1日の終わりに ~森真理マンドリン教室~

マンドリンと共に暮らす日常のあれこれを、ほぼ毎日綴っています。

グループレッスンと個人レッスン

2012年02月15日 | Weblog
「音楽講師の始め方続け方」宮脇俊郎著 を買いました。
もっと早く読んでおくべきでしたが、気付いたのが今なので仕方ない。
もう始めてずいぶんたってしまいましたが、参考になる点は多いです。

特に、「クレームの原因と対処」。
私自身日々気になっていることが、具体的に書いてありました。
楽器の種類によらず、起こりうる問題点というのはだいたい共通しているものなんですね。

生徒さんはいろいろな人がいるので、ときにはこちらが当惑するようなことを言われることもあります。
かなり痛手に感じたこともありました。
折り合いがついていい方向へ向かえばいいですが、そうでないときも。

困るクレーム(というか愚痴?)のひとつは、

「ぜんぜん弾けるようにならない」

です。

レッスンに通うだけで、魔法のように楽器が弾けるようにはなりません。
私がそばについているのは1ヶ月のうちのたった2時間(自宅教室の場合。30分2回レッスンの教室もあります)。
それ以外の時間をいかに自分で練習するか、が大事なんです。
レッスン以外はほぼ弾かないで、不満を言われても・・・・。
やる気を引き出せてない、ということに関しては、教える側の問題なのかもしれませんね。

自分自身、難しいと感じているのがグループレッスンです。
教室側としては、効率がいい一斉授業。
受講料も低く抑えられるので、生徒の金銭的負担も少ない。

でも、裏返せば、講師が生徒ひとりひとりに割く時間は少なくなります。
そこを割り切って来てもらわないと、「面倒みてもらえない」という不満につながってしまいます。

ヨガやエアロビクスのレッスンのように、先生が前で見本をやって、全員がそれを見て一斉に運動する、という方法が取れればグループもいいと思うんですが、楽器の場合は難しいですね。
走ったり歌ったり、というのは、上手下手はあるにしろ、誰でも(一応)できることです。
個人個人の出来栄えにこだわらなければ、とにかく1時間ずっと活動(演奏)できるわけです。

それが、楽器や道具を使うスポーツだと、まずその扱い方から教える必要があります。
それも全員がまったくの初心者ならまだやりやすいのですが、既存のクラスにたまに初心者が入る、という場合、一斉授業はできません。
全員が初心者だとしても、楽器の場合、今までの音楽歴などによって理解度に大きな差がつきます。

そんなわけで、グループレッスンでも個別指導をすることになります。各自の進度に合わせないと、誰にとっても消化不良になるからです。
前述の本の中では、具体的にその個別対処の方法が書いてありました。

1時間で5人のグループレッスンの場合
・ひとりにつき2分アドバイスして一巡すると10分
・それを5セット
・生徒にとっては2分アドバイス×5回で10分

こうやって時間きっちりできればいいですが、実際問題1人に1回2分ってことろが無理です。
教則本の課題ひとつも弾き終わらない。
もし生徒全員がきっちり練習してきていて、さらりと弾けたら可能かもしれませんが、何度もつっかえたら予想外に時間が取られます。
かといって部分だけやって終わらせるわけにもいかないし。
書いてきたお習字に赤を入れるような感じなら2分でもできそうですが。
発表会の準備で独奏曲をやっている場合、本当に時間が足りなくてジレンマです。
グループレッスン内で独奏曲のレッスンをやること自体が、無理といえば無理なんですね・・・。

とにかく5セットなんてとても無理で、2セットがせいぜいです。
それも全員同じ分数にするというのが難しい。
タイマーをセットするとか、何か工夫をしないとこのままでは立ち行かなくなりそうです。

グループは、レベルがかけ離れていなければ、楽しい面もあるんです。
生徒同士の交流もできますし。
ただ、まったくの初めての方は最初の3ヶ月くらいは個人レッスンがお勧めです。
とはいっても、グループ内の人数が少なければ手厚く見ることも可能です。
参加人によっては、実質、30分個人レッスンと似たような状況になる可能性もあります。しかも受講料はかなり安く。
結論としては、お問い合わせください、というところです。

私が教えているグループレッスンは、東急セミナーBE青葉台校と、有隣堂戸塚カルチャー。
今後新規でグループレッスンは開講しない方針です。

グループにしろ個人にしろ、結局のところ、本人の努力と上達度は比例します。

コメント (2)
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