白雲去来

蜷川正大の日々是口実

親ロ派の真骨頂、鈴木宗男氏の論文。

2022-03-05 16:27:34 | 日記

2月24日(木)晴れ。

ロシアがウクライナに侵攻した。アメリカのバイデン大統領が数日来、「近日中にロシアは必ずウクライナに侵攻する」と言い続けて来たことが本当になったのだ。日本のロシア通と言われている人たちの多くも「ロシアの侵攻はあり得ない」と言い、「ある」と断言した人は少なかった。私は、ロシアとウクライナの政治情勢に関しては、ほとんど無知である。従って、ロシアとウクライナのどちらに正義があるのか確信はない。しかし、現代において他国の領土に武力をもって侵攻するなど、いかなる理由があるにせよ許されることではない。「平和ボケ」しているといわれても仕方がないが、日本人の多くが「まさか」、「本当にやったのか」と驚いたと思う。このブログを書いているのが3月5日である。ロシアのウクライナの侵攻から9日、ニュースで伝わってくるのは、ウクライナの人たちの悲劇的な映像ばかりである。そして国連に加盟している多くの国がロシアの蛮行に抗議している。残念ながウクライナの今日の悲劇は、明日の日本の姿かもしれないのだ。

ご贈呈を頂いている、理論的な保守系雑誌『月刊日本』の3月号に、「親ロ派」との評判の高い鈴木宗男氏が「ウクライナ問題ー戦争の危機を煽っているのは米国だ」という原稿を寄せている。締め切りの関係もあって、ロシアがウクライナに侵攻する前に入校したものだろうが、ほとんどロシア擁護の原稿であり、今となっては正に噴飯ものである。少々長くなるが引用させて頂く。

「ロシアにウクライナ侵攻の意思はないー昨年末以来、ウクライナの国境地帯に十万人のロシア軍が終結し、ロシアがウクライナに侵攻するのかどうかという問題が世界の耳目を集めている。それでは、ロシアは本当にウクライナに侵攻するのか。そもそも今回の緊張を引き起こしたのはウクライナである。同国のセレンスキー大統領は昨年十月、ロシア系住民が多いウクライナ東部の紛争地で初のドローン攻撃を行い、紛争をエスカレートさせかねない危険な行動に出た。この事態を受けて、ロシアはロシア人を守る自衛措置として軍隊を集結させたのだ。ロシアは自らウクライナに侵攻しようとしているのではなく、ウクライナの行動に対応しているだけである。

実際、ロシアのプーチン大統領は昨年十二月に年末恒例の記者会見でロシアは軍事侵攻を望んでいないと明言しており、今年一月にもラブロフ外相が『ロシアの側から言えば戦争はない。われわれは戦争を望んでいない』と述べている。ロシアは昨年来、繰り返し侵攻の意思はないと表明しているのである。それにもかかわらず、『ロシアがウクライナに侵攻する』と盛んに主張しているのがアメリカである。一月十九日、ハイテン大統領は『私の予測では彼(プーチン大統領)は侵入するだろう』と、ロシアはウクライナに侵攻するという認識を示した。ハイテン大統領は一月二十七日に開催されたアメリカーウクライナ首脳会談でも、『ロシアが2月にウクライナに侵攻する確かな可能性がある』という認識を示した。(中略)ロシアは侵攻しないと明言している。ウクライナも侵攻されないと考えている。ところが、アメリカだけが口シアがウクライナに侵攻すると騒いでいる。戦争の危機を煽っているのはロシアではなく、アメリカなのである。ロシアやウクライナには、いたずらに戦争の危機を煽るハイテン大統領が『狼少年』のように映っているのではないか。ところが、イギリスはアメリカと一緒になって戦争の危機を煽っている」。興味のある方は、是非『月刊日本』をお読みください。

理屈に合わないことを、権力によって無理に押し通すことのたとえに、「鹿を指して馬と為す」がある。どこかの国の指導者の顔が浮かぶ。


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