この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

庵野監督のことを見直した『シン・ゴジラ』。

2016-08-08 22:58:30 | 新作映画
 庵野秀明監督、長谷川博己主演、『シン・ゴジラ』、8/7、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2016年26本目。


 この『シン・ゴジラ』、溜まっていたポイントで鑑賞しました。
 必ず観ると決めている作品は前売り券を購入するようにしているので、『シン・ゴジラ』は観るかどうか、事前にははっきりとは決めていなかったということになります。
 なぜ決めていなかったのかというと、理由は簡単、自分は庵野秀明監督のことを信用していなかったから、です。
 だって庵野監督って、テレビ版の『新世紀エヴァンゲリオン』以降、まともに作品を完成させたことがないじゃないですか。
 でも今回『シン・ゴジラ』を観て、かなり庵野監督のことを見直しました。
 何だ、やれば出来るじゃないか、そう思いました。
 でもそう思ったのは自分だけではないはず、、、ですよね?

 自分が『シン・ゴジラ』を観て、いいな、と思ったのはまずは作品の根幹を担っていると言っていい会議シーンですね。
 コント仕立てで笑えました。
 どこがコント仕立てだよ!って怒り出す人もいるかもしれませんが、あれはコントでしょう。
 状況は確かに東京に未知の巨大生物が出没して、死者も数え切れないぐらい出ていて、逼迫したものになっていますが、その中で人々が当たり前の結論を出すのにあーでもない、こーでもないと議論する様はかなり笑えました。

 笑えるといえば、ゴジラの第一形態もそうですよね。
 これは庵野監督、確実に笑わせにかかってるなと思いました。
 あの第一形態の外観を観て座席からズッコケそうになった人も多いんじゃないでしょうか。
 たぶんですが、あの第一形態のデザインには反対した人も多いと思うんです。見ただけで脱力する、あまりにもふざけたデザインだから。
 てもそこを押し切ったのが庵野監督の英断でしょう。
 死を具現化したといっていいゴジラの第一形態が笑えるデザインというのは皮肉が利いていて面白いと思いました。

 他に好きなところは、役に立たないと思われていた臨時の総理大臣が案外役に立ったところとかですかねぇ。『銀英伝』に似たキャラクターがいましたよね。オマージュなのかな。

 あと感心したのは製作費が15億円という極めて低予算ってことですね。15億円っていうと下手すると洋画の大作映画の宣伝費並みじゃないですか。
 よくこれほどの作品でよくそれだけしかかからなかったな、、、と思いますが、実際は逆なんでしょう。
 おそらく、予算額が15億円ということが先に示され、その限られた予算の中で何が出来るのか、庵野監督は考え、そこからストーリーを捻り出した。
 だから、本作においてゴジラは途中から動くのを止めたのではないでしょうか。
 本来であれば庵野監督はもっとゴジラを暴れさせたかったんじゃないかな。
 ゴジラ映画の監督を任され、ゴジラを縦横無尽に暴れさせたくない人がいるとは思えないもの。

 一部でかなり否定的な意見が出ている石原さとみ演じるアメリカ大統領特使もそこまで悪くないかな、と思いましたよ。
 40歳で大統領に云々というのはさすがにリアリティがなかったですけど。

 全般的によく出来ていたと思います。
 庵野監督には引き続き劇場版『エヴァ』の最終章も頑張って作って欲しいものです。
 それは無理だろうと思いますが。笑。


 お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (2)
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