[あらすじ] 去年の10月から書を独習し始め、好きが嵩じて
天来記念館のある長野県佐久市望月を訪れた。
石碑を見て、記念館を見て、看板を見た。
味噌カツ丼を食べて、味噌カステラを買った。
いや名物と来たら酒だ酒だ。
隣の茂田井の宿に、造り酒屋がある。
そのうちの一軒が書道館にたくさんの書を展示しているようだ。
行かねば。
行ってみてわかった。
比田井天来とその門流の書家たちの書があるが、主たるものは
吉野大巨という書家のものである。
なぜなら、この酒屋の銘柄「明鏡止水」を書いているからだ。
さっきの菓子屋さんの棚に飾ってあった草書の「無極」を書いた人じゃないか。
武蔵野市吉祥寺南町にお住まいの。
http://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/dd011485701cde33c48a72b426f649fd
酒屋のご主人に、実は吉野先生が活動する三鷹にほど近い調布市深大寺から来たのだ、
と言ってみた。
するとご主人は「へー」でもなんでもない様子だ。
つまんねえの、と思ったが、次のひとことでこちらが驚いた。
「うちのかみさんは深大寺北町の出身ですよ。」
世間は狭いのだ。
調布の隣の世田谷に、東京農大がある。
日本の東半分側で酒蔵をやろうって人は、だいたい東京農大の醸造科で学ぶのだろう。
日本は狭いのだ。
日本酒はひとつの銘柄で、何種類もの造り方をする。
書道館にも、大巨の書いた何種類もの「明鏡止水」が飾ってあった。
酒の仕込みにやり方がいくつもあるように、
書体も様々ある。
酒のラベルも酒飲みの楽しみのひとつである。
飲んだ酒の銘柄の文字を臨書する、ということを趣味にしている人もいると聞く。
そういえば私も、隷書を覚えたての頃に「菊正宗」と「腰古井」を書いたっけ。
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もう少しいろんな書体に慣れたら、
そんな遊びもできるようになるだろう。
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