犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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ヨダレちゃん

2020年03月15日 | 介護ウチのバヤイ
[あらまし] 同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々。

イギリスのテレビ番組だかなんだかに、
お菓子づくりの技を競う番組が有るそうだ。
その名もブリティッシュベイクオフ。
友人Mは気に入ってちょくちょく視ているらしい。

「self-raising flourってのがよく出てくるんだけど、
なんだろうね。」
自分で持ち上げる小麦粉?
あ!
ホットケーキミックスか!

日本でも、HCMなんて略して、レシピが色々工夫されている。
どうやら、ブリティッシュベイクオフは、
そういう一般的な材料も使って、レシピや技術を競っているようだ。
視たことないけど。



ケーキの表面にツヤを出すために透明のものを塗る。
塗るものや塗ることを、ナパージュと言う。

ペクチンやゼラチンといったものや、
水飴などの糖類を使う。

ゲル状に固まってペタペタツヤツヤと仕上がる。



いえ別に、私はお菓子づくりに目覚めてはいないのですけどね。



大丈夫。
老母もお菓子づくりはしない。

それ、想像するだけで恐ろしいな。
粉とか卵とか牛乳とか砂糖とかチョコレートとか
台所中に散乱し、
あっちで泡だったり老母がキャラメリゼされてたり
思いがけない物がメイラード反応を起こしていたり

・・・



母の衣服を掛けているラックの前の床が、
ツヤツヤである。
部屋の隅であり、あまり人が踏まない場所だからワックスが
ツヤツヤのまま保たれている。

のではない。な。



若い頃から「ひだる病」を自称していた。
「ひだるい」とは、「ひもじい」よりは軽い空腹感のことを言うようだ。
今で言えば「小腹空いた」というところだろう。
血糖値が下がっているのだ。

何かと手元に置いてポリポリ食べ続けるのが癖だった。
ちょくちょく糖分を補わないと、仕事にならないのだ。

齢を取ってもそれは変わらず、
甘い物が欲しくてたまらない。
甘いオヤツを買っておくと、驚くほど素早く消えてゆく。

買い物をするのが間に合わない。
有れば有るだけ食べてしまう。
だから、隠しておいて小出しにしたりする。
そういう手間がかなり大きい。

そこで、飴玉を何種類か置いておくことにした。

これまたすごい勢いで無くなっていく。
が、お菓子をあれこれ買ってきて小出しにするよりは手間が少ない。



パーキンソン病は、無意識の運動の調節がうまくいかなくなる。
飲み込みもしかり。

ふだん私たちは、無意識に口の中の唾を飲み込んでいる。
だから、よだれをダラダラ垂らさずに済む。
睡眠中はこの無意識の飲み込みが働かないので、
眠っている人はよだれを垂らす。

パーキンソン病だと、無意識の飲み込みが働かないので、
よだれが口の中に溜まり、垂れやすい。

それは、飴を舐めていてもあまり変わりが無いようだ。

結果、よだれが飴混じりになってしまった。
糖分たっぷりのよだれが床に垂れる。

黒飴はもう二度と買わない。
床がすごいことになった。



とにかく、床に水飴を塗って歩いているようなものだ。
乾いても固まりきらず、ネチャつく。

歩くと、一歩一歩が床にくっ付く。
「ンチャ、ンチャ、ンチャ、ンチャ」
ってあたしゃDr.スランプアラレちゃんか。



友人Mが楽しそうに言う。
「ブリティッシュベイクオフだったらポイント高いよ!
"はぁい、ちゃんとツヤ出しできてますね♪”
ってメアリーが褒めてくれるよ。」

ウチはお菓子の家か。
またグリム童話か…
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