閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

人の半生

2016-02-18 07:27:24 | 閃き
経済団体の県連会議があり事務局の専務理事と2人で参加することになった

朝、待ち合わせて専務のお車に乗せて頂いて会場へ向かう

片道2時間程の場所にある街の会場まで叔父さん2人のドライブである

専務は私より6歳程先輩である

今まで余りお話しなどしていなかったのだが、会の運営のお話しとか、役員の裏話など専務の方からお話し頂いて会話が弾んだ

以前の職場を定年退職され、その後請われて当会に専務として勤められて6年目になるが若々しい人柄からは同じ年格好にも見える程である

いつしか専務は自分の身の上話を話されていた


専務は家の事情で定時制高校へ働きながら行っていたが成績優秀なので担任の先生から地元出身の大物政治家の書生として東京へ行き大学へ行くことを薦められた

上京し有名大学に見事合格して弁護士を目指して勉学に勤しんだ

しかし、時は安保法案に紛糾した時代、大学生だった彼は否応なく学生運動に巻き込まれて行く

お世話になった政治家によって学生運動から請け出したが弁護士にはなれずやむなく教師として市立女子高校で教鞭を振った

その時、税理士資格の取得を希望し学んでいた為に学校経理の仕事をする様になり、いつしか教員から経理の道に入って行く…

これ以上は詳しくは個人情報に拘わる為差し控えるが、専務の半生を知る事になった

その中で、奥様への愛情や感謝の気持ち、今は報酬よりも仕事のやりがいを重視され、後進への引き継ぎと会の財政を鑑みた身の振り方は中々出来るものでは無いと感心した


毎朝、仏壇にお経をあげ手を合わせる姿勢の中には自分の生きてきた証と言える信念のようなものを見いだしていた

遂に往復の4時間に渡る講演会であったが、私なりに大いに学ぶところがあった

専務はこんな話を他人にしたことは無いと言い、多くの人はこういった話を嫌うと付け加えた

先人のお話を聞くことは未経験の立場からしても疑似体験したことに通じ、今後の参考になるので聞いて損は無いと思っている

聞いた事柄を実践するかどうかは自らの判断であるし、ある岐路に立った時の判断材料の1つとしても重要である


人生の長い時間のほんの4時間、こういった経験をするのも貴重なことだと感じた