スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典兵庫ゴールドトロフィー&スピノザという暗号

2012-12-26 18:42:26 | 地方競馬
 今年もJRA勢が軒並み重いハンデを課せられた第12回兵庫ゴールドトロフィー
 先手を奪ったのはティアップワイルドで,コスモワッチミーが外に並びました。内にスーニ,外がセイクリムズンでダイショウジェット,オオエライジンという並び。この距離では異例といえるくらいのスローペース。
 向正面でオオエライジンが外を進出。ただ,コーナーも外を回ることになり,4コーナーでは2番手まで上がったものの大外へ。楽な逃げだったティアップワイルドはまだ余力があり,直線は後ろを離していって3馬身半差で快勝。直線で瞬発力を発揮したダイショウジェットが2着。力尽きたオオエライジンは1馬身4分の1の差で3着。
 優勝したティアップワイルドはこれまでオープンでは4勝していましたが重賞は初制覇。そのオープン4勝と重賞での2着2回はいずれも1200mで,典型的なスプリンター。ここはスローペースで逃げられたこともあり,距離延長を克服しました。休養明けを除けば1200mではほとんど崩れていない馬ですから,また重賞を勝つというシーンもあるのではないかと思います。母のはとこに1999年のTCK女王盃を勝ったケープリズバーン
 騎乗した石橋脩騎手,管理している西浦勝一調教師は兵庫ゴールドトロフィー初勝利。

 まず最初に,田島俊樹が『スピノザという暗号』の中で表明している見解を紹介します。
                         
 この本はその題名が僕には非常に魅力的なものに感じられ,そのゆえに読むのもとても楽しみにしていました。しかし実際に読んでみますと,これは僕が事前に想像していたのとは全面的に異なる内容をもつものでした。
 スピノザは自身の哲学的見解,また宗教的見解や政治的見解というものについて,それをだれにでも明らかになるような形としては表明せず,むしろ二重言語とでもいうべきものを駆使することによって,理解できる人にだけ伝えるような方法を採用したという考え方があります。僕は田島の著書の題名をみて,そうした観点からスピノザの哲学,あるいは哲学には限らずとも,ある考え方を読解するような研究書ではないかと想像したのです。しかしこれは僕の思い込みにすぎませんで,この本はそういった内容のものではありませんでした。もちろん僕の勝手な思い込みですから,それが裏切られるような結果となっても大して驚きはしません。ただ,この本は本質的にはスピノザの思想について研究した書物ですらないということは,僕にも意外でした。田島がこの著書で示したかったことは,自分自身の哲学的見解であって,スピノザの哲学はそのために利用されている,これは悪い意味でいっているのではなくて文字通りに利用されているだけです。
 この著書における田島の見解に関しては,僕は大きくふたつの点で疑問を感じます。ただそのうちのひとつは,田島の哲学がスピノザの哲学と乖離していくその分岐点に関わるもので,僕は田島自身の哲学に関してはそれを云々するつもりはありませんのでこれについてはこれ以上は言及しません。もうひとつは人間の精神mens humanaのうちにある十全な観念idea adaequataと混乱した観念idea inadaequataとの関係であって,これは福居純の『スピノザ『エチカ』の研究』が依拠したという,ドゥルーズGille Deleuzeの読解と関連します。僕の理解では田島の読解はドゥルーズよりなお先鋭的なのであって,たぶん福居はこの見解は否定することになるのだろうと僕は理解します。しかしこれについてはいずれテーマとして設定して考察することにします。

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