懺悔

こうしなければ良かった、ああすれば良かった。
ほんの一瞬の判断の間違い。
人生は後悔の繰り返しさ。ふっ。

・・・

庭の柵の周りに、クレマチスを植えている。
もう何年も前からだ。
その後、トケイソウも植えたが、これがやたらに増える。
ずいぶん離れたところからも芽が出て来て、よく育つ。

個人的に、やたらに増えるものはそれだけで雑草のカテゴリに入る。
どんなにきれいな花を付けようが、やたら増えちゃあ他のものの迷惑だ。

ある年、トケイソウはやめた。
全部ひっこ抜いて、同じ場に育つクレマチスを守ることにした。

先日、また出てきやがった一本が有ったので、ぶっちぎった。

ぶっちぎった直後、気付いた。
葉の形が違う。

クレマチスだった。

せっかく伸びてきたクレマチスを。
守ってきたクレマチスを。
自分でぶっちぎりました。

・・・

ヤゴは、共食いをする。
強い者だけが生き残る。
数mmしかない、生まれたての頃のヤゴにとって、
きょうだいは餌である。

だから、小さい水槽や２Lペットボトルを横にした物に、一匹ずつ分けて飼っていた。

その小さな水槽で、ヤゴが続けて３匹死んだ。

ヤゴは水温が高くなるのが苦手ということだ。
日陰にするようにしていたのだが。
やはり水槽が小さいから、温度が上がってしまったか。

大きい水槽なら大丈夫だろう。
小さな水槽でまだ生きているヤゴ４匹を、既に一匹いる大きな水槽に移した。

翌日、大きな水槽で死体を見付けた。
今までの死体とまったく異なった死に姿。
胸の下で真っ二つになっていた。

共食いしてしまったのだ。

・・・

わかっていたのに、気付いていたのに、
悔やんでも悔やみきれない。

ちなみに生き残っているヤゴが何匹だか確認できていないが、
見えたヤゴは一匹だけで、しかも、ある時の脱皮以来、翅（はね）が
曲がってしまっているヤゴだった。
無事に羽化できるかどうかわからないようなヤゴが、
喧嘩には強い。

憂えても仕方無い。
羽化を待つことには変わりない。