8月28日(水)は、
錦糸町河内音頭大盆踊り大会に行ってきた。
毎年のお楽しみなんである。
北上していた台風10号がぐっと西に進路を変更したので、
この日は豪雨に遭うことも無く出かけることができた。
17時半にプログラムスタートだが、17時頃から練習会をやっている。
ということを知っているので、早めに行く。
会場が空いていて踊りやすいからだ。
※
色々な盆踊り会場でお見掛けする、大きく洋風な踊りをなさる方も、
存分に全身で表現している。
黒ズボンに黒のサテンぽいシャツで、異彩を放っている。
謎な踊りなんである。
謎なんだが、けっして他の人とぶつかるようなことは無く、
不思議と輪から外れることも無い。
混んできたらどこかへ消えたかのように潜んで見付からない。
迷惑なんか一切かけない。達人なのだろう。
※
プログラムが始まって、名だたる音頭取りが続々とステージに上がる。
あっという間に会場が混雑してくる。
踊りのスペースは、カラーコーンと棒で囲われている。
以前は、ステージ前に観覧スペースが有り、
後方には飲食スペースが有った。
しかし今は、飲食スペースはちょっと離れた所に移り、
踊りのスペースが拡大された。
盆踊り大会なんだからな。
※
首都高7号線の高架下が会場になっている。
雨はしのげる。
音響機材にとって安心この上無い。
音が逃げないのも良い。
かと言って音が回ってしまうほど閉鎖されてもいない。
つまりは河内音頭フェスなのだ。
ただ、両側にビルが立ち並んでいるので、
風通しが悪い。
※
トリは両日とも山中一平。
その弟子の一若丸を皮切りに、
今年は色々な流派の音頭取りが登場した。
中でも私が一番楽しみにしていたのは、すずめのティアーズ。
ドラムはもちろん久下惠生、囃子は中西レモンと豪勢。
思わず、待ってましたの声を掛けた。
演題はもちろん『ポリフォニー江州音頭』。
あはは。なんじゃそりゃ。
すずめのティアーズは、お二人とも「モノガタリ宇宙の会」の
通信講座で江州音頭を習得したという。
初代桜川唯丸のプロジェクトである。
これ、何年も前に見付けて、受講しようか迷ったがやめちゃった。
あがさはガットギターでビートルズを独自アレンジで歌う。
このアレンジが独自も独自。
私自身、「これとこれと合体させたらどうなるのー?」という
アレンジをするのが好きなので、たまらんご馳走であり、
且つ、きちんと技量を磨いた方がそういうアイディアを実現すると
やっぱり凄いもんが仕上がるな、としみじみ思う。
佐藤みゆきはブルガリア民謡を歌ったりカヴァルを演奏する。
カヴァルはブルガリアの笛で、
横笛でも縦笛でもなく、斜めに吹く。なんじゃそりゃ。
私がブルガリアの音楽に出会ったのは、月並みなんだけど
1989年、ケイト・ブッシュのアルバム『The Sensual World』だ。
ケイト・ブッシュの歌に、トリオ・ブルガルカの三声が絡んで
これまた独自の世界だった。
※
すずめのティアーズの『ポリフォニー江州音頭』について、
「二人のハーモニーが云々」と評されているものをよく見かけるが、
こうるさく厳密に言うと、ポリフォニーの音の重なりは
ハーモニーとは異なる現象だ。
ポリフォニーは旋律と旋律が、ある時は並行し、ある時は絡み合い、
ある時はぶつかり合うのが耳に心地よい。
ハーモニーは、その時その時の音の積み重なりで
複数の音が融合してまた新たな一つの響きとなる現象が耳に心地よい。
別もんなんである。
理屈は措いても、心地よいことにはかわりないので、
聴いたら「わー心地よい」と言っときゃいい。
※
ギターは和音を出す楽器であり、理屈はハーモニー寄り。
笛は旋律を奏でる楽器であり、モノフォニー。
ビートルズは、リズムとコード進行つまり和音・ハーモニーを土台とする
ロックの中で、フツーのハモりじゃないコーラスを入れて
うまいことやった偉大な人たち。
そして初代桜川唯丸は、プロデューサーであり鍵盤奏者である佐原一哉と組んで、
江州音頭とファンクを合体させちゃった変な人。
そんな流れがすずめのティアーズとして実を結ぶ。と、勝手に解説。
※
会場一体となるグルーヴ。
高揚する踊り子たち。
それはそれは盛り上がり、ドラムも盛り上がり、
ポリフォニーはうねりにうねった。
私は写真を撮るのも忘れてただただ踊った。
そ。写真撮るの忘れちゃった。画像無し。
※
会場でCDを買ってサインしてもらおう~っと
と思って、私は現金とマジックペンまで用意して行ったが、
残り2枚というアナウンスを聞いて、
じゃあ他の人に譲ってネットで買おう、と帰った。
後々考えると、出番前にCD買って、演者の通り道に潜んで襲撃してでも
ちょっとお話ししろよ、と思った。後悔日誌。よーそろー
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