見極めて行けたらと願う。