とても中休みの長い今年の梅雨である。
例年だと、とっくに梅雨明けしている南西諸島なのに、まだ居続けている。
夏至を過ぎて、田植えが終わっていない田んぼは、僅かしかない。
田毎の月ならぬ、夕日が田んぼに映り込んで美しい。
まだ昨日今日の田植えなので、植えられた苗も水面にちょこっと顔を出している程度。
そんな田植えの終わったばかりの田んぼに、もうタニシが居た。
(タニシ)
ついこの前まで、田んぼではなくて麦が植えられていたり、雑草ばかりの土地だった。
水が張られてた途端に、もう顔を出すこの逞しさ。
多分ジャンボタニシの子供だと思う。
南方から、食用として持ち込まれ野生化したこれまた駆除対象の外来種。
ジャンボ過ぎると、土に潜れないので寒い日本の気候では越冬できない。
生き残るのは、こうした土に潜れる小さいもので、暖かくなると顔を出す。
(ジャンボタニシの卵)
用水路の擁壁などに、卵を産み付ける。
水の中では生きていけないそうで、水面上でしかも満水時でも浸水しない程度の高さに卵を産みつける。
もうしばらくすると稲が伸びて、茎が分蘖して逞しくなる頃には、稲の茎の水際より高い位置にも卵を産み付ける。
薬剤散布もままならないご時世なので、駆除は水の中に削ぎ落とすのが一番だとか・・。
ただ、素手で取り扱ったりするのは害があるそうで、なかなか厄介な生き物ではある。
陸上・水際・水中動物あるいは植物でも、人間の事情で持ち込まれて野生化したものは多い。
沖縄の果物等が本土進出が出来るまでの、検疫態勢や農家の協力・努力は、意外に知られていない。
生態系を言うのなら、もう少し動植物の移入には意が用いられて然るべきではないかと。
ジャンボタニシや、オオキンケイギクなどを眺めつつ、考えた振りをしている昨今である。
「ややこしい蚯蚓蛞蝓蜻蛉蝌蚪」・・・・しろ猫