閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

閉店ガラガラ

2016-02-25 07:28:04 | 閃き
私の知り合いの山家のとある酒屋さんが今月一杯で閉店するという

丁度、その近くを通ったので立ち寄る事にした

同乗していた妻の情報だと、閉店セールをやっていて、なんと全品半額セールなのだという

これはラッキーだと感じてハンドルを向けたという訳である


もう既に閉店しているかも知れないと言う妻の言葉に不安がよぎるが、駐車場から観る店内には未だ明かりが点いていた

車を止め、店内に入ると老夫婦がなにやら購入して支払をしていた

コンビニ形式になっているので、入り口には雑誌や小物類、置くにはドリンクの冷蔵庫、棚にはスナック菓子やカップ麺、奥の棚には酒類がビッシリ並んでいる筈だと、記憶を頼りに歩いて行く

しかし、どの棚も既に綺麗さっぱり何も無い状態

特に酒類は一本も無かった


丁度、奥の酒の棚の前で年老いた店主がスピリットの瓶を並べていたので挨拶をした

顔見知りの店主は私に「店を閉める事にしたので、もう何も残っていないんだよ」と寂しそうな顔をして私にしゃべり掛けた

私は閉店の理由を聞かずに、「長い間ご苦労様でした。これからはゆっくり休んで下さいね」と告げると何も買わずに店を立ち去った


酒類は専売であるので、何処でも販売して良い訳ではない

古くは地域割に権利を持つ商店のみに販売が許されていた

その方法は塩やタバコも同じである

しかし、規制緩和も伴いコンビニやスーパーなどでも購入できるようになってしまったので、めっきり客足が遠のいた

サザエさんのように、酒屋さんは毎日ご用聞きに各家庭を回り、酒やみりん、醤油、塩、味噌など販売していたが配達していたものだ

それが最近では車で便利なコンビニやスーパーで購入するので配達する事も無くなり、店に足を運ぶ客も減ったのである


これも、時代の流れ、変われなかった個人商店の末路であるのだが、本当に寂しい気がしている

近所のお年寄り達も悲しんでいるというのだが、閉店したらしたで対応するのが世の常

厳しい現実を目の当たりにした
コメント
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