閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

水耕栽培

2015-11-12 09:40:40 | 閃き
経済団体の部会研修で水耕栽培の研究所へ訪問した


水耕栽培といってもピンとこないと思うが、実は大手家電メーカーを始め大企業がこぞって参入している分野である

水耕栽培と言っても完全密閉式と太陽光利用型に分けられる

太陽光利用型は苺で既にお馴染みになっているが、温室の中に水槽があり、その水槽に栄養素を含ませた溶液を浸して根を張らせて育成するという方法である

温室栽培で土の代わりに水を使っているといったら判りやすいかも知れない


一方完全密閉式は文字通り閉鎖された空間にして太陽光の代わりにLED照明で光合成をさせる方法で、室内の温度、湿度、照明時間などもコントロールできる

最も進んだものは苗をセットした水槽が収穫する迄の期間(例えば80日とすると)を掛けてゆっくりとメリーゴーランドの様に移動して80日後に出てきたものを収穫し、空いた水槽に又、苗をセットするという仕組みになっている

例えば、1日当たり1000株の葉物野菜を収穫するとした場合、合計で80日×1000株=80000株を育てている事になる


水耕栽培のメリットは天候に左右されず、完全密閉しているので害虫被害も無い為、農薬を使用しなくて済むので、安心して食べることが出来るのと、気候に左右されないので毎日安定した収穫が見込めることである

それに、立体駐車場の様に空間利用が出来るので、耕地面積を容易に増やすことが出来る

例えば路地栽培の場合1000坪の広さの畑があったとするとその面積を10段分にして空間を使用する事が出来るので、実際には10000坪分の面積で作るのと同じになるので、土地の少ない日本にとっても有利な農法なのである


こういった野菜工場で栽培された野菜は太陽の光を浴びていないので、野菜本来の栄養素とは違うのではないかと言う意見を耳にする

例えば鶏肉は、暗く狭いゲージに入れられ只、餌を食べさせて歩くことも出来ない状態で立たせたまま育成させるので、所謂、放し飼いの鶏とは全く違っている

しかし、鶏肉が安価で購入出来るし、管理すれば病気から隔離する事も出来るので安心して食べることが出来るのは周知の事実である

鶏肉を本来の飼育方法で無いからと、健康的に育成された鶏肉しか食べない方以外は、ご理解頂けると思う


更に、機能性野菜と言って、例えば病気である成分を摂取してはいけないと指導された時、食べられない野菜が多くある

しかし、水耕栽培の養分調整によって、その成分を極端に少なくさせた野菜ができ、そういった患者にも気にせず食べることが出来る

こういった野菜を機能性野菜と呼び、既に病院関係を初めとするところで使われている


病気になって食事制限をされる苦しみは、当事者で無ければ判らない

健康であることの実感は、好きなものを食べられることなのである

今年の夏、露地野菜は高騰したが、スーパーでは葉物野菜がいつもの価格で購入出来たものが水耕栽培のものである

水耕栽培の野菜は路地野菜の価格に左右されない証である

詰まり、我々は既に水耕栽培の野菜を食べていると言うことだ


しかも日本の水耕栽培技術は世界トップクラスという

世界の人口が90億人になるという予測もあり必ずや食糧危機がくるというが、水耕栽培がその解決法を握っていると想っている
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