閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

コリングス

2015-11-05 06:44:37 | 閃き
コリングスと聞いて、ピンと来る方は相当な通である

コリングスとは創設者のビル・コリングスが作ったギターメーカーである


コリングスは1976年当時から、ギターで有名なマーティンやギブソンなどの古いギターのリペア(修理)に従事していたが

1988年にリペアで学んだ知識を元に、例え新しい材料で作ったギターでも古いギターと同じ様な音色がするギターづくりに拘っている


バイオリンで有名だが、木製弦楽器は古いものが高値で取引されるのは、長年に渡る演奏によって最も良い音を奏でる様になる為である

その要素は、作り手の技法と構造、そして材質である

特に材質に於いては絶滅危惧を懸念してワシントン条約で輸出入禁止になっているものさえある

これらの要素を持った楽器は年代を経て演奏されながら、特徴を持った音色を奏でる魔法の楽器へと変身を遂げる

演奏家の中には、より良い音を求めて良い楽器に巡り会う事が一流の証となっている


最近ではこれらのコレクターと称する者が現れ、投資の一環としても考えられているようだが、楽器は演奏してなんぼなのであるので、只綺麗な状態だけでは満足できない

しかし、アマチュアは違う

演奏もするだろうが、それらの持つ価値にあこがれを抱いているので、女性がブランドものに憧れるのと同じである


さて、そろそろ本題に入る

妻とフラリと入ったショッピングセンターの中のテナントに楽器店があった

地方の楽器店にしては品揃えが多かったので、妻の買い物に付き合うよりは好きな楽器でも眺めてみようと入店した

その中に、一際目を引くギターがあった

それがコリングスのギターであった

店員はにこやかに近づいてきて、「弾いてみますか?」と声を掛けてくれた

個人的にはコリングスのギターは話には聞いていたが弾いた経験は無かったので、良い思い出にと弾かせて頂いた

そして驚いた

今までに経験の無い美しい音色を奏でるギターだった

調子に乗って、マーティンやギブソンも弾かせてもらったが、比べものにならなかった

そして、その音色が忘れられなくなった


そのギターはなんと今、自室の中に置かれている

毎夜毎夜、少しの時間を惜しんで弾いている

夢のようなお噺である
コメント
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