スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典関東オークス&第四部定理四七証明

2024-06-13 18:58:46 | 地方競馬
 昨晩の第60回関東オークス
                                        
 アンデスビエントがハナに立つと,競り掛ける馬はなく,メイショウヨシノとイゾラフェリーチェとミスカッレーラが2番手で併走。3馬身差でクリスマスパレード。シンメブルースとグラインドアウトが並んで続き,2馬身差でスピナッチバイパーとプリンセスアリーが併走。2馬身差でローリエフレイバー。アンバーシュガーは大きく引き離されて発馬後の向正面を通過。2周目の向正面に入ったところでミスカッレーラが単独の2番手となり,3番手にイゾラフェリーチェ。その後ろはメイショウヨシノ,グラインドアウト,プリンセスアリー,クリスマスパレード,ローリエフレイバーの5頭。ハイペースでした。
 3コーナーでも逃げたアンデスビエントは手応えが楽。ミスカッレーラが押してついていき,内を回ったグラインドアウトが3番手に。外を回ったのがローリエフレイバーでグラインドアウトを追ってプリンセスアリー。直線に入ってもアンデスビエントの逃げ脚は衰えず,後ろを離していく一方となり,楽に逃げ切って優勝。グラインドアウトとミスカッレーラで2着争いとなりましたが,2番手で食らいついていたミスカッレーラが最後まで死守し,7馬身差で2着。グラインドアウトが半馬身差で3着。
 優勝したアンデスビエントは重賞初挑戦での優勝。前走の1勝クラスを3馬身半差で快勝していた馬で,例年のこのレースでは優勝候補。ほかにもJRAの2勝馬がいましたが,メイショウヨシノは短距離を使っていて,クリスマスパレードはダートが初めて。イゾラフェリーチェは未勝利はダートで勝ったものの1勝クラスは芝で勝ったということもあり,それぞれ対応できなかったためアンデスビエントの圧勝となりました。現状は逃げるレースがベストですが,タイムは優秀なので,古馬相手でも通用する要素はありそうです。祖母の父はキングカメハメハ。母は2019年にブリーダーズゴールドカップレディスプレリュード,2020年にエンプレス杯を勝ったアンデスクイーンで7代母がレディチャッター。Vientoはスペイン語で風。
 騎乗した田口貫太騎手はデビューから1年3ヶ月で重賞初制覇。管理している西園正都調教師は関東オークス初勝利。

 不安metusに苛まれるよりは希望spesに胸を膨らませる方がましですから,強い不安に襲われている人には,僕はこの種の助言をします。しかし,それが社会的な意味において,つまり人間が協働して生きていくものであるということまで考慮に入れたときに,よい助言であると一般的にいえるわけではありません。少なくとも僕は,これが一般的に優れたアドバイスであるというように考えているわけではありません。スピノザがどのようにいっているのかを確認します。
 スピノザが希望と不安について,一般的な評価を下しているのは第四部定理四七です。ここでは,希望も不安もそれ自体では善bonumではあり得ないといわれています。
 これは一見すると,スピノザ自身が矛盾したことをいっているように思えます。というのは,第四部定理八により,現実的に存在する各々の人間にとっての善というのは,その人間による自身の意識化された喜びlaetitiaにほかならないのですが,第三部諸感情の定義一二により,希望というのは喜びにほかならないからです。したがって現実的に存在する人間は,自身の希望を意識したならそれを善と認識するcognoscereことになります。これは明らかに第四部定理四七でいわれていることと反することになるでしょう。一方,第三部諸感情の定義一三により,不安は悲しみtristitiaの一種ですから,現実的に存在する人間は自身の不安を意識するときにはそれを悪malumと認識するでしょう。つまりこちらの方は第四部定理四七でいわれている通りです。
 ではなぜ第四部定理四七で,スピノザが希望もまたそれ自体では善ではあり得ないといっているかというと,希望もまた悲しみを伴うことなしにはあり得ない感情affectusであるからです。これは第三部諸感情の定義一三説明にあるように,希望は不安なしにはあり得ないからです。つまり不安は悲しみであり,不安なしにはあり得ない希望は,悲しみなしにはあり得ない感情ということになるから,それ自体では善ではあり得ないとスピノザはいっているのです。これが,第四部定理四七の証明Demonstratioの全体像になります。ただしこれらの感情は,もしも受動的な喜びが過度になるのを抑制し得るのであれば善であるとスピノザはつけ加えています。

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