知人のバーの改装のお手伝いをしている。
カウンターの縁を削って天板を貼り替え、塗り替える。
カウンターに縁は有っても良いのだが、
奥行の無いカウンターに幅広の縁が有ると、
かなり狭く感じる。
縁の塗装をグラインダーで剥がしてみると、
何層にもなっているのが分かる。
この店になる前からこのカウンターはここに在るわけなので、
歴史を感じる。
黒い層の上に象牙色の層が有ってまた表面は黒。
茶色を段々濃くする、というのと違って、
黒白黒なのだから、ちゃんとその色に見せるために結構な厚塗りだ。
そんな歴史を剥ぎ落して、生の木が現れる。
これにニスを塗ってやろう。
かなり若返るはずだ。
※
そんなことをやっているのも、自宅の補修をあれこれ自分でやっているから、
なんだかいつの間にかいろいろできるようになった。
グラインダーで塗装を剥がす時には、
慎重にしないと材をえぐってしまいかねない。
圧力をかけない。
しかし、グラインダーが暴れないようにしっかり支える必要が有る。
かんなを掛けるような感じで、大きなストロークで手前に引く。
曲面の上の塗装を剥がしていくので、一回に1㎝くらいの幅しか剥がせない。
繰り返し繰り返し。
※
カウンターの端っこ、壁際から始めて、少しの間は直線。
そして緩やかなカーブに入る。
カーブは一回に長い距離を削ることができない。
ちまちまと作業するので、時間がかかる。
カーブを抜けたら4メートルの長い直線に入る。
こうなったら楽だ。
ディスクを交換して、新しいやすりでガンガン進める。
※
なんとか時間内に作業を終えた。
急いで帰らないと、飼い犬ウーゴくんが散歩を待っている。
店を飛び出る。
※
歩きながら顔を触ると、
指にこってりとおがくずが付く。
小鼻のわきなどに、おがくずが積もっている。
鼻の穴がゴワゴワするのでほじってみると、
真っ黒だ。
剥いだ塗装の粉を相当吸っている。
マスクを外して見ると、これまた汚い。
顔を洗って来るんだった。
と思いながらも、急ぐ。
新宿の雑踏の中、自分はどんな姿なのやら。
※
地元の駅が近付いた時、同じ車両に旧友らしき人を見付けた。
こちらには気付いていないようだ。
地元ではないのだが、同じ駅で降りるようだ。
こっちのことも見えたと思ったが。
後から追って行く。
エスカレーターの列に並ぶ時に、相手が振り返る形になったので、
笑顔を作って、顔を覗き込んだ。
相手は無表情のままである。
しまった。
「人違いしました。すみません」
私はエスカレーター右側の列に並び、ソソクサと先へ進んだ。
うーん。
身長も、髪の毛の質も、肌の色も、目の形もそっくりなんだけどな。
他人の空似か。すごいな。
ただ、着ている服とメイクの仕方が違った。
私の友達は、とてもオシャレだ。
やっぱり他人の空似だな。
80年代ぽい霜降りジーンズに妙なジャンパーなんて着ないよな。
ああでも
私が異様におがくずまみれで、
私とそっくりの誰かみたいになっていたのかもしれない。
カウンターの縁を削って天板を貼り替え、塗り替える。
カウンターに縁は有っても良いのだが、
奥行の無いカウンターに幅広の縁が有ると、
かなり狭く感じる。
縁の塗装をグラインダーで剥がしてみると、
何層にもなっているのが分かる。
この店になる前からこのカウンターはここに在るわけなので、
歴史を感じる。
黒い層の上に象牙色の層が有ってまた表面は黒。
茶色を段々濃くする、というのと違って、
黒白黒なのだから、ちゃんとその色に見せるために結構な厚塗りだ。
そんな歴史を剥ぎ落して、生の木が現れる。
これにニスを塗ってやろう。
かなり若返るはずだ。
※
そんなことをやっているのも、自宅の補修をあれこれ自分でやっているから、
なんだかいつの間にかいろいろできるようになった。
グラインダーで塗装を剥がす時には、
慎重にしないと材をえぐってしまいかねない。
圧力をかけない。
しかし、グラインダーが暴れないようにしっかり支える必要が有る。
かんなを掛けるような感じで、大きなストロークで手前に引く。
曲面の上の塗装を剥がしていくので、一回に1㎝くらいの幅しか剥がせない。
繰り返し繰り返し。
※
カウンターの端っこ、壁際から始めて、少しの間は直線。
そして緩やかなカーブに入る。
カーブは一回に長い距離を削ることができない。
ちまちまと作業するので、時間がかかる。
カーブを抜けたら4メートルの長い直線に入る。
こうなったら楽だ。
ディスクを交換して、新しいやすりでガンガン進める。
※
なんとか時間内に作業を終えた。
急いで帰らないと、飼い犬ウーゴくんが散歩を待っている。
店を飛び出る。
※
歩きながら顔を触ると、
指にこってりとおがくずが付く。
小鼻のわきなどに、おがくずが積もっている。
鼻の穴がゴワゴワするのでほじってみると、
真っ黒だ。
剥いだ塗装の粉を相当吸っている。
マスクを外して見ると、これまた汚い。
顔を洗って来るんだった。
と思いながらも、急ぐ。
新宿の雑踏の中、自分はどんな姿なのやら。
※
地元の駅が近付いた時、同じ車両に旧友らしき人を見付けた。
こちらには気付いていないようだ。
地元ではないのだが、同じ駅で降りるようだ。
こっちのことも見えたと思ったが。
後から追って行く。
エスカレーターの列に並ぶ時に、相手が振り返る形になったので、
笑顔を作って、顔を覗き込んだ。
相手は無表情のままである。
しまった。
「人違いしました。すみません」
私はエスカレーター右側の列に並び、ソソクサと先へ進んだ。
うーん。
身長も、髪の毛の質も、肌の色も、目の形もそっくりなんだけどな。
他人の空似か。すごいな。
ただ、着ている服とメイクの仕方が違った。
私の友達は、とてもオシャレだ。
やっぱり他人の空似だな。
80年代ぽい霜降りジーンズに妙なジャンパーなんて着ないよな。
ああでも
私が異様におがくずまみれで、
私とそっくりの誰かみたいになっていたのかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます