レスパイト８泊 後日篇

[あらすじ] 同居母86歳パーキンソン病要介護２認知症状少々。
８泊９日のショートステイから帰宅して１週間経った。

いつものことなのだが、
ステイから帰って来ると、家での生活を忘れている。

ステイ先のトイレが自動だったのだろう。
家のトイレを流さない。
流すことを思い出すまで、数日かかった。

夜間はベッドから離れて歩き回らない、という約束ごとも忘れている。
せっかく定着してきたのに、元の木阿弥水の泡か。

※

シルバーカーを押して歩く。
乳母車のような、アレである。
デイサービスでも使う。
「あだ名が有るの」と言う。なんだろう。
「アメリカの高級車の名前で呼んでるの」
アメリカの高級車？
リンカーン？「じゃなくて」
フォード？

ゼネラルモーターズじゃ特に高級車っていうんでもないか？
「イギリスだったかも」
じゃがー？だいむらー？ろーるすろいす？
「もっと短い名前。」
介護士さんも「ルノー？」と参戦。でもそりゃフランス。

「ベンツだわ」
思い出したのか。ご立派。でもそりゃドイツ。

※

ちなみにこのベンツ、おばあちゃん写真家の西本喜美子さんの愛車と
全く同じものである。
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/exhibitionreport/1097538.html
ってことは結構なスピードも期待できる。のか