きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

ダートを走るマドノトウゲを越える

2012-10-08 21:33:35 | 近場の異邦人
風は強かったが、それに逆らうようにして山へ向かい、連敗は免れたという感じ。

基本的には、山道は走らない。ただ季節はいい時期かもしれない。蛇や虫は少なくなっているはずだ。強いて云うなら、台風が続いた後なら斜面や路面の心配はしなければならないのと、野生動物が里まで下りてくることも多いようだから、そういうリスクはやはりある。それをどう解釈するかは、その日の気分と天気である。
昨日、ふとしたことからM市近辺の山道をウェブで調べていたところ、いつもいぬのおはかまいりで走る国道とは別の県道って通れるのかと疑問に思い、ググってみた。この道、20数年前に友人の車で、ゴールデンウイークの大渋滞で国道が動かない(当時は高速が通ってなかった)ため、迂回路として地図ではつながっているこの道を行ったのが最初。あともう一回単車で越えた記憶がある。しかし、台風後には、時々通行止めが出ることもあるぐらい荒れた道なので、日々単独ランの儂にとってはやや危険が高く、これまであまり行こうとは思ってなかった。すると、車や単車だけでなくMTBとかでいろいろな方が超えている方が何名かおり、その中でM市内にお住まいと思われるぴょん吉さんというランナーさんのブログに、この峠を越えた記事があった。この記事が約1年と少し前。で、走っていった人がいるなら行けるだろうと思って決行。

しかし、出発がやはり遅い。昨日の動き始めよりさらに遅い時間に家を出ることになり、どうなることかと思いながら、国道を進む。風が強い。帰りはバス利用としてトラブルがなければ夕方までには帰宅できる予定だが。

国道から、峠に向かう県道に入る。稲を刈っている。多分次の週が秋祭りのはず。

この辺は、道路が広い。ダンプやらトラックやらミキサー車やらばんばん走っている。右手はすぐ川で、川遊びの場所もある。

この堰の上を毎年鯉のぼりが泳ぐ。今年はその時期に来てないなと思う。この近くの自販機で「お守り」代わりの飲料一本購入。

御所と呼ばれるところ。この橋の向こうにはまだ行ったことがない。

川も道路も広い。穏やかな感じがする。傾斜は緩やかに上っている。

橋の向こう、以前、犬と蛇に挟み撃ちにあった所に向かう道。

昼過ぎ、空も穏やかで雨の心配もない。但し風が冷たい。大丈夫だろうか。

採石場。稼働しているようだが、今日は止まっている。近くで見ると迫力がある。


少し先、以前小学校だったところ。

この辺りがこれまでで最も奥に来たところ。ここまで来たのは3年ぐらい前かな。ここから先は、ランでは初めての領域になる。

烏ヶ嶽城趾。国道の方にある街道が整備される前は、こちらがメインルートだったみたいな説明が書いてあった(記憶がやや曖昧)。ということは、中世はこちらの往来の方が多かったということか。

河原にはススキ。強い風。

だんだん山の奥らしくなり道幅も狭くなるが、まだ終点ではない。

と、思ったらさらに道幅がせまくなり、川を渡るとバスの終点だった。

道はここから二叉に分かれている。

四輪バギー(小型特殊で乗れるヤツ)積んできた若い連中がバーベキューをしている。休憩とか取らず目指す方へ向かう。ここには自販機とかなかった気がする。

予想していたとはいえいきなりこんな感じ。

水の量が思ったよりあって靴を濡らす。声が出る。
ここで、携帯が圏外になっていることに気付く。写真は50枚ぐらい撮った感じだが、電池残量の目盛りが一つ減る。もうすぐ2年だからなあ。

山道をさらに進む。二叉に分かれている。標識はない。何となくこちらかなという程度の判断で進む。

川が近くなる。

と思ったら再び沈下橋状態(道の手前には「沈下橋がある」と看板があったがこれのことだろうか)。河原に降りてジャンプする。

見事成功。足を捻ることもなく。さらに進む。

段々と道が荒れ川が迫る。でも道の荒れ具合は、峠を越えた側の方が酷いと聞いているが。
遠くに山が見える。

再び二叉。予想以上に迷う。

左に行くと川に出たようだ。

さらに山奥。こんなとこ早朝夕方は遠慮したいぐらい山の奥。

山の斜面も、結構荒れている。

とはいえそれでもここまでは舗装されていた。ここからいよいよダート。

ダートになって何が変わったかというと、標高が高くなっているのに汗をかくようになった。それから、写真を撮る余裕がなくなった。実をいえば、ここからが思ったより長くて、結構気持ちのゆとりはなかった。まだかなまだかなと思いながら、観光案内板の最後に記されてあった何とか化石の碑に着く。

昔々、ここは海だったとか。貴重な化石だが、周りを見てもどれのことだかさっぱり分からん。
道はこれも思ったより傾斜があり、時にくねくねと曲がる。

林道の分岐。これは表示があった。

で林道側。北側の山の登山道にもなるようである。

目指す峠側。

表示がなければどちらがメインか迷うだろう。
で、植林地帯を抜け、林道の分岐を眺め、ようやく峠にたどり着く。バスの終点から30分余り。でも時間以上に長く感じた。
峠には、地元FM局の中継塔(?)があり、反対側にこの地域の名士の功徳碑があった。

こちらは展望が開けていた。ガードレールのない道からそっと覗くように眺めてみる。

結構高いところまで来ていた。びっくりする。後で調べると標高600メートル以上。
ダートにはなっていないが、傷みの激しい道を進む。下り坂でしんどくはないがその分気をつけて走る。斜面側は落石が、路肩側は転落が怖い。

ところどころで遠くの麓の景色が顔を見せる。

まだ陽は高い。

峠を越えた安心感だからか。この辺りは植林されている山のようだが、ところどころ「激しい」光景を目にする。

くねくねとした道。さらに高度を下げる。この間オフロードバイクが一台通っただけ。

杉(檜?よく分からん無知だな)から竹林のような感じになる。

もうすぐかなと思ったら、展望が開けた。

手前の黄色はセイタカアワダチソウ。まあ、そんなもん。
で、すぐに道が広くなった。こちら側は、結構山の方まで民家がある。みなさん山仕事畑仕事野良仕事。

さらに国道を目指す。
ここからも結構長く感じる。M市と山を隔てて反対側に広がる平野の山裾は扇状地になっていて、国土地理院発行の地図で見れば果樹園の記号が多いことが分かる。柿、栗、キウイ、蜜柑等々。さらに降りると、畑や田圃が混在し始め、お茶畑などもみられる。国道までもう一踏ん張りというところ。川で「お守り」を開封。

約4時間近くここまで補給一切せず。この点はよく頑張った。

国道に出てバス停近くのコンビニで235円セット。

たぶんあっちの方走ってきたんじゃないかと思うがよく分からんかった。

ここからは風は追い風になるが、バスで家路につく。

距離自体はたいしたことはないのだが、車で走るよりも、単車で走るよりも、強烈な峠越えだった。ダートは心細い。人間の器の小まさがもろに出るなあと思った。