水が冷たい。
東京の住宅街で文句を言えた義理ではない程度の冷たさだが。
食器洗いをサボりがちになる。
瞬間湯沸かし器が有る。
だから、蛇口をひねれば湯は出る。
そんな豊かな暮らしで、サボれた義理でもないのだが。
暖房は薪ストーブを使っている。
ストーブの上には常にやかんを乗せている。
だからいつも湯が沸いている。
その湯を使えば良いのだが。
その湯が有るから蛇口から湯を出して
わざわざガスを消費するでもない。
でもやかんの湯を使うのは時々ちょっとめんどくさい。
ごちゃごちゃ言っているが、
何を言いたいかと言うと。
結局冷たい水で食器洗いをする。
その代わりと言ってはなんでございますが、
風呂を沸かす。
そっちにガスを使う。
ストーブの上で沸いている湯も、湯舟に運ぶ。
洗い物で冷えても風呂に入って解消しよう。
※
夕方、スマホに電話がかかってきた。
母に介護の必要ができて以来、
登録していない番号からの電話にも出るようになった。
出てみると、契約しているインターネットのプロバイダだった。
なんの用じゃ。
「オープンサーバーの無料キャンペーンのご案内です。」
キャンペーンか、要らんやつだな。
オープンサーバー??
何か配信でもするのに使えるとかそういうもんかいな?
しかしオープンって?
聞いてみた。オープンサーバーってなんですか?
「ウォーターサーバーの無料キャンペーンのご案内です。」
ああ、ウォーターサーバーか。
プロバイダからの電話でなんちゃらサーバーと言うから、
脳味噌が聞き間違えたわ。
必要有りません。
「お湯もすぐに出るので便利ですが。」
要りません。
電話係のおねえちゃんにわざわざ説明はしないが。
うち、お湯はいつも沸いているんです。
温泉地でもないのに。
鹿児島だかどこだかは、それぞれの庭先に
食べ物を蒸したりするための湯気の噴出口が
備えられているそうですよ。
電話係のおねえちゃんに世間話はしないが。
※
給湯器のパネルが、シンクと勝手口の間に在る。
漆喰の鏝絵で亀甲紋を作ったが、角度を間違って
原子力給湯器みたいになっちゃった、あのパネルである。
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/65da616419c81a4e023c1fa742e7cb15
「おいだき」のボタンを押してから、
冷たい水で食器洗いを始める。
冷え切った手で他の用事も済ませているうちに、
おいだきボタンのランプは消えている。
風呂が沸いている。
とっとと温まろう。
湯舟の湯を汲んで、腰から下に掛け湯をすると
?
あまり温かくない。
湯舟に手を入れてみると、
表面がぬるいくらいで、中はちっとも沸いていない。
ゲゲ。
いきなり全身に掛け湯しなくて、本当に良かった。
家で水垢離したくない。
滝ではもっとしたくないが。
おいだきボタンを押し直し、
風呂場を出て、身体を拭く。
服を着るでもない。
身体は湿っているし、ぬるくなってはいるからすぐに沸くだろう。
腕立て伏せでもして待とう。
腹筋はしたくない。裸で冷たい床に寝たくない。
手先と足先はどうせ冷えている。
腕立て伏せなら同じことだ。
※
とは言え、
そんなに長い時間やってもいられない。
風呂場に戻る。
じっとしていられない。
風呂掃除を始める。
セスキを撒いて、棒ダワシで掃除する。
タイルも目地もきれいになってゆく。
最後に、湯舟の湯で流す。
湯舟の湯で。
って
まだぬるい。
※
腕立ても掃除も終わってやることが無いので、
湯舟に入った。
入れるくらいの温度ではあるが、
出られる温度ではない。
じっと待つが、温度は上がってこない。
湯の噴き出し口の上に、手をかざしてみた。
なんともない。
いやむしろ、
流れが有るせいで冷たく感じる。
ダメじゃん。
沸かしてないじゃん。
一月に給湯器の故障ってのは、痛い。
困る。
困るなあ。
認めたくない。
何年か前、1月2日に給湯器が故障したことが有る。
365日24時間営業のサービスに電話したが、
電話は繋がりゃしなかった。
困る。
私はお風呂が大好きですのに。
つい数時間前、電話の向こうのおねえちゃんが言っていた
「すぐにお湯が出て便利ですよ」
という言葉が脳裏をよぎる。
そんなもん要らんとあの時は思ったものだが。
※
ふと思い付いて、給湯器の電源を一旦、切った。
少し間をおいて、電源を入れた。
そして、おいだきボタンを押した。
どうだ。
どうだよ。
おお。
湯が出る。
湯だよ。
湯が出ているよ。
※
結局のところ、
なぜ追い焚きができなくなっていたのか、不明なままである。
再起動が有効ということは分かった。
思い付いて良かった。
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