[あらすじ] 8月24日に飼い犬ジーロくんが世を去った。
享年15歳と1ヶ月。
慢性腎不全と診断され、昨年の5月から毎日、
自宅で皮下点滴をしていた。
毎朝、近所の幼なじみ友人Mが犬の保定をしに来てくれた。
25日までで皮下点滴のセットが無くなる。
20日頃に動物病院へ行き、30日分を買い足した。
7月20日頃に、腎臓サポート用のドライフードが切れた。
ネット注文したが、ちょうどなんぞの祝日が重なり、届くまでに数日空いた。
普通食のソフトタイプのフードを与えたら、よほど旨いのか、
モリモリと食べた。
腎臓サポート食が届いてからも、普通食を混ぜて与えるようにした。
よく食べた。
それでも食の進まない時には、犬用の液状のフードを混ぜてやった。
これもとても旨いらしかった。
それでも食い付きの悪い時も有った。
確かに、体調は下降していたのだ。
だから、フードの減りは遅かった。
※
しかし、毎日食べた。
他の腎不全の犬猫の話を聞くと、
最期は吐いてしまってたいへん、ということだった。
そんな様子は無い。
だから点滴も30日分買ったし、
腎臓サポートフードも8㎏入りの大袋を買ったし、
液状フードも安いスーパーに行った時にたくさんまとめ買いをした。
※
それが、丸々余ってしまった。
※
犬が死んだ翌々日、旧友にばったり会った。
8年ぶりくらいだろうか。
数十分、立ち話をした。
「あたしも保護団体に見に行ったわよ。
病気の子とか、三本足の子とかばっかりで、
えーあたしこの中から選ばなきゃならないのー?って思った。」
健康そうな巨大なゴールデンレトリーバーを連れていた。
※
その話を思い出した。
その団体は、隣の市に入ってすぐの辺りだった。
近い。
インターネットで検索してみたら、どこの団体かすぐに分かった。
物資の寄付をしたい旨、メールしてみた。
※
「迷惑メールフィルターにかかってしまって、
返信が遅くなりました。
うちの子も腎不全なので、喜んでいただきます。」
と、2日後に返事が来た。
※
「どれくらい点滴してたんですか?」
1年4ヶ月です。
「へええ!がんばったんですね!」
そう、こんなに長くやるとは思っていませんでした。
毎日の輸液の皮下点滴が必要となってから、
ずいぶん長く生きた。
※
要介護2(のちに5)の母との同居生活に疲れる中、
犬の存在は私の支えだった。
そんな家でも住み、帰る、大きな理由だった。
犬がいなかったら介護放棄してどこかへ姿をくらましていたかもしれない。
実際、犬本人に対しても、私は繰り返し頼んでいた。
もうしばらく生きて一緒にいて、
この生活は一人じゃたまんないわ、と。
だから、母が特養に入居できた後は、
私と犬ジーロの最期の蜜月であった。
今思えば、その2ヶ月で犬の体調はずいぶん悪化した。
自分で寝起きできなくなった。
ウンチの姿勢で必ず尻餅をつくようになった。
それでも、
嘔吐するとか、寝たきりになるとか、
もっと悪い状態になることも考えに入れていたので、
私は犬に、もういいよ、今までありがとう、
とは言わずにいた。
※
「犬種は何だったんですか?」
雑種です。ポインターっぽい犬でした。
「ウチにもポインターが2頭いました。
でも、盗まれたんです。」
ポインターというキーワードを出したばっかりに、
盗難事件の話が始まった。
保護団体の人に会うにあたって、
病気の犬の話や、活動の中のたいへんな話を聞くことになるだろう、
という予想はしていた。
しかし、ここから続けて何件かの盗難事件について
話を聞くことになった。
世の中には恐ろしいことをする人がいるものだ。
殺人などの犯罪の手前に、その犯人に動物虐待の前歴が有る
というケースもよく有るそうだ。
犬の盗難の捜査に、警察は積極的ではない。
しかし、その後の凶悪化を予測するためには、
犯人はつきとめておく必要が有るのではないか、
などと思う。
※
「物も買えば費用がかかります。
だから、物の寄付をいただいた時も、領収書を出しています。」
宛先に、私の名前と並べて犬の名前も書いてくれた。
「ジロウ君? ジィロ君。はい。」
享年15歳と1ヶ月。
