深大寺の盆踊りで楽しみにしているのが、
ある一人の少女である。
初めて見た時は、小学校三年生くらいに見えた。
私の後ろで踊る女の子がいた。
私自身、盆踊りを始めた頃に、知らない人にほめてもらえると
とても嬉しかった。だから、曲が終わった時にその子に
「上手だね」と言った。
ちょいとはにかんだ笑顔を見せた。
時々、木の下に立っている年配の女性のもとに行っていた。
おばあちゃんだろうか。
その後も毎年、ばあちゃんと来ている様子だった。
ある年、ものすごい雨が降った。
踊りの輪は、ほんの数人だけとなってしまった。
DJはテントの下だし、櫓には屋根が有るので、盆踊り自体は続行されていた。
私はどうせ近所なので、濡れるのもかまわず踊っていた。
その子も、踊っていた。
土砂降りの中、踊る阿呆。
ばあちゃんも寛大だと思う。
雨ん中で濡れて踊るのは余程の阿呆だ。
親だったら「風邪引くわよ!」とか言って連れて帰るだろう。
他にも雨に濡れて踊った経験は何度も有るけれど、
この時はとても印象に残っている。
数年前、多分3年前にも、お見掛けした。
十代半ばか、もう高校生か。
すっかりおねえさんになっている。
上手な子どもの踊りから、しな良い踊りに変わってきている。
と、思ったら、コロナで盆踊りどころでない世になってしまった。
※
今日、終盤に主催者の挨拶が有った。
「一ヶ月、開催するかどうか、本当に迷い続けていました。
苦渋の決断でした。」と語っていた。
中止するのも苦渋の決断だろうし、開催するのも苦渋の決断だろう。
迷いは一ヶ月どころの騒ぎじゃないのは想像に難くない。
「子どもたちは我慢の連続で。
夏の思い出を一つでも作ってもらいたく、決断しました。」
大人だって我慢の連続だ。
子どもよりも、大人のほうが、いや年寄りほど、思い出の価値を知っている。
※
二日とも行った。
あの子はいたのだろうか。
考えてみると、もう成人しているくらいの年頃だろう。
もう、おばあちゃんの付き添いも必要ないだろう。
顔貌は憶えているけれど、見ても分からないかもしれない。
私は化粧の下の顔を見る力が無いアホなんである。
※
深大寺の盆踊りは一時期、人が減っていた。
しかし、今年は盛況であった。
若い男女が多いのが印象的だった。
そう、二十代男子も踊っている。
地域の盆踊りが縮小し、
運営する人が高齢化し、
このまま盆踊りという文化は廃れてしまうのではないか、
と、数年前には危惧していた。
けれど、そうでもないような気がしてきた。
前回は大正大学だったから学生さんが多いので、
だから若いだけだ、と思ったけれど、
地域の盆踊りでも若者がいるのならば、
未来は明るい。
※
どこの会場で踊っても、思う。
また来年ここで一緒に踊りましょう!
ある一人の少女である。
初めて見た時は、小学校三年生くらいに見えた。
私の後ろで踊る女の子がいた。
私自身、盆踊りを始めた頃に、知らない人にほめてもらえると
とても嬉しかった。だから、曲が終わった時にその子に
「上手だね」と言った。
ちょいとはにかんだ笑顔を見せた。
時々、木の下に立っている年配の女性のもとに行っていた。
おばあちゃんだろうか。
その後も毎年、ばあちゃんと来ている様子だった。
ある年、ものすごい雨が降った。
踊りの輪は、ほんの数人だけとなってしまった。
DJはテントの下だし、櫓には屋根が有るので、盆踊り自体は続行されていた。
私はどうせ近所なので、濡れるのもかまわず踊っていた。
その子も、踊っていた。
土砂降りの中、踊る阿呆。
ばあちゃんも寛大だと思う。
雨ん中で濡れて踊るのは余程の阿呆だ。
親だったら「風邪引くわよ!」とか言って連れて帰るだろう。
他にも雨に濡れて踊った経験は何度も有るけれど、
この時はとても印象に残っている。
数年前、多分3年前にも、お見掛けした。
十代半ばか、もう高校生か。
すっかりおねえさんになっている。
上手な子どもの踊りから、しな良い踊りに変わってきている。
と、思ったら、コロナで盆踊りどころでない世になってしまった。
※
今日、終盤に主催者の挨拶が有った。
「一ヶ月、開催するかどうか、本当に迷い続けていました。
苦渋の決断でした。」と語っていた。
中止するのも苦渋の決断だろうし、開催するのも苦渋の決断だろう。
迷いは一ヶ月どころの騒ぎじゃないのは想像に難くない。
「子どもたちは我慢の連続で。
夏の思い出を一つでも作ってもらいたく、決断しました。」
大人だって我慢の連続だ。
子どもよりも、大人のほうが、いや年寄りほど、思い出の価値を知っている。
※
二日とも行った。
あの子はいたのだろうか。
考えてみると、もう成人しているくらいの年頃だろう。
もう、おばあちゃんの付き添いも必要ないだろう。
顔貌は憶えているけれど、見ても分からないかもしれない。
私は化粧の下の顔を見る力が無いアホなんである。
※
深大寺の盆踊りは一時期、人が減っていた。
しかし、今年は盛況であった。
若い男女が多いのが印象的だった。
そう、二十代男子も踊っている。
地域の盆踊りが縮小し、
運営する人が高齢化し、
このまま盆踊りという文化は廃れてしまうのではないか、
と、数年前には危惧していた。
けれど、そうでもないような気がしてきた。
前回は大正大学だったから学生さんが多いので、
だから若いだけだ、と思ったけれど、
地域の盆踊りでも若者がいるのならば、
未来は明るい。
※
どこの会場で踊っても、思う。
また来年ここで一緒に踊りましょう!
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