スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

報知盃東京記念&発生の意味

2011-09-14 20:45:56 | 地方競馬
 上位拮抗のメンバーの上に数少ない長距離戦ということで馬券的には難解となった第48回東京記念
 事前のコメントから察すると不本意だったと思われますが,逃げたのはキングバンブー。1周目の正面でペースを落とし,内からシルクコンダクターに行かせるようにようやく2番手に控えました。最初の1000mは64秒8の超スローペース。マズルブラスト,テラザクラウドなどがその後ろの集団を形成。向正面からボランタスが外を上がっていき,これに呼応するようにマズルブラストも動き,3コーナーを過ぎるとシルクコンダクター,キングバンブー,マズルブラストの3頭はほぼ雁行。
 直線に入るとマズルブラストがまず先頭に。これを外からボランタスが追い,その間を割ったのがテラザクラウド。直線半ばからこのテラザクラウドが一気に伸びて抜け出し,3馬身突き放して優勝。2着は最後まで競り合いになりましたが,内のマズルブラストが確保。ボランタスが3着。
 優勝したテラザクラウドは昨年はクラシック戦線でそこそこ走り,今年の4月から条件戦を4連勝してここに臨んでいました。優勝候補の1頭で,課題は相手関係と距離。しかし両方とも克服しました。この路線の上位馬を降した上に,まだ若い4歳馬ですから,今後もかなりの活躍が見込めるであろうと思います。父はゴールドアリュール。従姉の子に一昨年のシルクロードステークスを勝ったアーバンストリートと今年の北九州記念を勝ったトウカイミステリー
 騎乗した川崎の今野忠成騎手は6月のグランドマイラーズ以来の南関東重賞制覇。東京記念は2006年以来の2勝目。管理している大井の荒山勝徳調教師は騎手時代に制したことがありますが,調教師としては東京記念初勝利です。

 ここで問題となってくるのが,事物がほかのものの観念に依拠しなければ十全に認識され得ない場合に,それがどのように説明されるべきなのかということです。
 第一部定理二八は,具体的な意味としては,個物Aが発生する原因はほかの個物Bであり,その個物Bが発生する原因はまたほかの個物Cであり,この個物Cが発生する原因はまたほかの個物であるDである,といった具合にして,無限に連鎖していくということを示しています。このとき,Aを十全に認識するために必要なことが,AからB,BからC,CからDというように無限に連鎖していくその連鎖のすべてであるとすれば,結局のところAを十全に認識することができるのは無限知性だけであるということになるでしょう。いい換えれば,人間の知性というのは有限ですから,それを十全には認識することが不可能であるということになります。ところで個物の無限連鎖というのは当然ながらどの個物にも妥当します。いい換えれば第一部定理二八はすべての個物に妥当しなければなりませんし,第二部定理九というのはすべての個物の観念に妥当しなければなりません。したがって,ある個物の発生の原因という場合に,その原因をこうした無限連鎖の全体であると主張することは,事物の定義は定義された事物の発生を含まなければならないという言明を,人間は自己原因であるものについてはそれを定義することができるけれども,自己原因ではないようなもの,ここではそれを個物とみなしていますから,個物についてはそれを定義することが不可能であると理解することと同じなのです。
 僕自身は,そのようにいうことは,それ自体で不条理であると考えます。ただし,これについてはそうであるとはいえないのではないかと考える方もいらっしゃるのではないかと思いますから,それをここで強硬に主張することはしません。ただ,少なくともスピノザ自身は,定義された事物の発生ということに関して,それが個物の定義に適用される場合でも,無限連鎖の全体の認識であると含意していなかったということは,このことから明らかにできたと思います。
 したがってスピノザがいう発生の原因とは,たとえば上述の例なら,Aに対するBだけであって,CやDなどそれ以外のものは含んでいないと考えてよいでしょう。

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