慢性腎不全と診断され、昨年の5月から毎日、
自宅で皮下点滴をしていた。
毎朝、近所の幼なじみ友人Mが犬の保定をしに来てくれた。
25日までで皮下点滴のセットが無くなる。
20日頃に動物病院へ行き、30日分を買い足した。
7月20日頃に、腎臓サポート用のドライフードが切れた。
ネット注文したが、ちょうどなんぞの祝日が重なり、届くまでに数日空いた。
普通食のソフトタイプのフードを与えたら、よほど旨いのか、
モリモリと食べた。
腎臓サポート食が届いてからも、普通食を混ぜて与えるようにした。
よく食べた。
それでも食の進まない時には、犬用の液状のフードを混ぜてやった。
これもとても旨いらしかった。
それでも食い付きの悪い時も有った。
確かに、体調は下降していたのだ。
だから、フードの減りは遅かった。
※
しかし、毎日食べた。
他の腎不全の犬猫の話を聞くと、
最期は吐いてしまってたいへん、ということだった。
そんな様子は無い。
だから点滴も30日分買ったし、
腎臓サポートフードも8㎏入りの大袋を買ったし、
液状フードも安いスーパーに行った時にたくさんまとめ買いをした。
※
それが、丸々余ってしまった。
※
犬が死んだ翌々日、旧友にばったり会った。
8年ぶりくらいだろうか。
数十分、立ち話をした。
「あたしも保護団体に見に行ったわよ。
病気の子とか、三本足の子とかばっかりで、
えーあたしこの中から選ばなきゃならないのー?って思った。」
健康そうな巨大なゴールデンレトリーバーを連れていた。
※
その話を思い出した。
その団体は、隣の市に入ってすぐの辺りだった。
近い。
インターネットで検索してみたら、どこの団体かすぐに分かった。
物資の寄付をしたい旨、メールしてみた。
※
「迷惑メールフィルターにかかってしまって、
返信が遅くなりました。
うちの子も腎不全なので、喜んでいただきます。」
と、2日後に返事が来た。
※
「どれくらい点滴してたんですか?」
1年4ヶ月です。
「へええ!がんばったんですね!」
そう、こんなに長くやるとは思っていませんでした。
毎日の輸液の皮下点滴が必要となってから、
ずいぶん長く生きた。
※
要介護2(のちに5)の母との同居生活に疲れる中、
犬の存在は私の支えだった。
そんな家でも住み、帰る、大きな理由だった。
犬がいなかったら介護放棄してどこかへ姿をくらましていたかもしれない。
実際、犬本人に対しても、私は繰り返し頼んでいた。
もうしばらく生きて一緒にいて、
この生活は一人じゃたまんないわ、と。
だから、母が特養に入居できた後は、
私と犬ジーロの最期の蜜月であった。
今思えば、その2ヶ月で犬の体調はずいぶん悪化した。
自分で寝起きできなくなった。
ウンチの姿勢で必ず尻餅をつくようになった。
それでも、
嘔吐するとか、寝たきりになるとか、
もっと悪い状態になることも考えに入れていたので、
私は犬に、もういいよ、今までありがとう、
とは言わずにいた。
※
「犬種は何だったんですか?」
雑種です。ポインターっぽい犬でした。
「ウチにもポインターが2頭いました。
でも、盗まれたんです。」
ポインターというキーワードを出したばっかりに、
盗難事件の話が始まった。
保護団体の人に会うにあたって、
病気の犬の話や、活動の中のたいへんな話を聞くことになるだろう、
という予想はしていた。
しかし、ここから続けて何件かの盗難事件について
話を聞くことになった。
世の中には恐ろしいことをする人がいるものだ。
殺人などの犯罪の手前に、その犯人に動物虐待の前歴が有る
というケースもよく有るそうだ。
犬の盗難の捜査に、警察は積極的ではない。
しかし、その後の凶悪化を予測するためには、
犯人はつきとめておく必要が有るのではないか、
などと思う。
※
「物も買えば費用がかかります。
だから、物の寄付をいただいた時も、領収書を出しています。」
宛先に、私の名前と並べて犬の名前も書いてくれた。
「ジロウ君? ジィロ君。はい。」
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