犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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木簡の臨書

2016年12月27日 | 書の道は
[あらすじ] 漢の時代に公式文書に使われていた隷書(れいしょ)を習う。
石碑の拓本がお手本だったが、20世紀に入って、大量の木簡が発掘された。


筆で書いた活き活きとした隷書が出現して、書道の、少なくとも隷書の世界は
変わった。
それから百年くらい経ち、良い資料も出てきているので、
隷書の世界で木簡をお手本にすることは常識になってきている。
ということらしい。
なんせ、書き始めて3ヶ月の私にとっては何もかもが新しい知識だ。

石碑の拓本を見て、どう筆で書けば良いのかわからない、と
初心者の私が感じたのも、うなづける。
エラい先生が臨書したものを臨書して、それから拓本を臨書する。
ということを繰り返しているうちに、慣れて、拓本から直接臨書できる
ようになってきた。
そうは言っても、まだまだ動的でない。
そりゃあ行書や草書ほど動的ではあるまいけれど、
筆に墨で書く文字が、こんなに重厚なだけでもないだろう、
と、うっすら疑問を抱いてはいた。
これも、間違いではなかった。

石碑は、格式ある隷書なのだ。
木簡は、日常の通信文などだから、もっと素早く書いている。

木簡には、ピンからキリまである。
紐で綴って書籍としたものは、腕の良い人が書いたらしく、
かっこいい。
かっこいいなんて、あほみたいな賛辞だけれど。

私が見ても、この木簡はあんまりうまくないなあ、というものもある。
隷書が正体として用いられていた時代に、あんまりうまくない人が
どんな感じの字を書いていたのか見られるというのも、おもしろい。

とにかく、隷書を習得したいのなら、木簡の臨書をしないでは通らない。

しかし、文字が小さい。
なんせ、長さは30cm足らず、幅は1cm足らずといった細~い木の板に
書いている。
手本として、原寸大の写真を見るのだが、難しい。
まずは拡大した写真をお手本として使い、つられて自分も大きめに書く。

木簡の隷書が、筆使いの手本になるとは言え、
これだけ細い板にこれだけ小さな文字を書くのだから
こういう筆使いになっているのだ、ということもあるんじゃないか。
大きく書く隷書に、木簡の書法をそのまま移入することも無いだろう。
などと、初心のくせに思う。

とまあ、いろいろ書いているうちに、あれこれ発見があるだろう。

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